七夕に、ちょっくら国立西洋まで足を伸ばし、アルチンボルド展を見てきた。アルチンボルドなあ…。たいして思い入れがあるわけでもなかったんだけどね…(苦笑)。
教科書なのか、何なのか、今となっては特定できないけど…野菜や果物で覆い尽くしたこの横顔に、みなさまも見覚えがあるよね?でも、どの時代にどんな活躍をした画家なのかも知らないまま、奇怪な肖像画のイメージだけが刷り込まれていない?…わたしはそう。正直言って、画家というよりデザイナー扱いしていたわ。だって1度見たら忘れられない⇒1度見ただけでお腹いっぱい⇒瞬く間に消費…ってかんじがするんだもの(笑)。良くも悪くもポスター(イッパツ決め!背景黒だし!)風な効果が先行してしまっている印象だったんだよね。ハプスブルグ家に仕えた正真正銘の宮廷画家なのに、あえて重厚感での勝負を避けているというか…。
でも実際に、寄せ絵のシリーズを集結させた部屋に一歩足を踏み入れたら…いやいやどうして、軽口叩いてごめんなさいです(ぺこり)。連作《四季》と《四台元素》が重々しく並ぶ部屋は、空気が一変。そんな単純な仕事じゃなかったですぅ。本気と書いてマジと読ませるみたいな…(笑)。動かない肖像画なのに、プロジェクションマッピングより動的なの。生命が蠢いてる。特に匂いがしそうなところがヤバかった!アルチンボルドの目に、世界は本当にこんな風に見えているんじゃないかな…。あっ、でも、じぶんの好みで言ったら、わたしは断然これが好き❤『ルドルフ2世に献じられた馬上試合の装飾デザイン集』(1585)。ハプスブルグ家のイベント担当アート・ディレクターでもあったアルチンボルドによる、青の淡彩画集。センス抜群~♪
中でもこの2つ『コック』と『そり』、素敵でしょ~★品良く描いてる風に見えるけど、ディティールのはじっけっぷりは侮れず、どこかうっすら狂っていて、ソワソワしたなあ…。何かにおびき寄せられて抜け出せなくなる迷宮気分(汗)。その反対面に並んでいた養蚕の素描を紹介する参考パネルも必見よ!資料がなくてネット検索したら、同じように興奮した人のをブログを発見して嬉しくなっちゃった(笑)。ボストン美術館サイト(Treatise on Silk Culture and Manufacture | Museum of Fine Arts, Boston)
で全ページ公開されているから、ぜひのぞいてみて!養蚕工程を記録しながら、ついフェティシズムが溢れだしてしまう怪しいタッチに酔いしれました。
で、ここからが本題(笑)。東京で大暴れした翌週、こちらが到着―。
弥冨に住むYちゃんから、段ボールにぎっしりの御届け物!ゼリーに、味付け海苔に、でっかいポポロ(!)まで入ってる♪でもってメインは―
ジャジャーン、夏野菜の詰め合わせですよ~。Yちゃんは料理好きなわたしのために、自家製野菜を定期的に送ってくれるの(涙)。いつもなら、早々に下処理して⇒惣菜の作り置き…という手順だけど、アルチンボルドを見て来たばかりだもん、こりゃあもう、やるしかないよね?はい、画力がないわたしは、実物でお見立てですよ!
作品その① 福笑いバージョン
野菜って1個1個ぜーんぶ表情が違うから、床に並べるだけでもメチャ楽しい!ひとりでどこまでもテンション上がったよ~。
作品その② 額縁バージョン
お次はフレームを利用して肖像画風にトライ。小物を引っ張り出してきて、盛り始めたらきりがない(汗)。
作品その③ 横顔立体バージョン
やっぱ、本家アルチンボルドにならった立体的な横顔をやらないことには…ねっ!
顔に見立てようにも、マジに配置が難しくてさー(汗)、絵に描いた方がかえってラクチンかも(爆)。何でもそうだけど、頭の中だけでイメージするのと、実際に手を動かしてやるのとは大違い。まっ、だからやめられないんだよね~。
そして何と翌週も!今度は羽島に住むAさんから、こちらが到着―。
ワォー、今度はスイカがやって来たよ~♫これまたAさんちの農園で作っているもので、ご主人が音を聞き分け、甘そうな一品を選んでくれたとか(マジに甘かったです…涙)。でも、もちろん食べる前に…やるしかないよね?(笑)
作品その④ スイカ丸ごとバージョン
くっだらねぇ~。すでに並べるだけでは飽き足らず、スイカがスイカを食べてる銅像に見立てましたあ~ハナ肇。なにせ暑さで頭ん中、ゆるんでますから(爆)。
作品その⑤ かぼちゃ丸ごとバージョン
続いてマオ(毛沢東)プリントのクッションを使ってみた!
パーツが重くて並べるだけでタイヘン、ひと汗かいたよ~(爆)。さながらスイカ&かぼちゃ革命。
作品その⑥ かりもり丸ごとバージョン
最後はかりもり。スイカの皮とYちゃんちから送られてきたポポロのコラボ(笑)。もはや、アルチンボルドのことなどスッカリ忘れ、野菜を見たら見立てに走るちんぴらなのでした。遊んでよし、食べてよし、ゴキゲンなひと夏の想い出。あー楽しかった♫
【番外編】新宿の奪衣婆(だつえば)
オマケにもう一つ!新宿に住むYちゃんから「太宗寺というお寺に鎮座している婆さまの写真送るね!」とメールが入ったの。なんでも、普段は錠がかけられ、金網越しにしか見られない奪衣婆が、1年に2度、1月と7月の15.16日の縁日だけに御開帳されるんだって。偶然立ち寄って撮った写真がこちら。こっわ~!星一徹入ってないか?
三途の川で、渡し賃が払えない亡者から着物を剥ぐ(右手を見よ!)トンデモ婆(笑)。アルチンボルドよりグロい~。さ~すが新宿、日本の“クンストカンマー”だわ★
PS 次回は8/20にUPします。みなさま、よい夏休みをお過ごしください―