勝手にシネマ評/『ありがとう、トニ・エルドマン』('16)

『ありがとう、トニ・エルドマン』は、見ようか止めようか迷った作品。割と早くからチラシは目にしていたが、タイトルがビミョーだわ、毛むくじゃらの妖怪イラストの意味がわかんないわ、キャッチもつかみどころがないわで、判断に困っていた。

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監督でも役者でも観客を呼び込めない…それもドイツ映画(汗)。配給会社も悩んだのか、世界各国の映画賞を総なめにした戦歴を、チラシ面積の半分に書き並べ、ありがたみデコレーションで間をもたせている。違う、違う!この華やかな戦歴が、むしろドン引きさせる要因なんだから~。一体この映画は何モノなんだ?と敷居が高くなる一方だろう~。


【予告編】映画『ありがとう、トニ・エルドマン』

そのうえ予告がいただけない(汗)。噛み合わない父と娘の“やさしさごっこ”が前面に押し出され、いかにもハートフルな人情喜劇にパッケージ。「…で?それがどうした?」と、思わず突っ込んでやりたくなったのは、私だけではないはずよ。ただ1点、2時間半以上(162分)もある、クソ(失礼!)長い映画だという点がやけに引っ掛かり、【女の監督】【長編で勝負】して、【世界中を熱狂】させたという、それまでほとんど聞いたことがない事例を目撃しようと、重い腰を上げたのである―やれやれ。

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「へーっ、そうきたか!」映画は冒頭から、予告のトーンとはまるで異なり、音なし、オチなし、笑いなし(爆)。ケッタイな行動をとるオヤジの出現に、「このリズムで2時間半、最後まで耐えられるか…」と気を揉むほど奇怪だ。最初に暴露しておくと、これは噛み合わない父娘の物語というよりは、それ以前に、映画の振る舞いと我々観客の呼吸が終始噛み合わない2時間半なのだ。「まどろっこしいのダメ。わたしのリズムに合わせてくれなきゃイヤ~!」…と、性急に決着を付けたい方は、どうぞスルーしてお昼寝でもしてください。問題ないです(笑)。でも、「親子ってめんどくさいなあ…、できればまともに向き合わず、ずっと保留にしていたいなあ…」と、厄介ごとを引き伸ばしにする性分の方には、強力にお薦めしたい。笑えない、突飛すぎる…とぼんやり眺めるうち、いつしか “いずこも同じ秋の夕暮れ”心境にたどり着き、やんわり慰められるというファニーな映画なんですよ!

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ヒロイン・イネスの両親は、離婚してすでに長い月日が経ち、父は音楽の先生をしながら、老いた母親と犬一匹と暮らす毎日。ところがこのオヤジ、道化の役回りをしないことには、他者とまともに会話ができない変わり者。誰に頼まれるでもなく、自ら進んで世の中をユーモアと温かみで満たすべく孤軍奮闘している様子だが、その横顔はまるでゴルゴタの丘を登るイエスのように痛ましい。一方、里帰りした娘イネスは、大手コンサル会社で働く30代後半の独身社畜。顧客の信頼を勝ち取るため、こちらもある意味父同様に、自ら進んで孤軍奮闘しているが、思うようなキャリアパスを描けず、内心焦っているのはミエミエ。

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そんな親子が、久しぶりに一緒の時間を過ごすことになる。イネスの誕生日を祝おうと、父が赴任先のブカレスクへひょっこり訪ねて来たからだ。怖いよね~、父親が連絡もなしに職場のロビーでウロウロしていたら(汗)。だってサラリーマンって、職場で疑似家族めいた関係を演じているでしょ。そこに本当の家族が舞い込んだら、どっちの顔つきで舞台に上がったらいいのかドキマギしないか?多国籍企業相手に澄まし顔でバリキャリやってるイネスが、思わず素無視してしまうのも無理はない。しかもコイツは、空気「読めない」というより、「読まない」爆弾オヤジ。一ヵ月も休みとって来られたら、マジに困惑するよな…。愛犬に死なれて落ち込んでる父を邪険には扱えないが、スケジュールはパツパツ。そこでイネスは無謀にも、自分のアポに父を同行させてお茶を濁そうと画策する―。

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父親同伴の接待って…マジですか?我々の心拍数はイッキに上昇、気が気でない。そもそもこの映画、面白おかしく軽妙に進めるのを定石とするスケッチで、あえて句読点をつけたりなんかして、どうでもいい箇所をイチイチ間延びさせて語り、常にムズ痒い。変化球の連投が、ギャグにもシリアスにも受け取れてしまえる仕立てなのよ。つまり、それでなくても照れ臭い親子の関係が、さらにバツの悪い絵にデフォルメされ、悲劇と喜劇が紙一重状態に映し出される。まさかブカレスクのショッピングモールを眺めながら、小津安二郎の『東京物語』('53)を思い浮かべるなんて、予想だにしなかったわ、ふーっ。

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結局、大切な商談に失敗したイネスは、ブチ切れて父を追い返してしまう。親子の遠慮と甘えが極端な形で露呈するこのくだりは、前半戦のハイライトといえるだろう。では、再会→接近→戸惑い→怒り→決別までまとめ切り、このあと映画は何をお披露目するのかというと…はい、後半戦では帰国したはずの父がトニ・エルドマンと名乗り、ご丁寧に変装までして、娘の行く先々に出没するというトンデモ話へ展開。そしてここからのしつこさが本作のキモだ!

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四六時中社内評価に過敏なイネス、汚れ役も厭わずに顧客の下僕と化すイネス、SEXも飲み会もパワーゲームに見立てて処理するイネス、ビジネス以外の文脈に対応できずツイ熱唱してしまうイネス…。現代を闊歩する娘の様々な側面が、滑稽ななりをしたトニ・エルドマンの出現によって、お約束の虚無と享楽の構図で炙り出されるというダンドリ。しかし従来の映画と大きく異なり、ここには特効薬も出てこなけりゃ、内なる声も描かれない。そうイネスは、常にドタバタして疲れてはいるが、タスク管理をしているだけで考えて生きていないから、疑問は持たないし、じぶん以外の世界を想像すらしていない。父に指摘された通り「おまえは人間か?」状態なのだ。そして、ヒロインを宙ぶらりんなまましつこく走らせ続け、お手軽に覚醒させないところが、この映画の良心にもなっているのだ。

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やがて、愚直なマシンの彼女が、あの手この手を使って揺さぶられながら、ようよう少しだけじぶんの中の他者性に気づき始める。メンバー・フォローのために開いたホームパーティーで、“あれ?もしかして、わたしのガンバリってスンゲーくだらない?…”と、突如タガが外れ出すのだ。それも、タイトでゴージャスなワンピースのファスナーが閉まらなくて七転八倒するその瞬間にだ!女の監督でなければ絶対に描けないリアリティの横溢。女芸人たちも嫉妬しそうなほど突き抜けたこの全裸もてなしシーンは、切なく意表をつき、我が映画史にしかと刻印されましたよ~。美人が身に染みない女優サンドラ・フラー★、御見それいたしました(ぺこり)。

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 父と娘は似たもの同士、親子揃って含羞の人だった。めんどくさい作業を経ないことには、「ありがとう」の一言さえ、まともに伝えられない距離感なんだよね。よって、裸と毛むくじゃらだからこそできたハグ。なーんだ、ドイツ人も親子を語ることがこっぱずかしかったりするんだあ…、そして世界中の人たちも照れくささに共鳴したんだあ…ちょっと意外だったわ(笑)。それでも、父を亡くしてすでに9年経つわたしが、もうじぶんには「守ってくれる父」はいないんだという事実を、今さらながら思い起こした映画でもあった。自転車の乗り方も、跳び箱も、逆上がりも、何度も父にダメ出しされ(汗)、しつこく伴走してもらい、できるようになったっけ…。そんな記憶がフト蘇ったのも、162分という長丁場だったからだ―。宝物を紐解くには時間がかかる…贅沢な体感だったと思わずにいられない。

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 伏見ミリオン座で上映中。この映画こそ、仕事サボって行くべき1本(爆)、ぜひ★

 

『ありがとう、トニ・エルドマン』

2016年/ ドイツ=オーストリア/カラー/162分
監督・脚本   マーレン・アデ
撮影      パトリック・オルト
編集      ハイケ・パープリース
キャスト    ペーター・ジモニシェック サンドラ・フラー

 

PS 次回は8/6にUPします

男子推薦本と勝負!📚

「今晩は~。渋谷陽一です!」…じゃなくて、「今晩は~、ちんぴらジャーナルです♪」。しょっぱなからくだらなくてすいません(ぺこり)。NHKFM愛好家限定の小ネタで幕開けしてみました。何せ渋谷陽一の洗礼を浴びて洋楽に目覚めた世代ですから(笑)。さて、ROCKは渋谷社長にまかせるとして、今回わたしは書評に初トライです!

