勝手にシネマ評/『彷徨える河』('16)

マゾンの密林が舞台のモノクロ映画『彷徨える河』。

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りあえずアマゾンと聞いて、私のお粗末な想像力ですぐに浮かぶ設定は、<先住民族VS侵略者の攻防史パターン>と、<科学で解明できない自然神への崇拝パターン>の2つだけ。だから「結局はそのどちらかに収まるだけで、さして目新しくもないんじゃねーの?」と期待は薄かった。ところがフタを開けたら、想定内に関わらずベラ棒に面白い!2つのパターンを両方盛り込んでなおかつ、娯楽映画の胸騒ぎをキープ。ずーっとワクワクし通しだった!

 

はその勝因は何か―。まずは肉体の説得力だ。先住民族唯一の生き残りとして、開口一番に登場する青年カラマカテ。カメラは彼を足元から舐め、ふてぶてしくて剛毅な面構えを捉え、ほぼ全裸に近しい後ろ姿までイッキに撮り切る。たかだか数分のファーストショット、だが速攻、我々の意識はアマゾンへ持っていかれる!ツイさっき食べたランチのことも、急ぎで返信しなきゃならないメールのことも、すべて抹消。呆けたようにスクリーンに注視するだけの状態になるのだ。カラマカテ、お前は一体何者だ?

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ぶりな首飾りと腕に巻き付けた羽、股間のみ覆う紐パンに、手には長~い棒を持つ男。自前の筋肉そのものが衣服のように映え、それも“隆とした身なり”ってヤツにまで昇華しているではないか。素人目ながら、ゴールドジム+プロテインの筋肉とは違うのよ…もっと粋筋なのよ!と思わず口走りそうになった。そう、すっかり映画のマジックにノせられ、梯子を外されたわけだ。

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て、ビジュアルの次に吸い寄せられたのが対話である。これまた勝手な思い込みなのだが、未開の地への探検ドラマとなれば、コミュニケーションが図れないのが前提となるはずだが、ここでは冒頭から対話が花盛り。意表を突かれた。

ある日、不治の病に侵されたドイツ人の民族学者テオドールと、先住民族出身の案内人マンドゥカが、カラマカテの呪術を頼りに来訪。白人侵略者たちへの恨みが根深いカラマカテは、一度は拒絶するが、唯一の治療薬となる植物“ヤクルナ”探しの旅へ同行することになる―。

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い、そうです、奇妙な組合わせの3人がカヌーに同乗し、大アマゾンを移動するロード・ムービーの体裁となるのだ。民俗学者だから言葉の壁がないのだろうけど…話が早いね(笑)。しかも先住民族の言語(一体何語?)が、コロコロと鳴り響く魅力的なイントネーションで、イチイチ耳に心地よい。音声素材を表現に取り込めるのも映画のマジックを強める一手だと痛感した。

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ちろん旅の途中の会話の中身がこれまた上等!モノに執着するテオドールを「正気じゃない」と諫めたり、「雨の前に魚を食べてはダメだ」など禁忌を連発してハッとさせたリ、妻への愛を手紙に綴るテオドールを可笑しがったりと、映画はカラマカテを通じてカルチャーギャップを提示し、科学的進歩に疑問を投じるくだりとするわけだが、カラマカテの知恵者ぶりが心技体を熟成した果ての簡素な美しさで迫ってくるため、くすぐりにもったいぶった匂いが感じられない。やがて警戒心をほどき合い、会話を重ね、互いの意見と人格を整理しながら静かに信頼関係を育んで行くプロセスに、私はメロメロになった。

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して映画には、もう一つ大きな仕掛けが用意されている。20世紀初頭の3人の旅と並行して、それから数十年後の老いたカラマカテの現在が挿入される。そのお姿は、枯れてなお鳶の頭のような風貌で、藍染の半纏でも羽織らせたらとびっきり似合いそうだが、時を経て記憶を失くし、孤独の淵にいるらしい。そこへ欲深く不眠症のアメリカ人植物学者が現れ、全てを忘れて無(チュジャチャキ)になったカラマカテを誘い出し、再びヤクルナ探しの旅に出掛けるシークエンスが描かれるのだ。

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タバレになるのでここには記さないが、過去の3人旅がこの先どういう末路を辿るのか?…河べりに舟を乗り着ける度に遭遇する悪夢の連続に終わりは来るのか?…ヤクルナは見つかるのか?…テオドールたちとの交流は?…等々、その後の2人旅からも同時に過去の出来事の行方を推察することになり、我々は聖なる植物を巡って突き進む2つの時間に絡めとられる。そこには、河の流れと呼応した出口が見えない欲望深き横の展開と、ジャングルから天空に向かって縦へ縦へと伸びるシャーマンの精神世界が出現し、やがて驚くべき結末へとジャンプする。ケレン味たっぷりに描かれる、聖と俗がせめぎ合うスケッチの数々…そのどれもが夢見るようであり、繰り返される弱者の悲劇を予感させるようにも映る。

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錯する2つの旅は、共に病に苦しむ知識人が一方的にカラマカテに接近して始まるものだった。なんやかんやと理屈を並べても、行き詰まった合理主義の果てに尚、科学的裏付けがなされなくとも、使えるものは出涸らしになるまで使い切ろうとの魂胆が透けて見える残酷な設定である。しかし、映画はラストで安直な二項対立劇をうっちゃり、命さえない世界を覗かせた。何と、カラマカテから刃を向けた相手へバトンをつなぎ、スクリーンをカラーに一変させ、我々をコイワノ族の末裔に化けさせる幕切れの鮮やかなこと!お~っ、こんな大風呂敷ならどこまでも広げていただきましょう。やっぱ映画はこうじゃなくっちゃ★ しかも私は未だに梯子を外されたまま、宙吊り状態に浸っている―。

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まったくの余談だが―監督のシーロ・ゲーラは「多くのコロンビア人はアマゾンについて何も知らない。だから調べて、映画にした」という記事を目にした。なぜかそのとき、桂離宮のことが頭をよぎったんだよね。初めて桂離宮を訪れたのは7年前。身をやつすようにひっそりと佇む敷地内に、無限の宇宙が広がっていようとはツユ知らず、かなりの衝撃を受けたのだが、その興奮を伝えようにも、「聞いたことがあるけどそれ何だっけ」?と返されるばかりで意気消沈…。監督みたいに作品にしてフィードバックはできないし…(苦笑)。八条宮家三代に渡る美意識の結集はアマゾンの密林とは対極の徹底した人工物なのだが、引き戸の向こうとこちらは別世界で、我々とは異なる時空が宿っていることだけは全身で受け止めてしまった私(汗)。以降、ずーずしくも、「日本人のやることもまんざら捨てたものじゃない!」と、桂離宮は私の心の拠り所になっている。それにしても、アマゾンの密林映画を見ながら、桂まで想像が広がるとは…。優れた映画と接触すると予想だにしない化学反応が起こるもの。だから未だ劇場通いが止められないのよね(苦笑)。

