テオ・ヤンセン展と“夏休み自由研究” PART 2

【どうやって動かす?

さて、前号『テオ・ヤンセン展と“ティンカリング” PART  1』 で記したように、テオ・ヤンセンの作品群に触発されたわたしは、―どうやったら手動で動く物体を生み出せるか―を、四六時中考えることになったのであります(笑)。これがねー、頭で考えてもぜんぜん思い浮かばないわけ(汗)。だいたいわたしの長年培った発想では、「動く」どころか「平面」でしかプログラムできないからさー、マジに、自我を揺さぶる意識改革となったのよ~。で、そういうときは、ゴタクを言わず、手を動かして頭をほぐすっていうのがわたしのモットー。なので、前号でご紹介した本―『THE ART OF TINKERING(ティンカリングをはじめよう)』の中から、わたし好みのアイデア「オートマタ」(からくり)を真似て作ってみた!

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まずは材料集め。竹串、ストロー、発泡スチロール、段ボール、ガムテ、目打ち…など、ウチにあるもので調達できた。ここから⇒「カム」「レバー」「継ぎ手」の3つのパーツをテキスト通りに作り⇒全部を組み付けていちおう完成。こんなシンプルな構造で本当に動くかどうか、作りながらも半信半疑だったわよ(笑)。でも、せっかくなんで、動かす部分につける飾りは、わたしの仮想メンターとなったテオ氏に敬意を表し、彼の顔にしてみた(笑)。こちらがテオからくり人形の完成品♪

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どう?置物としてもけっこうよくない?(笑)いやいや、それだけじゃございません!マジにいい動きをするのよ~、サイコーに愉快なんだよ~!動画UP方法がわかんなくて(汗)、動画でお見せできないのが悔やまれる(涙)。黄色のレバーをグルグル回すと⇒小さい赤いカムが回転し⇒大きい赤いカムフォロアに伝わり⇒垂直の竹軸が回転。テオ氏の顔と紐が回って回ってまわ~る~♫状態に(爆)。カムの位置と、カムの形を楕円にすることで、上下運動も加味され、想像を超えた玩具制作が実験できた。最も素朴なからくりだけど、シンプル故に、工夫次第で味わい深い動きになることがわかったわ

 

【風鈴もどきもあり?

とはいえ、アイデア一発トライじゃあ、イマイチでしょう~。ここで、何かと強欲なマブダチKとMの顔を浮かべたら、ダメ出しされるのは目に見えているもんなあ(爆)。本当なら、風を動力にしているテオ氏に倣いたいところだが…できっこないし…。そこで2作目は、風鈴もどきでお許しいただくことしました(苦笑)。

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せめてを受けやすくするため、紙にひねり技なんか駆使してみたよ(笑)。テオ氏がヘビーローテしてる重要アイテム、「結束バンド」を真似してあしらってみたり(爆)。素材が軽すぎて、びゅんびゅん動きすぎるのは舌打ちもんだったけど、フォルムはなかなか気に入ってるわ。ロシア構成主義のデザイナー、ロトチェンコ(1891-1956)風に見えなくもない?!(関係者のみなさま、勝手書いてすみません…ぺこり)

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【工作界のヒーロー発見!

そうだ!困ったときはネット検索。やっぱり、動きのバリエーションを増やしたくて、「工作」「からくり」「玩具」etc…テキトーに入れて検索したら、出てくる出てくる―。作り方まで載っけた大量の動画がUPされてて、興奮しちゃいましたよ~。その中でも、わたしの眼にとまったのは、野呂茂樹氏の作品たち。動きも、デザインもセンス抜群!可愛いったらありゃしないのよ❤一体、このオッサン何者?


ミニしかけ絵本(3)

野呂茂樹氏の経歴は、【昭和17年(1942年)生まれ。弘前大学卒業。昭和40年~平成15年まで青森県高校教諭。所属に日本物理教育学会、科学読物研究会、サイエンスレンジヤー(日本科学技術振興機構)、科学する心応援隊(青森県)】と、お地味に紹介されていた。理系のせんせいだった方なのね。これぞまさにわたしがイメージするティンカリングの体験者。イデアが炸裂していて、まったくびっくりポンですよ。あれもこれも真似して作ってみた~い(動画を眺めるだけでもホホがゆるむ)。取り急ぎ、テオ人形3つめの動きはこのカエルバージョンで!

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市松模様の部分を押したり引いたりすると、テオ氏の骨格が伸び縮みするしくみ(爆)。手はアイスクリームの棒でーす。背中に★をしょってまーす。ボディにお菓子の箱を利用したけど、野呂せんせいのカエルように、薄い紙の方がジャンプが軽快になる気がした。今度は折り目の位置も変えてみよーっと。

 

アルカトラズからの脱出

野呂せんせい、UPしている動画のセンスもサエてんの。子ども向け動く工作教室と侮るなかれ!


科学工作:羽ばたく蝶

イデアはもちろん、モチーフが◎、ユーモアが◎、構成が◎、作りのユルさも◎だし、動画のテンポまでぜんぶ◎(笑)。映像の最後に「おしまい」とテロップが出るのも大好き❤ ジャック・タチの映画に通じる上等喜劇の香りさえ漂って見えるのはわたしだけ?(爆)


『ジャック・タチ映画祭』予告編

鉄棒シリーズは、素材違いで様々なバージョンがあるけど、手足の屈伸を入れたゴリラ版が一等お気に入り★ 4つめのテオ人形の動きに取り入れてみたよ。


手動クランク式鉄棒人形

なんとわたしの鉄棒人形は、テオ氏を囚人に見立て、さながらアルカトラズからの脱出だ!海と鮫が迫り来る~(笑)。

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手足の関節に切れ目を入れての大車輪!あー、このダイナミックな動きを、テオ氏にお見せしたい~(笑)。怒られるかな?(爆)ヘへへ

 

というわけで、自由研究に夢中になった2017年の夏の想い出は、いかがでしたでしょうか―。手動で動くモノ作り熱は、しばらく続きそうです。―次は友だちの顔を貼りつけてプレゼントしちゃお~っと(有難迷惑?笑)。

 

PS 次回は9/17にUP予定。アベル&ゴードンの新作映画『ロスト・イン・パリ』を紹介します!