本はわたしにとって欠かせないお楽しみ世界ですが、じぶんの食指に引っかかったものをお披露目するだけじゃ芸がないと思いません?(笑)そこで、他人に薦められた本、それも知り合いの男子たちにススメられた本の感想をまとめてみることにしました。案の定、男子推薦本のラインナップは、じぶんではまず手に取らない本ばかりで、テンションあがったなあ~♬ そのうえ「どうして彼にこの本が刺さったのか…?」まで紐解きながらの読書三昧だから、深読みする面白さもタップリ味わえましたね。―というわけで、バラエティに富んだ4冊を一挙にご紹介しましょう!

 

文系男子Kちゃんオススメ★歴史娯楽小説

『光秀の定理』垣根涼介(角川文庫)

 ▶前々回のブログ『サクッと京都』を書き終わった直後に、マブダチKちゃんから「すごく面白かったから読んで~」と届けられた本が垣根涼介『光秀の定理』。とりあえず、作家名もタイトルもまったく初見の1冊をぼんやり読み始めたら…な、な、なーんと、書き出しからあまりの偶然に、頭がクラクラしちゃったのよー。京都が舞台、しかも足を向けたばかりの相国寺周辺からドラマが始まるとは!…タイムリーすぎるぅ~★

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▶光秀というのはあの逆臣、明智光秀のこと。1560年。牢人中の光秀、若き兵法者の新九郎、辻博打で人々を煙に巻く坊主の愚息の3人が、夜更けの一条大路で運命的に出会う―。ドラマは史実を緻密に配しながら、因縁の3人が戦乱の世をそれぞれの流儀で渡り歩いて行く様子を、キャラを立たせてのびやかに描き、いかにも男子にウケる内容です。なんたって男子たちは、歴史小説をじぶんの属する組織に当てはめて感情移入するのがお好きでしょ?(笑)おそらくここで男子読者たちは、常に自らを奮い立たせ愚直に責務を果たそうと努める光秀、空回りするほどイキのいい若造の新九郎、剛柔併せ持つ大人物で多様なアフォリズムが魅力の愚息の3者3様を、じぶんの中で勝手に合体させ、憧れのヒーロー像を作り上げて楽しんでいたりするのでしょうね ♪ そしてこの本がKちゃんにウケた理由もそのあたりにあると推察しながら読んでたわ。だってKちゃんは何かと「筋を通す」男子だからさ、この手の精神的ホモ物語(!)に目がないもんね~(爆)。本人曰く―「男3人の損得ナシの関係に憧れる」だって、ひゅー★

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▶一方、わたしにとっては、京都博物館で堪能した絵師・海上友松の時代背景を想像するのにスッゲー役立っちゃったわ。いや、もっと驚いたことに、読後ネット検索したら、光秀の重臣・斎藤利三と友松はマブダチだったとわかり、斬首された利三を葬ったのは友松だという言い伝えもあるらしいのよ~。真如堂には2人のお墓が並んでいるんだって!ひぇー、思わぬところでサブテキストと遭遇し、心底たまげましたね(汗)。ここまでシンクロするとは…さーすがKちゃん、また意表を突く本を送ってね~♪

 

理系男子M氏オススメ★科学啓蒙新書

相対性理論の世界~はじめて学ぶ人のために』ジェームズ・A・コールマン講談社ブルーバックス

▶去年、それまでまったく手に取る機会がなかった理系の書物に突如目覚めはじめ、ついには物理の世界にまで食指が伸び始めてしまっているわたし…。ヤバイ、すでに人生の2/3を消費し、残された時間は限られているというのにね(汗)。でも、物はついで(笑)。物理の世界をもう少し楽しめるといいなあと思い、骨の髄まで理系男子のM氏に「物理」に興味をもつきっかけになった本を薦めてもらいました。それが相対性理論の世界~はじめて学ぶ人のために』です。はい、言わずと知れたアインシュタイン相対性理論を一般読者向けに解説した本なの。

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▶まず見てほしいのは奥付!最初の発行が1966年8月25日で、私の手元にある最新本は2015年7月3日発行の第100刷版。どうやら超ベストセラーの1冊らしいのよ~。ところがどっこい!M氏は中学生のときに「お~~,オレの知らないこんな世界があるんだ!」と興味深く読んだらしいけど…あのですね、それはむしろ清廉な中学生だからノレたわけで、手垢にまみれたババアのわたしじゃ「お~~♪」なんてスンナリ読み流せませ~ん。専門用語や数式はもちろん、難解な言い回しなんてほとんど出てこないのに、そぎ落としたシンプルな構えだからこそ、俗にまみれた脳ミソをいちいち雑巾がけしながら読み進めないと、雰囲気すら味わえなくて、しょっぱなからモヤモヤの連続(汗)。そもそも科学的なものの考え方に慣れていないわけで、思わず学生みたいにノートを取りながら読みましたよ(爆)逆にいえば、大人のフリをするってことは、いかに自然のしくみを割愛し、合理主義に流されるかなんだなあ…と、気づかされちゃいましたね。

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▶じゃあこの本が退屈で放り出したくなったかというと、正反対!そのポイントは2点。 1つは、科学的なものの捉え方を促されるうちに、 じぶんの中に使っていない筋肉があることに気づき、その筋肉がちょろっと稼働する快感があったこともう1つは、本の構成が相対性理論以前の研究の歴史から始まっているので、研究者たちのバトンタッチの連続の果てに登場した相対性理論(特殊と一般)の起伏にとんだプロセスが、血沸き肉躍るドラマになっているところ。思わず伊藤整の傑作『日本文壇史』を思い出しちゃった!ここに名前が挙がるのはごくごく一握りなわけで、それこそ裾野には数えきれないほどたっくさんの研究者がいたんだと思うと、胸が熱くなっちゃうんだよね。しかも、人類の歩みが続く限り、この先も更新し続けるだろうという未来の博打ドラマが立ち上るからさぁ~、色っぽい話じゃないの(笑)。ただ、電子の世界が解明されはじめ、アインシュタインの発見を証明する手立てが一気に開花するところが、素人にはやっぱ早すぎて…(汗)。まっ、そこから先はさらなる自主トレですかね♬

 

文系男子T氏オススメ★純文学

『忌中』車谷長吉(文春文庫)

▶さて3冊目は、ガラリと趣向を変え、ねっとりと鈍い光を放つ車谷長吉『忌中』です。車谷作品は、直木賞受賞作の『赤目四十八瀧心中未遂』を読んだ切り、縁がない(汗)。『赤目』は映画化もされ、寺島しのぶの脱ぎっぷりが話題になったよね。車谷を評価していたのはあの白洲正子だけれど、その手放しの賞賛の様子は、深沢七郎(天才!)の才能を恐れた三島由紀夫とダブり、高貴なインテリは土俗な輩にめっぽう弱いんだなあなんて思ったものです(苦笑)。おぼっちゃま&おじょうちゃまの目には、地獄に片足突っ込んでいるような男たちが、ひたすら眩しかったのかもしれないね。

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▶ところで『忌中』を薦めてくれたのは、ドキュメンタリー映画を撮っているT氏。「もし自分が劇映画を撮るならこれ!」と、かなり惚れ込んでいらっしゃるご様子。あらすじはこうだ―67歳になる主人公の菅井という男が、寝たきりになった女房に自殺幇助を懇願されて実行する。じぶんも後を追うつもりが死に損ない、茶箱に入れた女房の腐敗した死体を愛おしがりながら、人生最期の大博打に身を任せるという墜落劇。40ページほどの短編だが、さすが最後の私小説作家と呼ばれるだけあって、異様に濃厚かつ緻密な設計。無駄な場面が一切ない。主人公は、死の淵にたたずみながら、どこまでも他人事のように世間さまと最後のダンスに興じる…。確かに映像化したくなる気持ちもわかりましたね。