 

11月19日(土)~12月2日(金) 

名古屋シネマテークにて(上映スケジュールはこちらから) 

 


映画『彷徨える河』予告編

 

彷徨える河
2015年/コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン合作/モノクロ/124分

監督   シーラ・ゲーロ
撮影   ダビ・ガジェゴ
脚本   シーロ・ゲーラ
     ジャック・トゥールモンド
キャスト ヤン・ベイブート 
     ブリオン・デイビス

 

PS 次回は10/31にUP予定。またお会いしましょう♪

あいちトリエンナーレ2016✑ 備忘録②

さて「あいトレ2016」備忘録の2回目は、遅~い夏休みを利用し、半日かけてぶらついた名古屋地区編です。金曜の午後は、メインの美術館が20:00までOPEN。時間を気にせず回れてオススメよ。それと、意外と空模様も重要!美術館以外の場所での展示は、雨天は避けたほうが無難だね。会場が細かく分かれているから、イチイチ傘をさしたり閉じたりは面倒だと思うので(汗)。荷物も最小限にして行きたいしね。―ということで、後半戦も個人的に気になった作家の紹介でLet's Go!

 

名古屋市美術館からスタート!

▶ここでは1Fに展示された2人の作家に注目した。1人は館内に入って右手に並ぶアブドラ・アル・サーディアラブ首長国連邦出身の作家と遭遇するのは初体験だ。『比較通―スイカシリーズ』('13)は、スイカのイメージを飛躍させ、架空の風景を捏造(笑)。鼻の先にスイカのあの甘青い匂いが漂ってきそうな山肌と、稜線に“建築的”な趣きがあって、困惑しながら新しい惑星に降り立つような気分を味わった。

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立体物がまたいいのよ~。動物の骨を使った彫刻作品シリーズ『腔間構成』('91)は、どれも挑発的なポーズをとる裸婦像に見えて色っぽい★ご本人もええ男♥

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▶もう1人は、サーディの対面に展示されているブラジル出身のマウロ・レスティフェによる写真作品。2週間にわたり愛知県内で撮影した19点を発表している。

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レスティフェは曇りや雨模様の日に好んで撮影するとか。だからなのか、プリントされた粒子の質感がめちゃくちゃ美しくて、吸い込まれそうになった。それとフレーミングが非常にユニーク。例えば上の写真の右から4つめ―建物とそこから抜けた空とどちらを狙っているのか判然としない…。いや、常に1枚の写真の中の構成を、全体最適で捉えていて、やたら密度が濃い。遠くから眺めてもクラクラするほどの存在感があった。

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時間に余裕を持って中央広小路ビル!

▶前回の備忘録①で「あいトレ」は映像作品が収穫だったと書いたが、沖縄出身のミヤギフトシも2本の短編『ロマン派の音楽』('15)『花の名前』('15)で強く記憶に残った。そのミヤギは中央広小路ビルの2Fで新作も発表。北海道を起点に侵略や弾圧で失われたいくつもの歴史と悲しみを、海の映像に込めたインスタレーションで展開している。

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異なる5本の映像がループで流れているので、まずはどれでもいいから試しに1本覗いてみて!風景にナレーションが被るだけの10分足らずのシンプルな作りなんだけど、これがじわじわと胸に染みてくるの。テキストと情景、どちらにも憂いがあって、知らないうちに現実の時間から浮遊してしまう…。1本見ると、必ずもう1本見たくなるから、時間にゆとりをもって出かけてみてね。

 

長者町会場 堀田商事ビル3F!

▶これまた全く知らないアルゼンチンの若手作家アドリアナ・ミノリーティ。一見既視感があるようなCGだが、よく見ると非常に作り込んであって見応えあり。ヘボくもエロくもない(苦笑)。むしろ揺るぎない世界観の構築に目を見張る。女性作家と知ってさらに驚いた。

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本丸、愛知芸術文化センター

▶最後は本丸となる芸文センターだ。2フロア(8Fと10F)に分かれているから注意してね。出入り自由の地下、屋上庭園、展望回廊にも展示があるのでお忘れなく♫

▶で、ここで魅かれたのは、まず10Fの三田村光土里。「わたしにわかることは、ヒモは必ずからまるということだけです」などの走り書きと、日用雑貨などで構成されたインスタレーションは、緊張と緩和のバランスが天才的で、あらゆるモノが息をしている。どこを切り取ってもスリリングな絵になって見えるのだ。

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実年齢はほぼ同世代なのに、手垢にまみれることなく恐れしらずな10代のハートを持つ人。非常に気になった。

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▶そのお隣の部屋は、オランダ出身でベルギーを拠点に活動しているマーク・マンダース。全美術プログラの中で、私が最も動揺した作家だ。ビニールクロスや建築素材、新聞紙などの即物的な質感で拵えた簡易ギャラリー風な空間に、朽ちかけて歪なポーズの彫刻(ブロンズだとか!)がそっけなく置かれている。これがカッコいいのなんの…心拍数が上がってヤバかった(汗)。

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あー、お泊りしたかったなあ~(笑)。私にはこの空間がとんでもなくエロティックな装置に見えて、一晩お付き合いしないと味わい尽くせやしない!と焦った。イメージに酔うのではなく、あくまでリアルな場としてフィットしたのだ。

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五平餅(!)状態の少女に、ネズミと抱き合わせの犬(狐?)、ヒビ割れた部分をそっと撫でたら、じわじわと泉が湧き出てきそう…。狂気スレスレのところを転じて、すべてが可憐で愛おしい―。

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 Webでインタビュー記事を見つけたから載せておくね。マーク・マンダース、しばらくマイ・ブームになりそうだ。

 

▶8F会場では田附勝の写真に釘付け!異様なまでの熱量!な、な、何なんだこのマグマの正体は…。私は基本、展示用キャプションをほとんど読まずに“バッターボックスに立つ”鑑賞スタイルだが、1作品目からビーンボールでのけぞらされた感あり(汗)。それも村田兆治のマサカリ投球で(例えが古くてスイマセン…)。

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振り返ったら、岡崎の石原邸でも新作を発表していたのだが、そちらはコンセプチュアルART風な一品で、記憶には残っていたが同じ作家とは到底思えず…。経歴も変わっているし、なんとあの『ほぼ日』に「田附勝の「めだま」の先」という不定期連載を掲載中。発言がこれまた楽しいのだ★ 私の村田兆治連想、まんざら遠くないかも…そう、全方位すべて先発完投の男気アニキみたいよ(笑)。

 

さて、2回にわたってお届けした「あいトレ2016」備忘録はいかがだったかな…。自分から近づき⇒実際に立ち合い⇒疑問・発見を体感し⇒Webや書籍で後追い検証⇒そして自分なりのアンソロジーに組みなおす…。このサイクルが私の生には欠かせない。

