家で寛いでいるときの基本音源は、ラジオだ。休日は朝から、平日は仕事から帰ってすぐにスイッチON。TVとラジオの大きな違いは、局を変えないことですね。他のリスナーはどうなんだろう…。ラジオもザッピングするのかな…?私の場合、ここ14~15年はNHK-FMオンリーだ。民放は馴れ馴れしすぎてお腹いっぱいになってしまうし、DJが早口にまくしたてるFMも邪魔くさい。その点NHK-FMは、音楽ジャンルの幅が広く、サラっと後腐れなくお付き合いでき、付かず離れずいい距離感で視聴できる。それも、ちょっと離れたところに置いたラジカセ(!)から、聴くとはなしに聴くかんじがお気に入りのスタイル。遠距離恋愛型ね(したことないけど…笑)。
台所仕事をしながら、アイロンがけをしながら、掃除に手芸に手紙書き、もちろんこのブログをしたためている今もラジオから流れる音とともに活動している。つまりラジオは私のルーティンワークの相棒なのだ。正直言って、内容の8割は頭に入っていないが(汗)、いいのよ、欲しいのは世界とじぶんを耳でつなぐ“窓”なのだから。
NHK-FM 聴きどころ番組 ①
私の夕飯作りタイムの相棒が『夜のプレイリスト』。ゲストが一人でアルバムを5枚紹介できるというなんとも贅沢な番組だ。愛聴版にまつわるゲストのエピソード語りも、長すぎず、短すぎず…ちょうどイイ。5日間聞き通すと、ゲストの人となりが、すーっと浮び上がるダンドリだ。例えば10月に登場したコラムニストの泉麻人が選んだ5枚はこちら―
・加山雄三 「加山雄三のすべて〜ザ・ランチャーズとともに」 (1966)
・荒井由美「MISSLIM」 (1974)
・SUGAR BABE 「SONGS」 (1975)
・Sons Of Sun「海賊キッドの冒険」 (1972) ※マニアックなのも入れてます!
・Neil Young 「Harvest」 (1972)
最初の3枚と後の2枚が共存するところがいかにも泉。昔話をしても個人の話に閉じないのよね。声質もラジオ向き。いい語りだったあ~♫
NHK-FM 聴きどころ番組 ②
どういう位置づけなのかよくわからないお笑いタレントふかわりょう(汗)。ただこの番組では、やることなすことピターっとハマってる!目玉の企画コーナーは、一言でいうと、視聴者参加型のクラシック音楽の大喜利だ。オペラやミュージカルの曲の中から日本語に聞こえる部分を紹介する「空耳クラシック」、文学作品の一節にクラシックのBGMをつけて妄想する「BGM選手権」、クラシック音楽にサブタイトルを付ける「勝手に名付け親」、そしてクラシックのイントロクイズ「きらクラDON!」など、バラエティ番組の基本企画をクラシックに持ち込んだことで、妙に新鮮に感じられるの。
それにラジオってさー、偏差値高めの文系男子がサラっと御託を並べる場にもってこいなんだよねー(爆)。BSプレミアムより、ビジュアルが必要ない分、100%オタク度発揮できるし(笑)。
NHK-FM 聴きどころ番組 ③
オタクと言えば『ラジオマンジャック』!私の週末の作り置き惣菜仕込みタイムの相棒がこれ。DJ赤坂泰彦がハイテンションの突っ込み役となり、毎回1テーマを決めてショートコントを連発する内容だが、声で芸する出演者たちが粒ぞろいだからLIVE感がハンパなく、豪華なエンターテイメント劇場と化している。毎回どうまとめるのか、内心ヒヤヒヤしながら聴いているのだが、ギャグも皮肉もタガが外れ切らない一歩手前で上質に着地。赤坂が理想とするラジオ天国な世界はクセになる!
