オモロいわぁ~😊『古事記』(取り急ぎ 編)

「GWに読む本がないよ~。何かオススメある?」―そう口を滑らしたのが事のはじまり。何かにつけてゴタクの多いマブダチMから古事記あたり、どうですか~♫」とススメられたときは、「ちっ、まためんどくさいモノを持ち出してきやがって…」と乗り気じゃなかったの(汗)。ところがドッコイ!Mから送られてきたのは、“キャラ萌えしながら読める新訳古事記ラノベ古事記~日本の神様とはじまりの物語』(小野寺優/KADOKAWA)だったのよ~!

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あのー、関係者のみなさまには誠に申し訳ございませんが、年も年なんで、キャラ萌えは一切ありませんでした(汗)。―が、じぶんにとっては、様々な角度から発見の多い読書体験となったのであります、はい。なにせ古事記』は現存する日本最古の歴史書と言われています。国宝の真福寺はこのとおり…全部漢字(汗)。正確に言えば、読まないというより読めない興味わかないもの扱いにしてたってわけで~す。

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ちなみに50数年生きてきて『古事記』に関するわたしの予備知識は以下のとおり

  1. 日本列島誕生秘話が書かれている
  2. 下ネタ満載のトンデモ本
  3. 主人公は長ったらしい名前の神さまたち

以上おしまい。要はなーんにも知らなかったんですわ(汗)。もちろんそんなスペシャルな書物だから、多種多様な訳本や解説本が出てたり、漫画化もされているんだろうなあ…とは想像してましたけど、まったく無視して生きてましたあー(笑)。そう、古事記はなくても渡世は送れちゃうんですね~★ ただ、どうしてスイッチが入らなかったかを今一度考えてみると、

  • 神さまのことを人間の言葉で語ったら神さまじゃないよ~
  • しかも神さまをキャラ立ちさせるのってどうなのよ~
  • 歴史書=お勉強モードを強要されそうで敷居が高いわ~

なーんていうあたりが気になって、つまり「神さま」をボンヤリした得体のしれないモノとしてKEEPしておきたいわたしとしては、「天地のはじまり物語」には興味津々♥でも「神さまの具体化」はイヤ だったみたい(笑)。※余談だけど「神さま」をスンナリ受け入れられた唯一の具体例が、熊谷守一の書なんですね~。

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取急ぎ編なのに前置きがクドイ?ですよね~。はい、そこでラノベ古事記の紹介です!712年、元明天皇に献上された『古事記』全三巻のうち、上巻の神話部分がこの1冊にラノベライトノベル=軽小説)語りでまとめられています。もともとは、著者の小野寺優さんが2013年に古事記の魅力にハマり→サイトを立ち上げ→人気爆発→晴れて書籍化!という経緯で仕上がった本。1300年以上も昔に作られた書物が、現代の若者言葉を使ってWebで語り継がれ、多くの人々の心を再び魅了する…なんだかこの流れ自体も神話的じゃな~い?(ご参考までにサイトはこちら―)

kojiki.co

さて本編。まず注目したのがしょっぱなの「序」のくだり。そこには『古事記』編纂という大役を担った太安万侶(おおのやすまろ)ご本人による制作秘話が述べられていて、このプレゼンシーンでイッキに“お話読みたい”スイッチON!そう、ここから時間をさかのぼって、むか~し、むか~しの神話がはじまるっていう仕立て。映画の冒頭でよく目にするテクよね★ なんで、第一章「天地開闢のページをめくれば、自ずと脳内にオープニングテーマ曲が流れ出し、ワクワクする幕開けとなったのであります♫


Star Wars - Opening Scene (1977) [1080p HD]

映画と見立てれば話は早い!なにせわたしの十八番ですから~(笑)。神さまだろうが悪魔だろうが、天国はもちろん地獄だって、受け入れちゃうわよ!「敷居が高い」が⇒「娯楽映画なら何でもあり!」にちゃっかり心変わり~(笑)。それに『ラノベ古事記』には、見開き2Pで古事記世界観挿絵がついてて、このザックリした見取図がいい塩梅の補助線になってくれるのです

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そしてラノベ古事記一番の呼び物は、いまどき会話とノリのよさ!例えば国作りのミッションを告げられたイザナギイザナミは― 

「ねぇ、イザナギ!早く天浮橋に行こうよ。葦原の中つ国に行くんでしょう?私、まだ見たことないの。イザナギは行ったことある?」

「いや…行ったことは無いけど、見たことならある。でも何も無かったよ。あんなところに国を造れとか 意味わかんない。」

はい、全編こんな調子です(笑)。でも、あざといウケ狙いで走っている印象はまったくなく、品格もちゃんと保たれているし、むしろ初々しかったりするのよね~♪ そんなことより、読み進めながら驚愕の事実が発覚!

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子どもの頃に親しんだあの、ヤマタノオロチ因幡の白兎海彦&山彦天の岩戸のお話が、古事記』の中から抜粋されたエピソードとは…恥ずかしながらツユ知らず…(汗)。思わず「うそォ~!」を連発してましたあ~。「ボーっと生きてんじゃねえよ!」ってチコちゃんに叱られそう…。そんな大ボケなわたしだから、各章の扉ページに掲載された「神さま相関図とキャラ解説」も、とっても重宝しちゃった★

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 知らんぷりしてたはずだったのに、実はすでに『古事記』のうわっつらだけは舐め回していたんですね。そして本作で初めて全部をつなぎ合わせて読みふけったら、想像以上にオモロくって、読んでる端から誰かに話したくなってタイヘ~ン(笑)。とにかく神さまたちが万能とは程遠く、しかも同じしくじりを代々派手に繰返してくれちゃって、ツッコミどころ満載なんだもん!そのトホホ加減を伝えるのに、ラノベ語りはもってこいなのよ~♪

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こうした会話の軽妙さには、物語を耳から味わう快感もあってNHKFMの朗読番組青春アドベンチャーを聴いてるみたいだった(笑)。「で、次はどうなるの?」と、ずーっと物語の中で遊んでいられるの。ただその分、神話そのものが持つ破壊力うねりを堪能するのは、ラノベ版だけではちと物足りない気がしなくもない…。いや、これを機に、バージョン違いにトライすればヨシよね!天上界への最初の一歩にこの1冊はありですわ~!小野寺優さんはとーっても筋がいい書き手でした★

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ってことで、俄かに古事記熱が沸騰したわたしは、関連書を探しにすぐさま図書館へGO!専門家だけのお宝にしておくのはもったいない金脈だもんね。取急ぎ編では、内容にまで踏み込めなかったから、引き続きもうイッパツ『古事記』特集やっちゃいマース♫ (行きてぇ~、出雲!)

 

PS 次回は6/24に更新します