世界は広い。未知の作家とめぐり会う旅に終わりはない―。

 

PS 唐突ですが、目下全国一斉公開中のC・イ―ストウッド監督作品ハドソン川の奇跡は必見!御年86歳、実話の映画化&感動秘話を、思いっきり手離れよくサクサク作っていてびっくらよ。このジジイ、鼻くそほじりながら、軽ーくあと10本は作りそう(汗)。食事はガソリンだったりして(爆)。

次回は「あいトレ」で一足先にチェックした映画『彷徨える河』評をUPします。10/20にまたお会いしましょう~。

 

 

あいちトリエンナーレ2016✑ 備忘録①

3回目の開催となった『あいちトリエンナーレ』(10/23まで)。若干涼しくなった9月後半から足を向け、全会場を一通り眺めてきたのでご報告。まあ、私の感想なぞはナナメに流し読みしていただき、お時間があれば、やはり実際に足を向けるのがベストかと。なんたって遠足気分で体験するにはもってこいの季節だものね~♪

テーマは“虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅”。キャラヴァンサライとは、ペルシア語で隊商宿を意味する言葉なんだって。つまりこのイベントは、旅の疲れを癒す場所であり、次なる未知への旅の英気を養う家(サライ)となるよう企画されたらしい。―で結論から言うと、そんな狙いを踏まえられるシーンと、何度も遭遇したような気がするわ。

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まずは極上の映像プログラム★

▶ごめんなさい(ぺこり)。映像プログラムはほぼ全部終了してるのよ(汗)。芸文センター12FのアートスペースAで、1ヵ月に渡り粛々と上映されていたのだが…きっと知らなかった人も多かったんじゃないかな。国際展チケットがあれば何度でも無料で見られるお楽しみ企画なんだけど、そもそも何を見たらいいのかあたりもつけられないくらい作品ごとの情報が少ないからね。でも私だって同じ条件。そういうときは、とにかく期待せずに行くことです(笑)。ブラっと行って2プログラム見て、「ヤッバ~い、レベル高いかも!」と慌ててそこから連日仕事帰りに通い詰めましたよ~。そして毎晩、未知との遭遇中国、セネガル、エジプト、台湾、タイ、アマゾン、そして日本の軍艦島まで、映像探訪させていただきました。しんぼうタマランかったあ~。詳細を書き出したら夜通しかかりそうなので割愛するけど、私の『あいトレ』一番の収穫はコレ★ 簡易椅子に腰痛を感じつつも(汗)、たっぷり英気は養われたわ。

 ▶そして見逃した人には朗報!これから劇場公開される目玉作品もあるの♫ メモの用意はいいですかー、取り急ぎこの2本のタイトルを覚えておいて。1本目、ニコラウス・ゲイハルター監督作品『HOMO SAPIENS』('16)。人間が姿を消した廃墟(日本も登場)を、セリフも音楽も使わずにずーっと追い駆け続けるという実験的な内容ながら、退屈する暇が1秒もないドキュメンタリー。私はテンションが上がりすぎて過呼吸になりそうだった(汗)。大袈裟でなく、美の定義や、人間が築き上げてきた営みの意味が変わるくらいの衝撃作だと断言したい。特に日本にとっては、人口減少社会のリアル予測図とも捉えられる。予告にゾクっとしたあなた、来年の一般公開に乞うご期待!


HOMO SAPIENS: Berlinale TRAILER

そしてもう1本はシーロ・ゲーラ監督作品『彷徨える河』('15)。これまた魂が持っていかれちゃうよ~。めちゃくちゃ面白い!そして11/19~12/2 名古屋シネマテークで上映決定。近いうちに映画評で詳しく書くから取り急ぎ予告編を覗いてみて。聖なるものと俗なるもののせめぎ合いがタマラン。モノクロの映像美も深みたっぷりだ。


映画『彷徨える河』予告編

 

小旅行は豊橋からスタート★

▶そして本丸の美術プログラムへGO!今回は豊橋が会場に加わったので、岡崎会場と抱き合わせにして、1日小旅行気分で足を延ばしてみた。それにしても豊橋を訪れるのは一体何年ぶりだろう…。市電がフツーに走ってて驚いた。いいじゃな~い!

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▶開場は駅前に点在する古いビルを利用していて、非常に動きやすい。普段の街中の表情と、作品が地続きになるのは都市型芸術祭の特徴でしょう。私はこの距離感、好きだなあ。気負わず、ノンシャランとしてて、「ヒマならのぞいてく?」くらいの導線が心地良いのだ。

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▶ 黄色の壁と赤い非常階段が忘れ難い「開発ビル」会場。ここで光っていたのが、偏差値の高いおとぼけを大掛かりに展開している小林耕平東海道中膝栗毛インスタレーション。でも、おとぼけより、私は彼の造形美が好き。よく見るといちいち美しいんだなー。出色は富士山型(!)ハードル。近所の公園に設置してほしいよ(笑)。

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グリナラ・カスマリエワ&ムラトベック・ジュマリエフによる≪ニュー・シルクロード:生存と希望のアルゴリズム≫も思わず魅入った。バカでかいトラックが行き交うシルクロードの現在を、5面スクリーンと写真で展開。登場する人々は、けして裕福な境遇とは思えないが、彼らの日々の営みには朗々としたリズムが立ち上り、すーっと巻き込まれてしまった。AIでは補完できないであろう“生活の雑味”を味わった気がする。

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▶古いコンサートホールの楽屋裏(素敵!)まで贅沢に使い、プロジェクションを披露したのが石田尚志。うーん、増殖する絵巻物が花道に見えるのはそれなりに楽しいのだが、奥行に欠けるような…。石田作品の階層の深さと翳りが好きな私はもうひとつ物足りず(汗)。

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「水上ビル」会場では、リオデジャネイロ出身のラウラ・リマによる≪Flight≫という作品に注目した。住居全体を鳥の解放区に仕立てており、さながら我々が鳥にお招きされ、鳥たちから鑑賞されるような奇妙な感覚を味わう。これがねー、あそこにもここにも鳥がいてカワイイ♥なーんてはしゃいでばかりもいられません。急な階段を上るほどにツライ状況になるのよ(汗)。私の場合、屋上に張り巡らされたネットが自由を阻む世界中の壁のイメージとリンクしたのよね。もはや我々は、ささやかに咲く花にさえ手が届かない世界に生きているのかもしれない―。

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途中に飾られたブリューゲル風な絵も忘れ難い。鳥にとっての楽園のイメージなのか?人の姿はなく、既視感があるようなないような不思議な風景。そう、ここで私は『HOMO SAPIENS』の記憶が呼び覚まされちゃったんだよなあ…ふーっ。

 

