鴉を愛でる💙リアル編

花見のメッカ鶴舞公園も、今年はコロナ禍のため、ブルーシートが敷き詰められることもなく、連日ひっそり。屋台もボンボリもビール臭もないお花見週間でしたが、例年とは異なる“絵”が見られて、これはこれで新鮮でしたね👍何せ人より鴉の方が賑わってたんですから~😊 薄桃と黒の響演は、画像で見るよりうーんと幽玄の美でした~

f:id:chinpira415:20200418141215j:plain鴉&群れを目撃すれば、自ずと連想するのがヒッチコックの映画『鳥』('64)ですね。わが小学生時代はTV版洋画の全盛期で、放映される度にチャンネルを合わせた記憶があります。子どもながら単純な怖がらせパニック映画には思えなくて、“ある日突然”“さして気にも留めなかったものが…”という映画テクに、興奮しましたね。観客は「鳥を見る」から「鳥に見られる」側に強制的に置かれ、世界が一変するのです

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これまた、世界が感染症の猛威に怯える今とも通じる視座ですわ。…我々がウイルスから見られていて、侵入されるのではないかという恐れと共通するような―。そうそう、映画のヒロインティッピ・ヘドレンのこんな衝撃写真をみつけましたよ!鴉とは晴れて共生ですか?ブロンド美女ならそれも可能なのね~😊

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色とフォルムだけで子どもでも識別できる鴉。幼い頃から「あれなに?」「カラスだよ」と大人たちに教えられてきたのでしょう(笑)。彫刻家・柳原義達(1910-2004)の鴉は愛らしい。悪戯っ子みたいな愛嬌がある。亡き父は、近所でも評判のガキ大将だったらしく、子どもの頃のあだ名がカラス(爆)。あたしと鴉との縁の深さは血筋です😊

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前回『鴉を愛でる💙美術編』で、“鴉愛で”に至ったエピソードを書きましたが、魅かれ始めた最初の頃に手作りしたのがこちらのモビール。ビニール板を切ってつないだだけの玩具ですが、長年我が家の顔になってます。いつもは窓辺にぶら下げているので、ベランダに降りた本物の鴉の目にとまり、ガーガーと声掛けされたこともありました😊

f:id:chinpira415:20200418162806j:plainそして、このモビールのおかげ(?)なのか、ウチに遊びにやって来るマブダチたちから、次々と鴉の置物を進呈されて…集まる集まる~~!世の中にはこんなものが商品化されているのね…と、その事実に一番驚きましたよ(爆)。おリボン付き鴉もあれば―

f:id:chinpira415:20200418165601j:plain見上げれば電灯や、扉のストッパーにもこっそりと…。ええ、佇まいですわ

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じぶんで買ったものもあります(笑)。ずいぶん前に雑誌BRUTUSの「みやげもん」コーナーで見かけて、取り寄せたのがこちらのからす団扇。府中の大國魂神社で、毎年7月20日のすもも祭に、五穀豊穣・悪疫防除・厄除に頒布されるものとか。ステンシルで描いてるんだろうね。単純な絵柄だから余計に胸がトキメキますわ~、裏面もスキ♥

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大國魂神社には1900年もの歴史があり、拝殿もなかなかご立派な様子。こりゃあ1度拝みに行かねば!御祭神は國魂大神(おおくにたまのおおかみ)。出雲の大国主神と御同神だって。はいはい、またもや古事記ね~😊  ところが古事記のパワーは侮れません(汗)

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去年の夏、作品に惚れ込み懇意にさせていただいている写真家の楢橋朝子さん 

chinpira415.hatenablog.com

 が、我が家へ立ち寄ってくれました。まあ、それだけでも1ファンの身には浮き立つ話なのですが、着いて早々に「からす団扇、懐かしい~!」と盛り上がってくれたんですよ(笑)。それもそのはず、生まれも育ちも東京の楢橋さんはご存知だったようで、鴉を縁に、その後の四方山話がヒートUPしたのはご想像通り…いやそれ以上でした😊

f:id:chinpira415:20200425111336j:plainしかも鴉物語はまだまだ続いちゃいました!なんと、歓談の興奮冷めやらぬ数日後に楢橋さんから1冊の写真集が送られてきたのです。2冊持ってるからどうぞ―と、サラリ届けられたのが深瀬昌久『鴉 SOLITUDE OF RAVENS』深瀬昌久?鴉の孤独?…装幀からしてすでにヤバイんですけどぉ(汗)…どうしようもなく胸の奥がザワザワ…

f:id:chinpira415:20200425115101j:plain生唾を飲み込みつつ、そろりそろりとページを開けたら―それはパンドラの箱でした💦

f:id:chinpira415:20200425120830j:plainあ~、開けちゃったよ~。 触れてはいけない扉を開けてしまったあ~~~

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脇汗かきながらも快感で―。こんなショットを目撃したら落ちて行くしかないですね

f:id:chinpira415:20200425122412j:plain落ちて行きながらも欲の深いあたしは、去年の1日1枚ワークだった“左手マッキー”のモチーフにして、連日模写(笑)。もちろん左手ですよ✑これ以上ないくらい、黒マッキーにぴったなモデルですものね~♫

f:id:chinpira415:20200425122632j:plainそれにお手本自体が、あの世から手招きしてくる写真ばかりだから、左手で描いてもサマになったりして…ポリポリ。

f:id:chinpira415:20200425122707j:plain幽閉されてるのか、自由を謳歌してるのか…鴉を想いながら我が身を振り返るひととき

f:id:chinpira415:20200425122741j:plainそして次の1枚に仰天!『鴉を愛でる💙美術編』で紹介したjean pascal imsand(右)の1枚と思わず見比べたくなるでしょ~。深瀬ショットは鳥居につがいで止まった絵。PARISから日本へ…巡り巡ってここにたどり着いた感がわきましたよ~。あたしがそうだと思えばそれでよし。運命ってヤツは自分で勝手に捏造するものです、はい(笑)。

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それにしても深瀬昌久(1934-2012)とは一体何者?ネットでチラっと追っただけでも、その壮絶な生涯と伝説化している作品群に恐れおののきました!どうやらいただいた写真集は、1986年に初版が刊行され、2008年に限定1000部で復刻されたバージョンらしいのですが、いま調べてびっくりドンキー👀中古で44,000円…それもSOLDOUTって…ひぇー。楢橋さん、無知ですいません(大汗)。写真集の最高峰が我が家で眺められることに改めて武者震いですぅ…ブルブル。みなさんには見つけた動画を共有しまーす★


Masahisa Fukase - The solitude of Ravens - Photography - 深瀬 昌久 - 烏 ·鴉

「からす」「カラス」「烏」に「鴉」と、日本語の文字表記は様々ですが、今回ブログタイトルを「鴉」にしたのは、深瀬さんの写真集を意識してのこと。牙がついてる方が彼の作品トーンとあってますよね。一方、動物行動学の松原 始先生が執筆するカラス研究本は全部「カラス」。松原先生の柔らかな投げ掛けはカタカナが◎です。そういえば勲章を拒んだ天才・熊谷守一(1880-1977)は、ひらがなで「からす」としたためてたっけ…

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さて、今年の7月22日、大國魂神社のすもも祭は無事に開かれるでしょうか…。よそ者が言うのもなんですが、厄除け神事が中止されるのは忍びない。科学的知見と同時に、古代の知見も活かしてほしいものです…。何せ、源頼義・義家父子から始まったとされるお祭りですからね~、とりあえずは無事の開催を鴉に祈っておきましょう。

PS 次回は5/13に更新します