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▶ただ、やっぱ男が好きそうな話だなあとは思った。キーワードは「女」と「借金」と「将棋」。渇き切った風に描いているけど、底の方がウェットなんだよね(笑)。わたしの苦手な“無様なオレに酔ってる匂い”が、時折り鼻をかすめたし…。で、そこを突破するにはキャスティングですよ~。わたしなら菅井役をぜひ左とん平(大好き♥)でお願いしたい!だってとん平には死のイメージがないから、かえって恐ろしい絵になると思うのよ。Tさん、このプランでカメラを回すのはどう?Tさんのノンシャランとした作風で、業の深い男の挽歌を撮る―面白くなりそうじゃない?(笑)

 

理系男子H氏オススメ★ノーベル賞物理学者自伝

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』上・下 R.P.ファインマン岩波書店

▶いつも朗らかで上機嫌なH氏に薦められた『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は、理系の研究者なら誰もが知る名著らしい。聞いたことも見たこともない人の自伝、しかも上下2冊…(汗)。一瞬腰が引けたけど、H氏は落語がお好きな方だから、きっとありきたりの偉人伝ではないだろうと踏んで、さっそくトライ。…するってーと、もー、タイヘン!ノックダウン!すっかり脂っ気の抜けたこのちんぴらババアが、寝ても覚めてもファインマンLOVE♥いやー、こんなにチャーミングが男がいたなんて、思わず地球を抱きしめたくなったわよ~、恋ですよ恋(爆)。運命のメンズをみつけた~♫ 

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▶鬼籍に入ってすでに久しいリチャード・P・ファインマン( 1918年5月11日 - 1988年2月15日)は、アメリカ合衆国出身の物理学者。その肩書たるや、わたしと0.1ミリの接点もない歴史に名を遺すエリートざんすが、ハッキリ言って“ちんぴら魂”はいっしょ!紛れもなくソウルメイトよ(笑)いま、彼の魅力を語れと問われたら、まるでお付き合いしていたかのごとく、優に3日はしゃべり続けられる自信があるわ(爆)。そのくらい本人からの聞き語りでまとめられた幼少期からノーベル賞受賞後の後日談までの回想録は、活字を拾いながら同時に目の前で実際のエピソードに立ち合っているかのごとく、精彩を放っているの。日本語訳がこれまた素晴らしい!ファインマンの娘さんと同級生の子を持つ、言わば保護者友だちの女性に氏が任せたそうだから、より人柄が加味された仕上がりになったんだろうね。

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▶世の中を絶えず旺盛な好奇心で観察していて、誰に対しても対等に心を開き、何でも面白がり知らないことを恥じず、いかなる定説だろうがじぶんで確かめいたずら好きで、安楽な地位を拒否し、生徒に教える時間を尊び、自分は自分以外の何物でもないとの信念を崩さず、いつもやりたいと思ったことをやり、可愛い女の子に目がなくて、ストリップ小屋で勉強をし、考えることが大好きで、これと決めたらモーレツな集中力で習得し、音楽も絵もじぶんの表現に結実させ、天下国家におもねることなく偽善を蹴散らし、絶えず直球勝負で、自分を欺くな&何ものをもいとわず「誠意を尽くしてやり通せ」と科学的良心を説くファインマン―こんなに上等な男と遭遇できなかったとは一生の不覚!初の奥さんが亡くなった後のエピソードを読んで、彼に惚れない女子はいないでしょう~。ビジュアルもとびっきりイイ男なのよ★

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▶どう?ちょっとテニスのフェデラー、入っているよね?(笑)映画化するなら、監督はロバート・アルトマン、青年期役をアンドリュー・ガーフィールドでひとつ夜露死苦!なにせわたし、生まれ変わったらMIT(マサチューセッツ工科大学)に入っていっしょにお勉強するって決めましたから(爆)。でもどうする英語?…とりあえず「Take Me!」で乗り切るわ♪

 

PS 次号は7/20にUPします

あしたの料理🐔2017初夏編

そろそろ料理を取り上げなきゃね~。料理するの好きなのよ、ちんぴらだけど(笑)。

「毎日のじぶんひとり用のゴハン」「友人を招いてのもてなしゴハン」、「ひとんちにお邪魔して作る出前ゴハン」、そして「仕事場へ持参するお弁当」まで、暇さえあれば台所に立ってるわ(汗)。化粧しない日はあっても、料理しない日はないなあ~(笑)。

でも誤解しないでよ。大したものを作ってるわけじゃあないからね。レシピもありもの!アレンジはするけど、オリジナルメニューの創作!な~んて面倒なことはやらない(苦笑)。参考にするのは、Eテレの「きょうの料理」を基本に、クックパッドなどのWebをのぞいたり、新聞や雑誌の料理ページを切り抜いたり…と、ごく一般的でしょ?なにせ時代は理研究家の戦国時代ですから(爆)。プロセス工夫も、食欲のそそり方も、日々進化しまくってて、料理家たちの知恵を使わない手はない!

さて、そんな多様なレシピの中からわたしが選ぶ基準は、“繰返しに堪えうる味”“簡単&リーズナブル”の2本柱。今回は旬の野菜を使った初夏にふさわしいメニューをご紹介♪ とにかくすぐ作ってみて。料理は実験と研究の場数を増やすことがすべてです!

 

◆野菜タップリお惣菜レシピ

【にんじんの梅煮】この春「きょうの料理」で見かけて、何度も作ったお気に入りのシンプルメニュー。ほろ甘じょっぱさがクセになる。日持ちも◎。

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材料/春にんじん(2~3本)梅干し(2~3個)

①にんじんは皮をむいて、長さを2~3等分してから四つ割り程度に長細く切る

②鍋に、①と梅干しと、合わせ調味料(だしカップ2 砂糖大さじ3 薄口しょうゆ大さじ2)を入れて中火にかける

③煮立ったら弱火にして15分ほどコトコト煮る。にんじんに竹串がスッと通るようになったら完成。

冷蔵庫で冷やすとデザート感覚で食べられてまた味わい深い!春にんじんでなくてもOKだよ。

 

【水菜と卵焼きのナムル】枝元なほみさんが紹介していたこのナムルは、薄焼き卵をトッピングにしていて新感覚。白めしの上にのせて混ぜ合わせながら食べれば、まるでチャーハンでーす★

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 材料/水菜(2/3束)卵(1個)

①水菜は3~4センチのざく切りにして、ボールに入れ、小さじ1のごま油であえておく

②卵1個を溶き、塩少々で味付け。ここから大さじ1の溶き卵を取り除き、取り除いた溶き卵に水大さじ1をまぜ、①に入れてあえておく

③フライパンを温め、ごま油大さじ1/2をひいて②を薄焼き卵にする。両面焼いて⇒これも3~4センチの細切りにしておく

④今度は油をひかず、フライパンに①を入れ、蓋をして強火で20秒火にかけ、かき混ぜず蓋をしたまましばらくおいて自然に蒸す

⑤ボウルに、調味料(薄口しょうゆ小さじ1 鶏ガラ顆粒スープの素小さじ1/2 にんにくのすりおろし小さじ1/2 コショウ少々)を混ぜあわせ、④と③を投入し、全体をあえてできあがり。今回は茗荷の千切りとすりごまを入れてさらに複雑な味わいに!