公式ガイドブックを参考に★

▶さてどんなにとんでもないものを見せていただいても、人間やっぱりハラは減る!公式ガイドを参考に、ボン千賀で菓子パン「くろんぼ」(中身は白あん!)を買い付け、お昼ご飯は「焼肉処 若葉亭」で網焼きランチ¥950也をほおばり、大満足★

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いつもきれいな岡崎の街並み★

▶十分にお腹を満たした後は岡崎へ。メイン会場となる岡崎シビコは、今回も魅力的なハコになっていた。いきなりこんな山が現れても、なぜかしっとり眺められるんだよね。天井の低さが、かえって作品に集中させやすくなるのかな…。

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▶でもって、うって変わって奥の部屋から流れるオリエンタルな楽曲に誘われ…

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カイロで人気の「シャビ」という音楽ジャンルを再解釈した光と音のインスタレーションを体感。ハッサーン・ハーンという人の作品。これがねー、シンプルなんだけど、想像以上に握力が強くて、酔えるんだよね。見た目只の空きスペースなのに(笑)。楽曲が持つ熱を寸止めにし、ぬる燗にして差し出しているというか…。ずっと浸かっていたかったなあ。

▶シビコで唸ったのは野村在の部屋。壁には何かが破裂した後のような痕跡を写した写真が掛かり、中央にはひびの入ったガラス製の大きな箱がそっけなく置かれているー。どうやらこの箱の中で打ち上げ花火の実験が行われたみたい(汗)。

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ガラーんとしたスペースで、唯一動いている作品≪それでも世界は周り続ける≫に吸い寄せられ、縦に積まれた小型モニターをずーっと見続けていると、点在している作品のイメージが緩やかにつながり始め…。「始まり」と「終わり」の追い駆けっこに胸が締め付けられた。ここには思わせぶりなそぶりはない。事実のみの構成で、一瞬の出来事が永遠につながる嬉しいオマケも発見!しかも、ラウラ・リマの小屋から小鳥はジャンプし、ツバメと化してここに帰着したのね―などと妄想まで広がった。でもモニターをチラ見しただけで素通りする人が多い。もうちょっとだけ待って作品と対峙しようよ…世の中は宝の山だ―。

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▶毎回毎回感心するのが岡崎の道。ゴミ一つ落ちていないのよ、マジにきれい。地元の友人に言わせると、大型商業施設が市内の南側にできて以降、トリエンナーレの会場にもなる北側は閑散として行く一方だとの話だが、いやいや、寂れた感はないよね。むしろ閑静な文京地区の趣きだ。散歩の途中に見つけた住宅街に立つ婦人服のお店では、先週のブログで紹介した「それいゆ創刊70周年コーナー」ができていたよ~。

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そして夕暮れの空を見上げたら、鳥が並んでお待ちかね♫ まるで楽譜のようではないか!最後まで鳥のイメージが数珠つなぎした「あいトレ」郊外編だったわ★

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▶翌日は和菓子店「和泉屋」オカザえもん岡崎市の非公式ゆるキャラ)どら焼きでコーヒー・ブレイク。白小豆と黒豆の両方入った欲張りな逸品よ。焼き色が濃い目で若干松崎しげる状態だが(笑)、これもまた一興。髪型は私とカブる(汗)。

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さて「あいトレ」備忘録は、②の名古屋市内編に続きまーす。次回は10/10のUPです。

すべては雑誌からはじまった!【② それいゆ の巻】

雑誌『それいゆ』創刊70周年!

◆戦争が終わり、ちょうど1年経た1946年8月15日に、伝説の女性向け雑誌『それいゆ』が創刊された。前回このコーナーで紹介した『暮しの手帖』が始動したのも同じ頃だが、物資はもちろん食べ物さえも乏しく荒廃した地で、女性雑誌が復興の起爆剤となった事実に、私は強い関心を持っている。そして、現在も発行中(!)の『暮しの手帖』に対し、『それいゆ』は1960年8月までの全63冊で幕を閉じているのだが、むしろそれゆえに伝説と化していて、10年おきくらいにスポットが当たり⇒再燃という流れが繰り返されてきたように思う。創刊70周年を迎えた今年は、ついに特設サイトもオープン。イベントや販促にも力が入ってて、もはや懐かしさをそそるだけの狙いではなく、日本人女性の琴線に触れる「カワイイ文化」の源泉として立ち上がっているのだ。

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中原淳一ワールド全開!

◆例えば、花森安治編集長の暮しの手帖』が、硬派に生活全般のレベルUPの一助になるのを目標にしていたとするなら、『それいゆ』は、スーパー・クリエイター中原淳一が手掛ける“女性のための”美的生活追及マガジンといった印象だ。2誌共にカリスマ編集長が、雑誌の美意識を決定づけていたわけだが、『それいゆ』は美しくかつ新しいものに対する感度が高く、今の女性誌の原型ともいえるだろう。何せ淳一は雑貨屋からスタートしているからね~。精神性と物欲の両方を刺激し、“美しいものに囲まれて、わたしもキレイになりたい!”と、日本中の女性たちを虜にしたのではないだろうか。ただ、華麗にトレンドを生み出してしまったがために、力尽きて63冊で廃刊。

◆余談だが、花森と中原…一時代を築いた天才編集長の比較を誰かやってくれないかなあ…。学術書が出てもおかしくない研究テーマだと思うのだが―。

 

古本屋からマイ・ブームへ!

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◆なーんてエラソーなこと書いてしまったが(汗)、『それいゆ』は私が生まれた前年にピリオドを打っているので、もちろんリアルタイムで熱狂したわけではない。聞きかじった情報が脳裏にあり、20代半ばのある日、仕事場の近くの古本屋Mで実物を見つけたのをきっかけにマイ・ブームとなった。

◆そこには大量の『それいゆ』がひっそり眠っていたのだが…ズルいのよー!ぜーんぶビニールが掛けられ…ビニ本状態(涙)。開封は許されず、なんと1冊のお値段は1500~2000円相場(汗)。当時の私のバイト料は時給800円で割といい方だったが、それでもジャケ買いの博打に出るには勇気が必要だったわよー(笑)。結局バイト料が入るたび2~3冊ずつ博打を打ち、合計20冊ほどご購入。世の中がバブっていたときに、DCブランドの服でも高級フレンチでもなく、こんなお地味な博打を打っていたのが我ながら可笑しい。

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中原淳一は、自前メディアの在り方を固定化せず、絶えずトライアルし続けた点でも一歩先を進んでいた。『それいゆ』が爆発的に売れてこれを柱としつつも、そこから人気コンテンツをピックアップし、臨時増刊号として発行。読者の反響に呼応して進んでいたんだよね。そう、フィジビリの連続!また、少女向けに『ひまわり』(のちに『ジュニアそれいゆ』へモデルチェンジ)を出したり、イベントや販促と連携させたりと、出版の可能性を押し広げたその手腕には今更ながら驚かされる。さしずめ「日本のリアルクローズを世界へ」がテーマの東京ガールズコレクションなぞは、淳一が70年前に敷いたレールの上を走っているということだ。

 

『それいゆ 手芸集』に感涙!