NHK-FM 聴きどころ番組 ④
まさに“5分間のサウンドトリップ”―『音の風景』は私が最も心躍る番組だ。例えば好きな音楽は?と聞かれたら、私の場合、ジャンルやミュージシャンは思い浮かばず、日常のノイズに音楽を感じている節がある。自慢じゃないけど、楽曲の聞き分けとか、ぜんぜんできないのよね…音楽のセンス、ゼロかも(汗)。その代り、開け放った窓から聴こえる様々な音に勝手に思いを馳せたりする。他の階の住人の生活音が騒音にならないの(笑)。だから『音の風景』と出会ったときは鳥肌が立った…じぶんが求めていたものはこれなのよ!と。番組の一部がここから視聴できます。土地と音の結びつきをぜひ堪能してみて。
NHK-FM 聴きどころ番組 ⑤
NHK-FMといえば『世界の快適音楽セレクション』でしょう~♪ 土曜の朝の2時間、ちょっとユルめのスタートにもってこいの、好感度たか~い番組だ。朝食の片づけ⇒掃除&洗濯タイムの相棒にしてすでに10年以上になる。選曲の幅の広さと趣味の良さに毎回たまげるが、やっぱゴンチチありきで成立しているね。どちらかと言えばふたりともボケの役回りなのだが、単なるおっとりしたいい人キャラだけで終わらず、個々の個性がキラリ輝く。そういえば、この番組でたまたま耳にして、その後速攻でCDをゲットした経験も2度ある(苦笑)。ANTONY AND THE JOHNSONS『THE CRYING LIGHT』と森進一のカバーアルバム『Love Music』。どちらもヘビーローテのアルバムとなってるよ。トレンドなんていう野暮な括りとは無縁の、いろんな意味で信頼を寄せるお気に入り番組だ。
NHK-FM 聴きどころ番組 ⑥
お紅茶と、猫足の家具と、レースのカーテンが揺れる洋館をイメージするエレガントなコーナー。タイトルも『弾き語りフォーユー』だって(汗)。あまりの浮世離れ感に「なめんとんのか~!」っと突っ込みたいところだが…なぜだか悪くないんだよな~これが(笑)。進行役の小原孝のなりきり度の高さに、恐れ入りましたと感服するばかり。昨今、どんなに気どったタレントだろうが、笑いで自らを茶化さないと許されない空気があるが、 時代におもねることなくサラリと貴公子振る舞いを貫くのは、あの羽生結弦と、ニットデザイナーの広瀬 光治と、この小原氏の3人くらいではないか(笑)。一昔前の少女漫画に出てきそうなキャラ作りにプロ道を感じてしまう。いやいや、もちろん聴きどころはテクです!なにもそこまでやらなくても…とシンパイになるくらい、演奏しながらガンガン即興でアレンジ(汗)。ご本人、意外と貧乏性だったりして?…と密かに想像しております、はい。
この他にも、洋楽2大ご意見番の渋谷陽一とピーター・バラカンがそれぞれナビゲーターを務める名物番組や、『今日は一日○○三昧(ざんまい)』と題し、さまざまな音楽ジャンルから一種類のジャンルだけにスポットを当てて、丸一日ドップリハマらせる特集番組があったりと、コンテンツは絶えず充実★しかも、その合間に、浪曲はあるわ、邦楽コーナーも多種あるわ、基本のクラシックがてんこ盛りだわのワンダーランド。FMでもラジオ深夜便が聞けるしね~。NHKアナウンサーの低く落ち着いたトーンを深夜に耳にすると、ガサツな私の胸の内にも懺悔の気持ちがフツフツと湧いてきてしまう(涙)。
私が理想とする人生最期の設定は、「病院のベッドで大相撲中継(できれば中入り前)をぼんやり眺めながら」と「ラジオ深夜便を耳にしながら」の2パターンだ(笑)。願わくば、そんな日常の延長で夢見るように眠りたい―。
PS めっきり寒くなってきました…。次回は11/20にお会いしましょう。