 

 ゴーヤとツナのホットサラダ】野菜の水分を活用し、レンジだけでお手軽にできるチビ惣菜。これからの暑い季節にピッタリな時短料理です。そうめんのお供によし、冷やし中華のトッピングによし、お弁当の副菜にも重宝するわよ。

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 材料/ゴーヤ(1本)しめじ(1パック)ツナ缶(小80g)

ゴーヤは縦半分に切り、タネとワタを取り除き(スプーンでかき出す)5mm幅に切る

②しめじ(あれば白マイタケがベスト)は手でほぐしておく

③耐熱ボウルに、①と②とツナ缶を汁ごと入れ、鶏ガラ顆粒スープの素小さじ1を振りかけ、全体を混ぜて、ふんわりラップをして電子レンジで5分加熱

④③にしょうゆ少々をかけ、もう一度ラップしてそのまま味が馴染むまでしばらく放置

朝作って夜食べると味が染みて美味しいです。ゴーヤの代わりにピーマンの薄切り(横にしてカット)でも◎ 野菜からの甘み水分がたっぷり味わえまーす★

 

◆野菜+肉のレシピ

【味付け豚肉の春キャベツ巻き】軟らかで甘い春キャベツをガッツリ楽しめるサラダ感覚の肉料理は藤井恵さんのレシピ。生春巻きのキャベツバージョンってかんじ。ボリューミーなおつまみとしても活用できます。

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 材料/春キャベツ(4枚)豚薄切り肉(4枚)青じそ(8枚)万能ネギ(4本)

キャベツをラップに包み、電子レンジで3~4分加熱⇒ザルなどにあげて冷ます⇒硬い芯の部分は、巻きやすいように綿棒などでたたいておく

②万能ネギは4等分の長さに切る

③豚肉に調味料(ナンプラー大さじ1、しょうゆ・豆板醤各小さじ1/2 砂糖・ごま油各小さじ1)を揉み込み、温めたフライパンにサラダ油少々をひいて焼く⇒一旦取り出す

④①のキャベツを広げ、青じそ2枚と(この日はエゴマを使用)万能ネギ4本を置き、③を1枚のせ、キャベツの手前と両端を内側に織り込んでキッチリ巻く。これを4本作って完成。食べやすく半分に切って盛り付けよう♪

少ない肉量ながら味がしっかりついているので、別タレがなくても十分美味しい。キャベツは少しくらい破れても、巻き込んでごまかせるからへっちゃらでーす(笑)。

 

【牛肉と人参の韓国風炒め】コチュジャンを使った炒め物は白めしとの相性抜群!コウケンテツさんレシピで、本場韓国の家庭料理味をマスターしよう♫

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 材料/にんじん(小2本)牛コマ肉(150g)ネギ(10cm)

①にんじんは皮をむいて斜めザク切り、ネギはみじん切りにしておく

②フライパンを熱し、ごま油大さじ1をひいて、にんじんを炒める。全体に油が回ったところで、牛肉も加える

③②の牛肉の赤身がまだ残っているくらいの状態に、砂糖小さじ2を入れ⇒次に酒大さじ2⇒みりん大さじ2⇒しょうゆ大さじ2と順に調味料を加えて炒め、コチュジャン大さじ1/2⇒にんにくのすりおろし小さじ1も入れて炒め合わせる

 ④最後にネギのみじん切りを投入し、皿に盛り付けて、上から白ごま大さじ2を振りかけて完成。

牛肉は炒めすぎない方が美味しい。すき焼きの工程をイメージするとわかりやすいかも。おろしニンニクを炒め終わりのタイミングで入れるから、風味が残り、中華とはまた違った味わいになるよ。

 

◆ヘビーローテ豚肉レシピ

【究極煮豚】煮豚のレシピは、巷にたっくさ~ん出回っているけど、これが一番簡単&美味しいと太鼓判を押したい一品!15年以上作り続けている高橋栄順さんのレシピです。多めに作ってチャーハンやラーメンの具材に2次利用するのも◎よ。

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 材料/豚バラ肉ブロック(300~400g)しょうが(50g)ニンニク(1片)

①ニンニクとしょうがはそれぞれ薄切りにする

②鍋に、バラ肉ブロック、酒150cc、水150cc、しょうゆ120cc、種を取った赤唐辛子2本と、①を入れ、途中ひっくり返しながら30~40分煮る(最初の画像が煮上がった状態です)

たったこれだけ!薄切りにして、煮汁を少しかけて、練りからしを添えて食べると、サイコーに美味い。もてなし料理にもってこいです。

 

【シンプル豚天】わたしのソールフードのひとつ…母がよく作ってくれた豚肉の天ぷらで~す。ウチでは定番だったけど、豚肉を天ぷらの具材に使う家庭は、意外と少ないみたい。でも絶対オススメ!邪道かもしれないけど、ウチで揚げるなら、気取らないネタこそベスト。誰に出しても、マジにみんな箸が止まらなくなる(爆)。しかもレシピにするのも気が引けるほど超カンタン♬

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 材料/豚薄切りロース肉(300g)天ぷら粉(100g)

①天ぷら粉は表示通り水でといておく。最近の天ぷら粉は、卵液も冷水も使わずに、お店屋さんのようにカラッと揚がってすんごく便利。

②豚肉(部位はお好きなものを)は一口大に切り、バットに並べて薄く塩コショウをしておく

③①に②をくぐらせながら、揚げる。薄切りだから揚がるのも早い。タレは市販のポン酢と練りからし。冷めてもうま~い。

 

というわけで、惣菜7品のご紹介はいかがでしたか?どれも、“繰返しに堪えうる味”“簡単&リーズナブル”の2本柱を踏まえた、ザ・家庭料理の王道です。やっぱ近所のスーパーで買い揃えられるもので作ってこそ我が家の味。凝りすぎず、冷めても美味しくて、翌日のお弁当にも使いまわせる…どう、言うことなしでしょ(笑)。さー、今すぐトライしてみて!

 

PS 次回は7/3にUPします

サクっと京都✑備忘録

5月某日、日帰りでサクっと京都へ。今回のサクっとシリーズは、高校時代からの同級生と結成している「大人美術部」の遠征バージョンです。ちなみに同級生KとMの合言葉は、「だって、わたしたち強欲だからぁ~」(爆)。欲望を絶えず経常利益の2割増しで盛り続ける2人は、もちろん朝からのぞみ車中でビールっす★ 一方わたしは、後部座席から聞こえてきた話(同僚の男4人で京都観光へ繰り出す模様)が可笑しくて、40分間聞き耳を立ててましたあ(笑)。さーて、これ以上ないくらいの“ザ・五月晴れ”の中、美術展3本をハシゴしてきたレポートをお届けいたします

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1本め👀相国寺で『伊藤若冲展』

▶昨年、生誕300年を迎え、特別展示が長蛇の列だった伊藤若冲(1716年3月1日 - 1800年10月27日)同志社大学のすぐ北にある相国寺承天閣美術館で、まだこっそり特別展示が公開されていると知り、いそいそとのぞいて参りました。予想通り混雑もなく、大穴鑑賞。大昔、マブダチM氏はここを立ちションエリアにしていたらしいけど(笑)、禅寺らしい重心の低い趣きと、掃き清められた敷地内が、キリっと美し~い。

▶そういえば、お寺でガッツリ絵を見る機会は今迄になかったな…。なんと、玄関で靴を脱ぎ~の(!)⇒下駄箱に入れて番号札(!)を持ち~の⇒カーペット張りの床を歩きながらの鑑賞です。これがねー、意外と悪くないのよ★若干、旅館に来たみたいな気分になるけど(京都だし…)、物理的にも精神的にも絵との距離が近くなって、ゴキゲンでした。特に目玉の鹿苑寺金閣寺)大書院の障壁画群が、こんな風にガラス1枚隔てたすぐ側で見られるのは、サイズ感をダイレクトに味わえてなんとも贅沢。

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松鶴図襖絵』(八面)。鶴のお腹まわりが、いともあっさり描かれていてすばらしく粋!あー、この鶴、ウチの襖にも飛んできてほしいよ~(爆)。

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 ▶こちらは『竹図襖絵』(四面)。「これが竹かいっ!」って、ひとり突っ込みを入れつつも(笑)、未知の惑星を連想させる斬新な世界にホレボレ。

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▶そして芭蕉叭々鳥図襖絵』(八面)。この空間処理センスを見て!最後に取り上げる海北友松展でも叭々鳥(ハハチョウ)をモチーフにした絵があったけど、若冲のスピード感&おっちょこちょいぶりにわたしは一票。南国ムード漂う芭蕉との組み合わせにも唸ったなあ~。オマケに叭々鳥の写真を付けておくね。小ぶりの烏みたいでスキ♥