◆子供のころからサンリオ系のファンシーグッズやキャラクターにはまったくノレなかった(汗)。カワイイ=丸系のデザインと二頭身のルックスを見る度、妙にムカつく少女だった(笑)。しかし、せっせと買い集めた『それいゆ』を舐めるように見た私が、最も魅かれたのは手芸インテリア。そこには私の理想の人形や小物の作り方が掲載され、そうした物たちを散りばめた部屋のインテリアまでトータルに紹介されていたのだ!

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◆夢中で作り倒しましたね(笑)。内藤ルネのイラストをアップリケしたり、水野正夫(最も影響を受けたデザイナー!)のデザインセンスを参考に人形を作ったり…。ボロボロながら捨てられず今も残る手作り品。けっこう味わい深かったりして―。

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◆こちらのBAGは使い続けて20年以上経つ代物(汗)。よれ&煤け具合にアンティークの趣きあり(笑)。周囲の評判も良かったんだよね~♪

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生涯の宝物、臨時増刊『生活の絵本』!

◆ここだけの話、私には自分の思い描く間取りの一軒家に住みたい!という壮大な夢がある。 我が経済状態を鑑みて、それはこの年でオリンピック選手や宇宙飛行士を目指すくらい途方もない夢だが(爆)、まっそれはそれ、これはこれで…お許しいただくとして。そんな妄想に火をつけたのが、「A+U」「Casa Bella」「2G」らの名立たる建築雑誌ではなく、『それいゆ 臨時増刊号 生活の絵本』シリーズなのだ!へへへ

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◆おそらく、当時一世を風靡していたモダニズム建築のエッセンスを、どう日本家屋に取り入れて泥臭い生活とおさらばするか―が、この増刊号のコンセプトだったのだろう。何せ「住宅の問題は戦後一番厄介な問題の一つだ」という一文で始まるのだから。

◆とはいえ、内容はいきなり現実的かつ具体的。「工費拾万円 期間21日間で作る」「七万五千円で建つ若いふたりの家」「庭の片隅に山小屋を作る~1萬5千円の大人のオモチャ」などの総力特集記事もあれば、ご予算に合わせて「千円で模様替えしたアパートの四畳半」といった小ネタも満載(笑)。とにかく快適な生活を目指した工夫がてんこ盛りで、思わずその真っ直ぐさに目頭が熱くなった。

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◆久しぶりに見返したが、やっぱりいいなあ~『生活の絵本』。今も大好き、宝物よ!無理して買ってホントよかった(涙)。特に、まるでお洋服を手作りするような軽快なフットワークで、家も建てちゃってるところがサイコー(笑)。芝居の書割りのような…段ボールハウスのような…(爆)。きっと目指す姿は欧米のモダン住宅だったのだろうが、むしろ私にはこの慎ましく可憐なmade in JAPAN風合いが、いまも一番好ましく映る。さーて、あとはいつ建てるかだけだな。妄想に終わりなし★

 

繰返しに堪えるファッション性!

中原淳一のブームは、それこそ定例化しているので正直言って新味はない。彼の好きな気高き美しさと、彼が登場した40~50年代の健やかな保守性がピタッとシンクロしたから仕掛け人になってしまったが、そもそもがあだ花的なファッションリーダーじゃないものね。本来、流行とは反対の人。ウエストが必ずきゅっとしまってて、スウェット素材なんて絶対許さないタイプよ(笑)。セクシャル度が低いところも鮮度が落ちない理由だと思う。

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◆30年以上も前になるのかな…。資生堂のPR誌花椿誌上(写真切り抜き)で、淳一ファッション特集を見たときのトキメキは忘れられない。衣装制作はこぐれひでこさん(写真はもちろん小暮徹氏!)。淳一の本質を射抜き、ノスタルジーに傾かず、カンペキに今に蘇らせていた。ちゃんとお洋服が呼吸していたのよね~。色々な人が淳一ファッションを再現しているが、未だこぐれさんの仕事に勝るものは出てこないなあ。モデルに伊藤蘭(現、水谷豊夫人ですね。確かに古い日本映画に登場しそうな顔立ち!)を指名し、細かくポージングをつけているのも素敵すぎるぅ~。

 

◆私なんてぜんぜんマニアの足元にも及ばないけど、雑誌にまつわる四方山話は尽きない。それだけ私の血肉になっている証でもある。「すべては雑誌からはじまった!」シリーズ、引き続きよろしくです★

 

PS 次号は9/30に更新予定です。

 

 

 

 

 

2016 夏の想い出🍉

夏の想い出なぞを、遠い目をしながらメランコリックにしたためるつもりだったが…、9月に入ったというのに、未だに連日クソ暑くてゲンナリだ(汗)。カッと燃えるような暑さではなく、じっとり湿度を含んだ蒸し暑さだから、まったく始末が悪いわ。でもって、毎日のように台風発生が告げられ⇒異常気象話が持ち上がり⇒「地球温暖化説」と「地球寒冷化説」(最近温暖化に押され気味)でひと悶着(苦笑)。もしかして、お天気話って人々の関心度が一番高く、一番使えるコミュニケーション・ツールなのではないだろうか。つまり、それだけ空模様が人間の営みを支配してるってことだよね。特に四季がある我がJAPANは、お天気話とは切っても切れない間柄。しかも、お天気話(時候の挨拶)+贈り物という習慣まである!今回は、この夏、私が受けた夏のおもてなしの数々(?)を綴ってみよう~♪

 

【迷彩リュック、届く★】

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マブダチRはどちらかというとハイ・ブランド派。でも先日珍しく「安くて、超便利!」とリュックを背負ってウチへやった来たのを見て、思わず「いいなあ…」って呟いたら、早々に同じものを買って送ってくれた(涙)。軽いし、両手が空くし、何より歩くのが楽しくなる!最近、スーツ姿でもリュックを背負っている人をよく目にするけど、もはやオタクたちの独占グッズではないみたいね(笑)。

 

【鉢植え2つ、頂戴する★】

一見、チマチマしたことなどやりそうにないNRちゃんは、意外にもベランダで家庭菜園をしてるという。この夏、彼女に大葉の鉢をお裾分けしてもらったら、お手軽に育って、何度も料理に使った。便利ねぇ~、そしてカワイイ!でも葉が小さくなってきたので今年はこれでおしまいみたい。来年もできるかな…大葉とはいえ永遠はない(汗)。

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もう一鉢。こちらはTちゃんの実家へ遊びに行った際に、手入れがラクチンだから育ててみて!といただいた「ネオレゲリア ファイアーボール」。絶対覚わらないわー、こんなにけったいな名前(笑)。アピチャッポン・ウィーラセタクンとか、クシシェトフ・キェシロフスキ…なぞと映画監督の名前なら長くても覚えられるけど(笑)。我が家へ連れて帰った愛鉢。そのうち勝手に名前を付けよーっと。

 

【秋仕様のスナック菓子★】

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Yちゃんと娘のSちゃんは、親子でユニークなお菓子をセレクトし、よく差し入れしてくれるのだが、今回のおさつスナックも腰を抜かした!日本の食品メーカーの再現力に改めて脱帽しましたね。食感はカールなのに、味は正真正銘サツマイモ。しかもタジン鍋で作る焼き芋と比べても遜色なし。裏面の製造工程を読むと、すんげー手間がかかってるみたいなのよ~。いやはや日本の食文化はどこまで走るのか!?

 

【ひょうちゃんを真似る★】

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「これあげる!好きかと思って…」と、Kちゃんがくれたのは崎陽軒のシウマイに入ってるひょうたん型のしょう油入れ「ひょうちゃん」。もちろん大好き、幾つか持ってるよ~♥ 改めてWebで検索したら、ひょうちゃんの名付け親でもある漫画家の横山隆一が描いた顔のバリエーションがたくさん出てきて…真似して描いたのがこちら(笑)。

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これ、めちゃ楽しいわー。ボディは厚紙で台座は木片。横山先生、60年経っても色褪せず。あらゆるものに描きたい衝動を抑えられなくなっててヤバーい(汗)。

 

【高知の米とメロンのオマケ届く★】

仕事から帰って「クソ暑いー!」とホザいていたところへ、嬉しいアポなし訪問者Mが差し入れを持って登場!ダンナの郷里・足摺岬に遠路はるばる帰省した際の土産のお米がこちらでーす。ちょっとトウモロコシのような香りがして、美味しかったあ~。

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 あと、ウチに来る前に同級生のKんちに寄ってもらったというメロンもお裾分け(涙)。ひゃっほー!悪友MとKとはすでに40年近い付き合い。悪友たちのわらしべ長者を越える必殺技で、私の夏バテは解消されそうだ(笑)。

 

【リポビタントマト、入荷★】

盛夏のある日、元の職場の大先輩Iさんが自家製のスイカを送ってくださった。ご主人が念入りに選んでくれたというスイカは甘くて、実にしあわせだった♥ で、その荷の中にリポビタン ゴールドの箱が入ってて、「赤つながり?滋養強壮つながり?それとも梱包用か?」と想像を巡らせながら蓋を開けたら―

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トマトがぎっしり!意表を突かれましたあ~(笑)。早々ローズマリーを入れたピクルスにし、キンキンに冷やして美味しくいただきましたよ★きっとIさんご夫婦は、リポビタン ゴールドを飲みながら畑仕事に精を出していらっしゃるのね~…思わずそんな想像までして楽しかったなあー。

 

【帰省めし、満喫★】

珍しく今年はお盆に実家で一泊した。地下鉄1本で行けて30分の距離だけど、泊るのは8年ぶり(汗)。夜遅めに訪ねたら、小腹がすいた私に母のおにぎりが待っていた♪ 

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実家へ戻ると必ずリクエストするのがおにぎりなのだ。でもって翌朝が、これまた何でもないものばかりだけどタマラン朝食セット。もちろん朝からおかわり(笑)。

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自家製糠漬け、豆と昆布の佃煮、明太子、油揚げの醤油焼き、だし巻き卵。お味噌汁は豆腐とわかめ。カンペキ!まだまだ母の味にはかないませんなー。まっ、たまのことだからお互い余計に新鮮なんだろうけどね(苦笑)。

 

【霊験あらたか手ぬぐい★】

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夏休みに熊野詣でをしたIさんから、ヤタガラスの手ぬぐいが送られてきた!我が家にやって来た人はご承知だろうが、手ぬぐいとカラスモチーフは、私の生活必需品(一体どんな生活だ!笑)。なるほど、その両方を満たすのが熊野だったのか~。Iさんにとっては、訪れる度に発見があるかなりスペシャルな場所らしいが、私は20年前に行こうと計画しチケットまで手配したのに実現できなかった苦い記憶がある場所(汗)。

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でも呼び寄せられてますね~。先に登場したあの米配達人のMが、正月に熊野でおみくじ(陶製のカラスの中に入ったもの)を買ってきてくれて…私の力となる一文字は「和」だとのお告げがあったのだ!でもサッカー日本代表は、W杯最終予選でもいい話が聞こえてこない…ヤタガラス大丈夫か?

 

【ハスキーボイスに、陶酔★】

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そしてラストは耳のおもてなし★ ご近所友だちFが、この夏、仕事の現実逃避に何度も聞いたというダイアナ・クラールの『WALLFLOWER』を貸してくれた。超有名なジャズの女王らしいが、恥ずかしながら私はエルビス・コステロの3度目(!)の妻という情報しか知らなくて…(汗)。うーん、確かにこれはシビレるぅ~。名曲のカバー+P・マッカートニーの書きおろし1曲構成。元歌を忘れるほどの跳躍アレンジと、しっとりハスキーボイスに気が遠くなった。こちらから全曲視聴できるらしいです。まずは耳から、秋のメランコリックな気配を体感してみて。


ダイアナ・クラール - ウォールフラワー 2015.1.28 release

 

おもてなしの数々、みなさま、いつもながらありがとうございます(ぺこり)。

 

PS 次回は9/20あたりに更新しますね

勝手にシネマ評/『ラサへの歩き方』('15)

ベットの小さな村、カム地方マルカム県プラ村に暮らす村人たちのお話である。現地に赴き、監督が意図した物語に近しい村人を探し、本人役で演じてもらおうという設定だ。脚本はないがこれもフィクション。しかもこの地で、この人たちでしか成立しない豪快なフィクションに仕立て上げ、大いにウケた!

 

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ベットのことだってよく知らないのに、プラ村って言われても…何のことやらである。名前は可愛いらしいけどね(笑)。しかし、映画に関する私の持論の一つに、知らないことが多ければ多いほど、むしろ“ラッキー!”という考えがある。未知の世界を垣間見せてくれて、しかもそれが想像をはるかに超えたトンデモない代物だったら、これ以上の喜びはない。そう私は、映画(虚構)と承知しつつ、それでもなお「世の中は宝の山だよ、ビバ人生!」と、思わず膝を打つような企みを、スクリーンの前で絶えず待ち望んでいるのである。

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こで改めてプラ村のみなさんですが…、期待以上のチームワークを見せてくれて素敵すぎる! まず冒頭で綴られる、彼らの日々の暮らしの充実ぶりに、早くもヤラれましたね。チベットの生活スタイルは、これまでに何度も映像等で目にはしているが、手仕事の豊かさが全方位に展開されていて、じっとしていられなくなる。「一緒にやらせて!」と願い出たくなるのだ。そもそも自然の分量が圧倒的に多い地で、その恩恵を利用しながら地域性の高い営みが継続している光景を目にすると、高度に都市化した我が生活がクリーンかつ便利であってもひどく脆弱に思えるのは、今に始まったことではない。そのうえ、そうやってちょっと立ち止まって経済優先の現代社会を憂いてみせる自己浄化のそぶりすら(なんと特権的な!)、もはや賞味期限切れになって久しいわけです、はい(苦笑)。