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▶それにしても、若冲金閣寺の襖絵をこんなにたくさん手掛けていたとは…圧巻でしたね。どうやら靴を脱ぐと、自然と頭も口も柔らかになるようで、3人でひとしきり感想を挟みつつ眺めていたけど、美術館と違ってお咎めを受けることもなく…(笑)。重文のオンパレードをラフに見られて至福のひとときでした。墨絵と禅寺と若冲の関係性も、もうちょっと真剣にお勉強したくなっちゃった。

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 ▶そういえば、1F奥に展示されている金閣寺茶室『夕佳亭』内部の再現にもハマった。わてら3人は茶の湯の心など微塵も理解していない凡人だが(汗)、夕佳亭の不思議な間取りには目が釘付け。こんな数寄屋造りもあるんだねぇ。3畳の茶室に、斜めに竹の床張がついてて、そこから一段上がったところに、南と北に窓を設けた2畳の上段の間が張り出してるの。3部屋の流れが得も言われぬリズムを生み出していて、思わず「ここに住みた~い!」と大騒ぎ(爆)。茶道のことはわかんないけど、理想の小宇宙を見つけたわ。

 

2本め👀シャレオツな『杉浦非水展』

▶さて、同志社大の学食で学生たちに交じって昼食を取った後、今度はガラッと趣向を変え、岡崎公園すぐ横の細見美術館杉浦非水展をチェック。

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杉浦非水(1876年5月15日 - 1965年8月18日)の名前は知らなくても、このポスターに見覚えがある人はけっこういらっしゃるでしょう~。

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▶日本モダンデザインの先駆者と呼ばれ、多摩帝国美術学校(現・多摩美術大学)の初代学長という肩書をもつ非水は、新しい時代の精神と美術をシンクロさせたまさに時代の申し子。黒田清輝に西洋絵画を学び、黒田が持ち帰ったアールヌーヴォー様式のポスターに魅せられ、「そうだ、図案家になろう~♪」と我が道を決めたとか。そう、いまで言うグラフィックデザイナーのはしりです。当時の印刷技術の飛躍的な進歩の波にのり、思いついたことをどんどん形に変えてゆく彼の才能は、様々な媒体を横断して発揮されました。これがいま見返しても洗練の極みで、ブラボー!と叫ばずにはいられない~。

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三越の広報物をアートディレクターとしてトータルプロデュース。

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 ▶その他、雑誌の表紙、本の装幀、絵葉書、ポスター、タバコや商品パッケージまで、多種多様な表現方法を駆使して大活躍。企業イメージを打ち出す企画力も込みで、当時の最先端のお仕事ぶりが一望できる内容でしたね。特に見事な色彩設計に酔いしれ、展示ケースの前に陣取ったわたしたち3人は、どれだけウットリしたことか~。

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▶余談ですが、非水と歌人で妻の翠子は、当時のモガ・モボと呼ばれるオシャレ番長の代表で、人々の憧れの的だったらしいの。この浮世離れした暮しぶりを御覧あそばせ。なんだかジャズ・エイジを象徴するスター作家、スコット&ゼルダフィッツジェラルド夫婦みたいじゃない?あー、カラーで見たかったなあ~。

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3本め👀桃山の絵師「海北友松展」

▶みなさま、桃山時代に名を馳せた海北友松(1533年 - 1615年6月27日)という絵師をご存知?海北友松は「かいほうゆうしょう」と読むの。日曜美術館で紹介されるまで、わたしはまったく知らなくて、目撃した時は慌てましたね。でもほら最近、美術展も情報番組も、あの手この手を使って煽ってくるからさー、疑い深いわたしは「実際に体感するしかない!」⇒「そうだ、京都へ行こう!」と、今回の小旅行を計画。つまりはチラシの惹句―「京都国立博物館開館120周年記念開催 会期は36日間、京都でしかご覧いただけません」に、マンマとノセられたってことです、はい(汗)。

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▶新館ができて初訪問の京都国立博物館。まず目に留まったのは『柏に猿図』

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▶2幅の猿図。強欲Mがお気に召し、お持ち帰りしそうになったのをやんわり止めました(爆)。猿というより毬栗にながーい手が生えてる風よね。そして顔は笑っていないのに円形の効果なのか、とーってもご陽気。ぶら~ん、ぶら~んとマッドマックス 怒りのデス・ロード並のアクションをお披露目してました。それにしても白猿の足技、シルク・ドゥ・ソレイユにスカウトされそうだ。

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 ▶猿の次は馬(笑)。6曲一隻の『野馬図屏風』。馬は馬でもメタボ。これじゃあ牛だろ?でもなんかまばゆくて、艶っぽい♥ 恥じらいってやつですかね(わたしと最も縁遠い…)。こういう女の人、いるよなぁ~なんて、オッサン目線で見てました。

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▶でもって、出るわ出るわ怒涛の雲龍図群!まあ、すごいことになってましたよ。展示の後半では、インスタレーションとして味わってもらおうという狙いなのか、照度を落とした演出まで(汗)。うーん、どうなんだろう…。わたしは通常照明で見た一等最初の建仁寺の8幅で十分満足しましたけどね。特に左4幅の一番はじの3本指!ピッチャー死神が振りかぶって第一球を投げましたポーズでサイコー(笑)。絵の強度がここに集結してるかんじ、しんぼうタマラ~ン。

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建仁寺に元あった姿で眺めるとこんな風。現在は超精密コピーで対応とか。いやー、かなり派手だよね(爆)。相国寺で見た鹿苑寺の障壁画群もそうだったけど、描かせる禅寺側がこれを良しとする美意識って、一体何が元になってるんだろう…。すごく知りたい。何せ時は戦国、桃山時代。武士たちがしのぎを削る背景からすると、なんでもありなのかもしれないなあ。

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▶そしてオオトリは、友松最晩年の最高傑作にして本企画の目玉『月下渓流図屏風』。ネルソン・アトキンズ美術館(米国)から60年ぶりに里帰りしたという6曲1双。もう一人の強欲Kが「これで決まりだな…」と、ひとりごちておられました(爆)。おっしゃる通り、右隻中央に置かれたつくしの可憐さには、めまいがしましたね。今にも宵闇から渓流の音色が聴こえてきそう…。

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 ▶―が、しばし呆然とするも、すぐに冷めて工芸品に見えちゃったわたし…。当時のトレンド狙ってないか?(笑)それに、ここも部屋暗くしてんだもん、もったいぶりすぎじゃない?(爆)わたしは断然こちらを押したい、『楼閣山水図屏風』6曲1双。

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▶なにぶん画像が小さくてわかんないでしょうが(汗)、たおやかな峰、屋根と壁と舟の横線の響きあい、穏やかな入り江の表情に泣いた…。ここには武士の気概も消え失せ、まさにわたしのイメージする桃源郷そのもの(涙)。横長の引きの絵は、ついスクリーンに見立ててしまい、映画好きの血が騒いで身体が持っていかれちゃうのよねぇ。タイトルをつけるなら、左隻が“永遠のあの世”で、右隻が現世の1日”か―。それにしても重文ゴロゴロの恐るべき企画展。京都、さまさまですな。恐れ入りました(ぺこり)。

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そんなこんなで、「サクっと京都」と言いながら、ダラダラ盛ってしまってスイマセン。いやいや、ここに書ききれないことばかりで、削る作業のほうがタイヘンでした(汗)。帰りの車中では、「生まれ変わったら、京都で学生した~い♪」「障壁画は絶対ナマ見物♩」「やっぱ行きたいと思ったら迷わずGO♫」の3指標を胸に刻んだわたしたち(笑)。それではおあとがよろしいようで―。

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 PS 次回は6/18にUPします

わたしがシビレるヒロインたち💀

映画の感想で「主人公に感情移入できなくて、つまんなかった」という内容のものがあるけど、あれ、わたしにはよくわかんないのよね。だってさー、無理でしょ?そもそもフィクションなんだし(笑)。

つまりみなさまは、リアリティの匙加減を問題にしてるんだろうね。荒唐無稽なものが見たい…かつ、じぶんの日常(リアリティ)を若干かすめながら~という、相反する体験をスクリーンに求めているのでしょう。わからなくもないです、はい。

わたしの場合は、やっぱりじぶんの経験則で測れない主人公が、銀幕を疾走して絵になることこそ映画の醍醐味!と思っていますね。だから、目が留まるのは自然とじぶんと反対性別の男性役がほとんど。それも、恋人願望を満たすべく「ス・テ・キ♡」と惚れるのではなく、じぶんが男になり切り、フィクション全開でその役柄を味わいたくなるってわけ。感情移入というより、ちょっとした着ぐるみ体感ですかね(笑)。

そんな女性主人公に無頓着なわたしが、つい最近「げーっ、カッコイ~イ!」と胸を高鳴らせたヒロインを発見★『午後8時の訪問者』('01)に登場する若き女医ジェニーです!

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ある夜、彼女は診療時間を過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに応じず、友人との飲み会へ向かう。この後、ベルを押した少女が、身元不明の遺体となって見つかるとはツユ知らずに…だ(汗)。ここから始まるジェニーの単独大捜査。ほとんど感情を表に出さず、救えたかもしれない命の周辺を、どこまでも粘り強く嗅ぎ分けて突き進むハードボイルドな彼女に、すっかり魅了されたのよ!特に目を惹いたのは、この映画が真相究明の形を取りながらも、ヒロインを単純な正義感へ集約させないところ。亡くなった少女の声なき声を丹念に手繰り寄せる姿勢と、患者の身体に耳を澄ます医師としての横顔とをシンクロさせ、ジェニーというヒロイン像を絶えず重層的に映し出しているんだよね。そう、見ず知らずの少女の死を想像しながら、世界を想像するジェニーの屹立したカッコよさに、心底シビレたってわけ。そこで今回は、「わたしがシビレるヒロインたち」と題し、お気に入りのヒロイン像を振り返ってみることにしました~♪

 

「やさぐれ少女」編

▶今さらですが…若い頃ってバカでイイですよね(爆)。中でも、ティーンエイジャー時の鬱屈した思いを、独りでどう消化するかにスポットを当てる映画は、年を取るほど“ご馳走”になる(笑)。すぐに思い浮かぶのはゴーストワールド('01)。ヒロインは、なーんの実績もないくせに、自ら蓄えたセンスに対する強烈な自負心だけを拠り所に、カッタるく若者やってるイヤなガキ。世の中にイチイチ「ケッ!」と毒づいてる様子が、とても他人事には見えなくて、冷や汗が出たな~(苦笑)。でも、自意識ばかりをギンギンに尖らせるこのクソ生意気な身振りこそ若者のすべて!あの頃、いかにやせ我慢して突っ張ったかの記憶は、やがて思わぬところで花開くものなのだ★

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▶お次の少女ヒロインはなんと吸血鬼!『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』('14)は、イランの架空の町を舞台にし、夜な夜な廃墟を徘徊して悪事を征伐する美少女ドラキュラが怪しい魅力を放って新鮮だった。孤独な彼女は、ペルシャ語を使い、ボーダーTシャツが似合う“オリーヴ少女”ビジュアルで、趣味は音楽(笑)。黒くて長ーいチャドルをドラキュラに見立てるアイデアもムードたっぷりで、もの哀しさにクラクラしちゃった。けっこうガッツリ血をしたたらせるけど、相当カッコいいわよ~(笑)。


『ザ・ヴァンパイア ~残酷な牙を持つ少女~』予告編

▶イギリス映画17歳の肖像('08)のヒロインは、お地味な暮らしと、父の期待通りの優等生でいることに退屈さを覚え始めるまともなティーンエイジャー(笑)。年上の男に恋をし、大人の世界の入口に立ってからの暴走っぷりも、一事が万事予定通りで可笑しい。―が、この映画の一番の魅力は、ヒロインの抑えきれない知性によって、もう一度世界をじぶんのものさしで捉えなおそうと覚醒するシーンなの!堅物だった担任の先生(素敵!)のフォローや、厳しい階級社会を立ち上らせるスケッチも的確で、小品ながらもズシッと手応えが残る作品に仕上がってます。

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「闘いモード」編

▶恋愛は“自我の崩壊”にこそ醍醐味があるわけですが、そこんところをいかに血をたぎらせて描くかの王者は、今も昔もおフランス映画でしょう~。どこまでも対等な真剣勝負で輝くヒロイン、まずは『ラブバトル』('13)。見ている間中、ずーっと「マジか?」と呆気にとられます(笑)。なんたって父の葬儀のために田舎へ帰省した若い女と、隣家の独り暮らしの中年男との壮絶な戯れだけで、映画が一本出来上がっているんだから♥ 言葉を介在させず、共に生傷を重ねて取っ組み合いのケンカSEX(!)を繰返すうち、分かち難い絆を成熟させるという離れ業作品。意味わかんないでしょ?(爆)嘘だと思ったら取り急ぎこちらの動画をのぞいて見て♪ あっぱれなヒロイン、受ける男も豪胆でっせぇ~。


『ラブバトル』予告編

▶もう1本はコスプレもの。19世紀フランスの社交界を舞台にしたバルザック原作のランジェ公爵夫人('06)。空虚な生活にドップリ浸かる高慢な貴族夫人と、ウブで優秀な軍人男との、ある意味頭でっかちで未熟な恋の駆け引きが展開されます。どこを切ってもザ・おフランス(笑)。ただし『ラブバトル』とは正反対に、こちらは油分を抜いてカラカラに乾燥させた“押し花”みたいな印象で意表を突かれます(笑)。ヒロインは押し花になるのにふさわしく痩せてギスギスした変形美人。この薄く伸びた影みたいな女の、猛者を煙に巻きながら徐々に血流をめぐらせる姿が、なかなか渋いんですよね~。同時代の絶世の美女、あのレカミエ夫人と比べたら、同じバッスルスタイルのドレスを召していてもヤっす~くて笑えるが、徒花としてのリアリティは◎なのだ!

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「ボーダレス」編

▶家族を守ることに全体重をかけ、危険な仕事に手を染めるヒロインもいる…フローズン・リバー('08)にはヤラレましたね!舞台はNY州最北端の殺風景な小さな町。縁もゆかりもない2人のかあちゃんが、困窮の果て、タッグを組んでカナダからアメリカ側へ不法移民者たちを密入国させる商売に乗り出すの(汗)。しかも闇の商売とはいえ、凍てついた川を車で渡るという危険極まりない方法で!男抜きの開拓史ドラマを見るようで、その骨太さにノックダウン。ヒロインの眉間の皺にシビレっぱなしだったなあ…。男女問わず必見の1本、ヒリヒリしていただきましょう~。

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▶フランスのマクロン新大統領と奥様は年の差25歳で話題を呼んだが、まだまだ甘い(笑)。60歳の年齢差カップルが登場する伝説の映画がハロルドとモード~少年は虹を渡る』('71)です!自殺マニアの孤独な少年ハロルドは19歳。一方お相手のモードは、ナチスの強制収容体験を持つ79歳。少年は、限りある生を全うしようと冒険の歩みを止めぬこの老女に恋することで、世界と親密な関係が結べるようになるの。ルース・ゴードン扮するモードは、分別くさくなるより前に、命を色っぽく使い切りことに徹する演技で目を見張るわよ。若者の恋心を自然に受け入れるシーンに一切の無理がなく、心底タマげました!映画はこんなにチャーミングなウソをサラっとつけて、「あったらいいな~♪」とまで想像させる魔法の装置★45年前の作品とは思えない瑞々しさがたまんないっス。

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▶最後は、見たばっかりホヤホヤの1本『タンジェリン('15)。全編3台のスマホだけで撮り切ったというこちらのヒロインは、ムショから出たばかりのトランスジェンダー。とあるX’マスイブの1日、彼女が痴話ゲンカの決着を付けるためにLAの町中をガンガン歩き回るだけのストーリーなんだけど、一見ガサツな騒動が意外な噛み応えを秘めていて、侮れませーん!お下劣極まりない与太話が、終わってみれば可憐な一輪の野バラに化けるいう、とんでもないイメージの飛躍体験さえできちゃうの。女もイロイロ、ヒロインもイロイロ。バリエーションが増えるだけ、自由に近づくのは間違いないね★


『タンジェリン』予告

 

▶ここでは、他であまり取り上げられない小さめの作品、かつ洋画のみにスポットを当てて選んでみましたが、振り返れば、わたしがシビレるヒロインたちは全員迷いがありませんでした(笑)。チマチマまどろっこしい女より、絶えず巻きが入ってる女たちを面白く思っているみたい(爆)。よかったらレンタルの参考にでもしてみてね♫