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んな中、本作にすぐさまノレたのは、プラ村のスケッチにまどろっこしさがないからだ。テクノロジーの進化を後ろめたく思うこともなければ、人類学者を気取って観察に終始する必要もない。食事、家畜の世話、ご近所づきあい、お茶と談話、冬支度、夜なべ、買い出し、そして祈りの時間…と、映画は村人たちの様々な生活の断片を普段通りに映し出す。でもって、意外にも呆れるほどサクサク掻い摘んで進み、抒情性に傾かない。賛美目線をあえて避けている節さえある。またその一方、同じ村に住む複数の家族をクローズUPし、相互の関係性を浮かび上がらせながら綴るため、私とプラ村との距離は瞬く間に縮まり、親密感が高まるという心憎いダンドリなのだ。さてそんなスケッチを見せた後、映画はいよいよメインイベントへ舵を切る。彼らはチーム・プラ村(!)として結束し、大掛かりな巡礼の旅へ向かう―。

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ぬ前にどうしても聖地ラサを訪れたいと願う老人が発端となり、若者に、幼い少女に、さらには妊婦までもが名乗りを上げ、3家族総勢11名の巡礼の旅が始まる。その行程は、まず村から1200km離れたラサへ赴き、さらにそこから1200km先の聖山カイラスを目指そうというものだ。ただしここが肝心なのだが、歩くだけでも過酷な道のりを、何と 両手・両膝・額の五か所を地面に投げ伏して祈る“五体投地”で敢行しようというのである。その厳粛な礼拝方法は、話には聞いていたが…途中でチラっとやるだけじゃないのね。全行程だったのね(汗)。いやー、あの動きを連続して行うには、腕・腹・背中の筋力が相当ないとポシャるわけで、想像しただけでも気が遠くなった。一応対策グッズらしきものを手作りで用意するのだが、両手のクッション板と、革製の長いエプロンを装着するだけでおしまい。そのいでたちは、なんだか『13日の金曜日』のジェイソンみたいでイカつい(笑)。ただ、マスクを被るジェイソンと違い、彼らは額を直に地面につけて祈り、生傷を物ともしない。いやはや、ホラー映画を越えるスゴ技だ。

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にかくいちいち「マジかよ?」の連続だから、見ようによっては、すべてが合理的だったり科学的であろうとする現代社会への反骨心とも取れたりするのだが…これまた意外にもそんな路線へ向かわない。では何に魅せられるのかというと、彼らの心の根っこがずーっと安定したままで、何ら揺らがない部分なのだった。

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動とハプニングは、映画に最もふさわしい仕掛け。1年あまりかけて成し遂げる異色の巡礼ロード・ムービーだから、ある意味、何を盛り込んでもとびっきりの絵になる。絶景シーンの連続はもちろん、旅の途中で出産はあるわ、落石に水害に大雪に交通事故と、チーム・プラ村は大忙しだ。だけど面白いのは、ハプニングによる変化感ではなく、何が起ころうと慌てず騒がず、鷹揚に構える彼らの身の処し方だった。スペシャルな旅プランであっても、冒頭で映し出された普段の生活のリズムを、そのまま行く先々で繰り返すチーム・プラ村。極めつけは、目と鼻の先までたどり着きながらお金が足りなくなり、2カ月間みんなで和気藹々とバイトしてから、再び出発するくだりだろう。なんとも贅沢な寸止めの時間に羨望の念を禁じ得なかった。そう、私は大きな勘違いをしていた。我々にとっては破格の行為でも、彼らにとってはあくまで日常の延長なのだ。家財道具持参で移動してるしね(笑)。だからちゃんと彼らの理には適っていて、むしろ実用性と合理性の兼ね備わった行動だと考えるべきなのだ。そして何より、彼らは遥か上空の世界と祈りを通じて堅く結びついている!日々の生活とは真摯に向き合い、かつ、人間世界から遠く離れた地平ともつながって戯れるなんて…。これ以上シンプルで力強い動機づけなど他に思いつかないではないか―。

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色の祈祷旗タルチョが舞うカイラス山に到着した一行は、最後の最後にまたも思わぬ事件に遭遇する。しかし、それさえ穏やかに丸ごと受け止めて自然に返す村人たち。その姿は、天空の下、すべてが一つの輪につながったように映り、実に雄大だった。私は思わず「シブイ!」とつぶやいた―。

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 まずはこの予告をご覧あれ!ひとしきりタマげていただきましょう~♪


映画『ラサへの歩き方~祈りの2400km』予告編

 

ラサへの歩き方 ~祈りの2400Km
2015年/中国/カラー/118分

監督   チャン・ヤン
撮影   グオ・ダーミン
脚本   チャン・ヤン
キャスト チベット巡礼をする11人の村人

 

PS 次回は9/10にUP予定。夏の思い出総集編です。

リオデジャネイロ五輪✑ 備忘録

日本時間の8月6日から幕を開けたリオデジャネイロ・オリンピック。今大会は、ドーピング問題、開催反対デモ、選手村クレーム、テロの脅威など、ネガティブな話題ばかりが先行して耳に届いていたが、フタを開けたら日本選手団の予想以上のメダルラッシュに沸き返り、すべてチャラ(笑)。この2週間ばかりは老若男女問わず、「昨日の〇〇戦、見た?」の一言でしばらくは間が持つ、恐るべきキラーコンテンツとなっていたようだ。オリンピックは日頃大人しい(?)日本人にとって、共同性の形成にもってこいのイベントなんだろうな。だから私はいつも思う―「毎年やればいいのに」と(笑)。毎年やれば逆にスペシャル感が薄れ、イデオロギーに絡めとられないフツーの世界体育祭になって、清々しく観戦できるような気がするのだが…無理かしら(笑)。まっとにかく、私の「リオ五輪、ここを楽しんだ!」ポイントをまとめておくわ。何せこんなに大騒ぎしてても、すぐ忘れちゃうからね~(苦笑)。

 

その①【選手団ハレ着チェック!】

▶いきなりですが、開会式の演出が大袈裟&ビジュアル過多で、年々興味がなくなっているのは私だけ?映像技術が進化してるからか、ここ3大会は映画監督が総合演出に立っているが、才能の浪費としか見えない。結局は、起承転結が明確な開催国にまつわる歴史絵巻物にするしかないわけで、その予定調和がめちゃ退屈。フェルナンド・メイレレスよ、この手の政治的な仕事を本当にやりたかったのか?と、問いただしたくなってしまったわ(汗)。次回東京ではスペクタルショーなんて割愛し、即、選手団の入場でお願いしたい(ぺこり)。

▶やっぱ開会式は入場行進でキマリ!これに勝るものなしでしょう~。私の場合、ダラダラと続くこの時間に身を任せ、ぼーっとながめていると、なぜか大阪万博のテーマ曲


「世界の国からこんにちは」が頭の中をリフレインするのです(笑)。さてそこで、各国選手団の“おらが村”ハレ着チェック・ベスト5をご紹介!