 

PS 次回は6/4にUPします

ポーチという名の宇宙★

いいですか~。今回はいつも以上にくだらなさ濃厚です(笑)。極めてどーでもいいネタです。しかし、女子のみなさま、または、女子を理解したいと考えているみなさま方には、血が沸騰するやもしれません。

例えば、女子たちの個々の“物語”を知りたい!としましょう。見知らぬ彼女が、日々何を大切にしているのか…そんな好奇心を持った場合です。はい、そんなとき、わたしが彼女に近づくためのヒントにする指標は、お洋服でも、美容でも、食べ歩きでも、愛読書でも、パートナー選びでもありません。ズバリ、愛用している「ポーチ(小袋)」です!ひとりひとりがお持ちの「ポーチ(小袋)」をチラ見したら、そこに現れる志向を手掛かりにして、精神性まで浮き彫りに~♪ …というのは、まったくもって大袈裟ですが(汗)、その場で「ポーチ」を酒の肴に、ひとしきりおしゃべり三昧、突っ込み三昧、大ウケ三昧できるのは間違いございません。誰もが参加できかつ、互いの素顔が開示し合えて楽しいひとときが創出できるってわけです♫ 

ではここで、我が友たちに取材した企画…題して「ポーチという名の宇宙」をとくとご鑑賞ください。きっと、じぶんのバッグの中身を点検したくなりますよ(笑)。

 

🔱ファッショニスタRの スタメン・ポーチ!

 いささか前フリが長かったでしょうか…(汗)。きっかけは、「女子ってやたらポーチが好きだよね~、いったい何にこだわってあんなに持ち歩いているんだろう?」というちっぽけな疑問を、マブダチRに尋ねたのがはじまりです。さーすが元編集者のR、速攻でビジュアルで返してくれたのがこの1枚!

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「スタメン・ポーチは、全て、マチなし、です。無意識だったけど、マチなしがほとんどでした^_^;。プラダのものは、使用感ハンパない状態だけど、捨てられません。黒いのは、アニヤハインドマーチのレザーもの。4年ぐらい、ずっと使ってます。化粧品入れてます」とレポート。なるほど、よく目にしていたけど、ピンクとブルーの色違いで持っていたのね。何よりサイズ感が伝わるよう、ハサミを登場させているのにウケましたあ~。なんだかこのハサミもおプラダ製に見えてくるよ(爆)。

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これが旅行の時のスタメン!シャンプー、ヘッドケアやスキンケアやメイクラインを入れる、マチあり。100均でゲット。内側撥水加工で、優秀アイテム。あえて色違いの3つ使ってます!ふむふむ、キャスキッドソンもどきの100均ね(笑)。キャスよりペラペラなコーティング素材だから、かえって軽くて使いやすそう。それにしても100均の企業努力には、いつも脱帽です。

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そしてここ1~2年、ハワイに魅せられてるRはハワイの土産品も活用中。左はスタメン用の控え選手。カワイイなあ~。右の巾着タイプは薬用だって。「袋と目薬のサイズがピッタリなところと、バッグのなかで、ごそごそ探してると、ヒモが手に引っかかりやすくて探しやすい^ ^。」らしい(笑)。わかるわ~、わたしも毎日のようにバッグに手を突っ込んで素材感や突起物で探り当ててるよ~。すぐに出てこないとイラついちゃったりして(爆)。

 

🐤子育てママYちゃんの スタメン・ポーチ!

さてお次は、5歳の女の子を持つYちゃんの場合。この日は、20年くらい前に買って愛用していたkakatooのバケツ型のバッグを、久しぶりに引っ張り出してやって来た!すごーく、今年っぽいじゃないの~。

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ここにバッグ・イン・バッグとして入っているのが次の2種。左のDisneyサブラ刺繍ポーチは3年くらい使用中。携帯、財布(Felisi)、小銭入れ、エコバッグ、ボールペンでひとまとめ。右のポーチは財布と同じFelisiノベルティで、こちらには最低限のメイクもの、ウェットティッシュ、普通のティッシュ、そしてなぜかポチ袋でひとまとめ。母の横顔が垣間見られます(笑)。バッグを変えても、この2種を適宜突っ込めば即出発できるという仕様らしいです。

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ポーチは、ざっくり言うと、「マチあり」派と「マチなし」派の2つに分かれると思うんだけど、Yちゃんは「子育てが始まって「マチなし」派に変わった」んだって。「子どもがまだ小さい頃の外出バッグは、ほとんど子どものものでいっぱいになって、じぶんのものは片隅に追いやられるの。だから最小限のものをコンパクトにまとめるためにマチなしばかりになったよ」

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そしてYちゃんの旅行時は、ぜーんぶ、ベトナム製の刺繍巾着袋に仕分けて持参!長年愛用していい風合いになってるね~。「ポーチの予算は、MAX5000円くらい。そして決め手の70%はデザイン性ね!気に入ったものを長く持ちたいから、何としても洗って使えるものを選ぶよ(笑)。専門コーナーでなく、雑貨屋や洋服屋で常日頃からチェックしてるなあ~。」とか。そうそう、毎日のように引っ張り出すものだから、洗えるかどうかは重要ポイントだよね!

 

手ざわり感重視派Hの スタメン・ポーチ!

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日頃からどんなものでも、触り心地に敏感なH。彼女のスタメン・ポーチは熱帯柄プリントのマチつきコットン製。シャリ感がある素材が、パリっとしてて気持ちイイ。サイズはもっともポピュラーなタイプで、これぞ化粧ポーチの王道ね★それと、Hは鍵入れも布ポーチ。モン族の刺繍入りミニポーチの内側にキーホルダーを取り付けて愛用してるの。「刺繍ものは丈夫だし、カバンの中に入れても他のものを傷付けなくて◎。ジャラジャラ音もしないしね。バッグの中をまさぐったら、刺繍の手ざわりで見つけられて便利よー」。やっぱり触感がキモになってるみたいね。ポーチ選びの目安は「予算は2500円まで。機能性50%、デザイン性30%、値段10%、耐久性10%で探す」。男っぽい目線の持ち主です。

 

🌸ピンク好きKの スタメン・ポーチ!

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「ピンクはマストアイテム!カーキは同じデザインの一回り小さいサイズ。どちらもB印 YOSHIDA。布ポーチが好き♥ゾウ柄のミニポーチは、ネットで購入して届いたばかりだよ~」。同級生Kはバッグ・イン・バッグ用のポーチをずーっと探していたんだけど、ようやくこれに落ち着いたみたい。重宝してるらしいよ。じぶんのベストサイズを探り当てたんだろうね。そして、ピンクとカーキーは彼女のお洋服選びのキーワードといっしょ!着るものとシンクロしてるんだね~。

 

👜小袋の帝王KKの スタメン・ポーチ!

 KKとはすでに35年以上の付き合いになるが…、正真正銘のオタクと呼べる唯一のともだちだ!彼女のフィールドは多岐に渡り、それこそかる~く10回以上は特集が組める稀有な逸材だが(汗)、まずはもっともベーシックなポーチ(KKはすべて“小袋”として分類してる!)で登場していただきました♫

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「好きじゃないものは持ちたくない!」…KKの基本姿勢はけしてブレません。ここ2年くらい、KKのスタメンになっているのがこの4つの組み合わせ。全部「マチなし」ですね。マリメッコはロゴ入りプリントにしか興味ない。ジッパーの房が気に入ったアニヤハインドマーチ。意外と使い勝手のいいヴィトンの モノグラム の小銭入れ。でも一番好きなのはこのQ-Potの手提げ袋!」…そしてどうしてもいっしょに写すべきだと、Dunkin' Donutsのマグネットを並べていたKK…。すでについていけない熱気で頭クラクラ(汗)。なに?Q-Potって…?しかもこれ、ムック本についていたいわゆるオマケ袋で、ストック用に同じ本をもう一冊買い置きしてるんだって!!!