 

👑 ハンガリー  五輪でコンパ?!

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ビックリ仰天、ハンガリーのモードチックなワンピースに意表をつかれましたあ~。ヒール高めのサンダルがこれまたキュートで、丸の内の商社にお勤めですか?と尋ねたくなるほど、スポーツ要素一切なし(笑)。男性の玉虫がかった光沢のスーツはチャラいわ、ラインが古臭いわでザンネン。ナンパに来たんじゃないんだから~、靴も黒でよろしく♪

 

👑 ガーナ  アフリカンプリント最高!

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入場行進のハレ着は大きく分けると、①フォーマル・スーツ系②トレーニングウェア系③民族衣装系の3パターン。で、やっぱり一番ウキウキするのは③ですね。白の短めのトップスと、ボリュームたっぷりなアフリカン・プリントのギャザーSKがエレガントだったガーナ。男性のシャツ姿も妙に色っぽいんだよね。

 

👑 セルビア  ロングSKが新鮮!

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セルビア選手団女子の上品フォーマルも目を引いた。ながーいフレアーSKをなびかせながら、赤のサブリナSHOESでゆったり歩く姿は、窮屈過ぎず、くだけ過ぎず、ええ塩梅だった。ストライプのランダムなあしらい方がグッと大人っぽいよね。

 

👑 シエラレオネ  ペアルック賞!

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男女同じ国旗カラーのボーダー布地で仕立てた、シエラレオネのペアルックがカワイイ~♪ こざっぱりした印象が、どこか浴衣の美とダブったな。そして国旗カラーはファミマといっしょ(笑)。そんなご陽気なシエラレオネだが、内戦による影響で、世界で最も平均寿命が短い国(2014年度で46歳、WHO報告)なんだって(涙)。

 

👑 モザンビーク  選手団というより、スカバンドか!?

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男性オンリーのモザンビーク選手団。歌舞伎の衣装みたいな、大きな格子柄のオープンシャツに注目だ。しかもシャツとお揃いのハンティング帽が泣かせる~。顔も頭も大きめなみなさんが、くちばしみたいな小さめの帽子をかぶってるもんだから可愛さ100倍。今すぐスカバンドでツアーにGO!

 

その②【快挙!男子卓球】

 ▶振り返れば、私のオリンピック好きはミュンヘン大会から始まっている。あの頃は松平康隆監督率いる全日本男子バレーボールチームが絶好調の時代だったなあ…(遠い目)。あれから44年経た今、まさか日本の男子卓球選手がメダルにからむ日が来るとは!!!いやー、わかんないものですね。注目されるスポーツの潮目が変わるところもオリンピックならではの影響力だ。もちろん、テレビ東京の長年の貢献度も大きいぞ~

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▶しかし、卓球観戦はマジに精神衛生上よくない(汗)。やたら肩が凝ってしょうがない。ちっちゃい球✖狭い台✖高速だからなのか(苦笑)。そんな観戦タイムに心強い味方となったのが、解説者のコメントだ。男子選手を担当した松下浩二氏の解説、私好きでしたねー。

▶「ここは縦回転のシンプルなサーブがいいと思いますね」「今のように回り込むのは勇気がいることなので、水谷の調子はいいですよ」…なーんて調子で、落ち着いた口調で詳細な状況説明をしてくれて、すぐ諦めそうになる私の励みになったわよー(爆)。どうにも分が悪くなると、ただ小さく一言「がんばれ!」と背中を押したりして…。もはや水谷準選手と一体化してましたね。あー、卓球やりてぇ~。へへへ、私は小学校では卓球部に所属し、それなりに活躍していたのだあ~。今でも温泉卓球なら自信あり★

 

その③【カヌーの羽根田!

▶オリンピックが開幕する前に、ご贔屓NHK番組『サラメシ』が、「監督メシ」と題してリオ五輪代表監督たちの仕事とランチを紹介していた。ここに、日本人初の銅メダルに輝いたカヌーの羽根田卓也選手ミラン監督が登場していたんだけど、高校卒業後単身スロバキアに渡り苦節10年、徐々に実力をつけてきたプロセスがお地味ながら味わい深くてね…。だから銅メダルに輝いた瞬間の崩れ泣きに、思わず涙腺が緩み…。地元愛知県豊田市の出身。あの矢作川で練習してたこともあるというから驚いたなあ。

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その④【できすぎ⁈日本選手団

メダルラッシュで一番割に合わなかったのは、甲子園の高校球児たちでしょう(苦笑)。野球やってましたっけ?…って扱いだったもんなあ。それにしても今回のオリンピックは、初日からメダル報告がない日がないくらいスゴかった!

▶柔道の復活にむせび泣き、男子体操の逆転劇に鳥肌が立ち、錦織のプロっぷりに感服し、大人びた表情を見せた福原愛ウエイトリフティングの三宅親子に時の流れを感じ、水泳陣の層の厚さに唸ったなあ~。そしてレスリング、バドミントン、シンクロと、女子選手花盛り!メダルには届かなかったがバスケ女子の健闘も◎だ。

▶でもって、私を最も惹き付けたのは…日本代表チームに復帰したシンクロの井村雅代ヘッドコーチですよ~。時代を逆行するような鬼コーチ振りで、見事2年で結果を出し、日本に銅メダルをもたらしたあの方です。誰よりも過酷と評判の指導法だけは、絶体受けたくないが(そもそもシンクロ、何が採点基準かよくわかんないよね?)、井村コーチの現場主義には、非常に合理的なものを感じるんだよなあ…。“地獄”の練習風景、怖いもの見たさで一度のぞいてみたい(汗)。

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 ▶オリンピックを見る度いつも思う―「メダル」って一体何なのか?と。「名誉」だけでは賞賛の意味合いが曖昧だから、プラス「順位」付けして揺るぎない形にするってことなのかな。その証としての「メダル」。例えば表彰台で現金が手渡されたらどうなるだろうね(爆)。欲望があけすけになりすぎて、もしかしたら1位を目指す人はいなくなるのではないか?と同時に観戦者の高揚感も激減するだろう。だって、金にまみれた浮世から逃れ、金に代わる価値基準に触れたくてオリンピックに酔うのだから―。

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次回の東京を含め、オリンピックがあと何回見られるか…神のみぞ知る!だ(笑)

 

 次回は8/31に更新です。