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スタメンとは別にKK最近のお気に入りが、アーバンリサーチのアクセサリーブランドSMELLYの手提げ袋。ポーチタイプもゲット済み。ブランドキャラの白熊の刺繍がなかなかキュートだ。わたしも欲しい(笑)。…が、アクセサリーブランドのこんなニッチな商品までくまなくチェックしてるとは…恐るべしKK。そう、彼女は「企業もの」オタクなのだ!

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そんなわけで、CITROENのミニバックもロゴの魅力とサイズ感でお宝入り。車、飛行機、文房具、軍関連など、男子御用達の企業もの領域が彼女の十八番なのです。しかし、振り返れば、未使用の小袋が部屋に溢れかえり、「大事にしすぎてウチの中で失くす」こともしょっちゅうとか(爆)。で、肝心のポーチの中身だが、整理するために小分けしているはずなのに、手提げ袋にお金を直接突っ込んでいたり、ポーチにどーでもいいゴミが入っていたりして、まったく脈絡なし(爆)。いつもたくさんの小袋を持ち歩いているが、好きな小袋&ポーチを身に付けていることそれ自体が歓びのようで、とにかくユニーク★ 引続き笑わせてね~。

 

最後はちんぴらの スタメン・ポーチ!

オオトリながら…わたしが一番貧相で芸がないです(汗)。まず、ポーチを金を出して買うこと自体が、めったにない(爆)。基本、「もらいもの」「オマケ」「手作り」だ。荷物を極力軽く&薄くしたいんだよね。人生といっしょ、ペラペラこそブラボーなのよ! 最近のわたしのスタメン(スタメンというのも憚られる…汗)がこちら―

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この中で買ったものは、サイフと一目惚れしたモン族の刺繍入りの袋(メガネ入れにしてる)。どちらも10年以上愛用。うっすうす~。あとは全部もらいものだ(汗)。水玉のポーチ(化粧品入れ)と煙草入れはエコバッグのケース側を利用してて、フランス土産のゴブラン織りのミニポーチはデジカメ入れに。でもって、ピンクの富士山プリントは、宝くじ買うとついてくるオマケらしいが、バカバカしさ満開でめちゃウケた♫ あと、ポーチのファスナーに野暮っちい根付を付けるのがわたし流。これまた、探しやすさという実用面も兼ねてます。

というわけで、「ポーチという名の宇宙」満喫していただけたでしょうか…。この宇宙は奥が深いですよ~(笑)。その人が着ている服装の趣味より、ある意味饒舌&本音全開。むせかえるほど唯一無二のドラマが立ち上って見えますね。いつか男子バージョンをやりたいけど、ポーチの代わりになるのは何かなあ…。じっくり考えてみたいところです。

 

PS 次回は5/21にUP予定です。

 

勝手にシネマ評/『バンコクナイツ』('16)

ほーっ、山梨の次はタイですか?…

富田克也監督は、“雲の上”から、タイの首都バンコクへ舞い降りた。新作バンコクナイツ』で、自らドラマの鍵を握る元自衛隊員オザワ役を演じ、実に気持ちよさそうだ。

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…ってことは、おそらく本人の体内スイッチをONにさせる何か強い磁性みたいなものを、この地に発見したに違いない。監督、もはや日本のしがらみにお腹いっぱいですか?日本の女はもう要らない?(笑)いや、土地に妄想する方が何倍もテンションが上がってしまう作り手だから、河岸を変え、漂泊者になるのは自然の成り行きね!本作では、バンコクからイサーン(タイの東北地方)、そしてラオスへと、地霊の気配に全身をそばだてながらの移動撮影を敢行。3時間3分。作り手側からすると、これでも足りなかったかもしれない。だって監督が手繰り寄せたいのは、いつだって目に見えない不確かなものだから―。

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とはいえ、「目に見えない不確かなもの」を吟味してもらうには、「目に見える生臭いもの」で客を呼び込む必要がある。そこで映画が最初の舞台に選んだのは、バンコクにある日本人専門歓楽街“タニヤ”だ。へーっ、こんなにわかりやすいメイド・イン・ジャパンの楽園が存在し、毎夜盛況とは!知らなかった。これ以上呼び込みにふさわしい絵はないのでは?…ひな壇、電飾、美少女アイドル風ビジュアルのタニヤ嬢たちと、たどたどしい日本語の接待が、ある意味アナログな様式美として映し出される。

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行ったこともないのに「日本男子諸君の大好物だよな~」とリアルに感じるのは、そこに目新しいアイテムが一つもないからだ(苦笑)。慣れ親しんだ空気に漂いながら、思考を停止して楽しめる一晩だけのアバンチュール。お気軽かつお安く、ストレスなしに“ごっこ”ができる場所を、今も昔も日本男子は楽園と呼ぶのだろう。もちろん背後には、楽園そのものを金のなる木に見立て、一儲けを企む有象無象たちがどっさり集結。つまりは、旦那と太鼓持ちの役割分担で、楽園という名の市場も成立しているわけだ。

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そんな夜の街の人気NO.1タニヤ嬢がヒロインのラックである。イサーンの貧しい田舎町から、身体ひとつを資本に出稼ぎに出て5年経つラックは、絶えずブーたれている。サービス外の要求をねだる男たちを、「メンドくさい」「キモチわるい」「クサい」と、一昔前の女子高生のようなノリでののしる。彼女を苛立たせるのは客だけじゃない。薬物中毒の母から携帯に入る金の無心にも気が滅入り、日本人のヒモ男・ビンに当たり散らす毎日。どいつもこいつも、私にねだり放題、もういい加減にしてよ!…これがラックの本音だろう。

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限界寸前のラックは、ある夜、まだウブだった頃に愛しあったオザワと偶然再会する。今のオザワは、日本を捨ててネットゲームと使い走りで日々をしのぐ沈没組。いわば名うての“花魁”に昇格しているラックとは、身分違いの間柄になっているのだが、この再会を機に、彼女は人生の潮目を変えようと動き出す。NO.1タニヤ嬢を封印し、ラオスへ向かうオザワに同行。出たとこ勝負の2人旅が始まる―。

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電飾から自然光へ―バンコクを出た2人は、ラックの故郷・国境の町ノンカーイへ到着する。かつての恋人同士が元カノの故郷を訪れ、純朴な大家族から、心づくしの歓待を受け、田舎の緩やかな時間に心身ともに寛ぐ…絵柄としてはそんな風に見えなくもない。アダージョ風アレンジで原点回帰パートですかね?

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いやいや、そう簡単に片目をつぶれないのが、空族と富田監督の流儀だろう。2人を通じて田舎暮らし礼賛をするつもりもなければ、社会学者気取りで、都市との比較を論じるために遠出させたわけでもない。男は金になる不動産商売のネタ探し、女は大切な家族をどう守るか、それぞれの現実問題ありきで移動させたに過ぎない。いうなれば、田舎は借景。場所を変えようが、言葉使いを改めようが、どこまでもじぶん本位な2人を、平行線のまま放り出す。青臭いほど、ロマンチック要素ゼロ(笑)。でもむしろ、そこにこの長旅の新味はある。

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地霊の気配に導かれるようにひとり国境を越え、ラオスに足を延ばすオザワ。家族へ注ぐ愛情がことごとく皮肉を招いてしまうラック。やがて男は蛮行の歴史を我が事として顧み、女は凌辱された歴史を我が事として偲ぶ。目に見えないものに導かれるまま、宙吊りで世界を見渡すこの滔々と流れる時間が、とてもいいのだ。特に魅かれたのは光の捉え方。都会の闇にねっとり輝く人工の光と、赤と青の粒子が激しくせめぎ合う田舎の太陽光の2つを、これまた追い駆けあう男女のように妖艶に差し挟み、我々を映画の時間に溶け入らせるのだ。

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バンコクナイツ』は、オザワとラックを隠喩として、歴史の因果を想像する刺激に満ちている。その仮説のすべてが上手くハマったとは言えないが、作り手側の身体で、過去から今につながる世界を分光し、可視できないものまでも拾い上げようとの姿勢は、さらに剛毅なものになってきた。ラストで、色彩を絞り込み、月光の下で綴られる青一色の救出劇はその最もなものだろう。合意形成に至る道のりは長く険しいが、空族なら自ら透明になって、世界のどこへでも舞い降りられる…もはや彼らは撮り続けるしかない。

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映像制作集団「空族(くぞく)」富田克也くん(左)とトラちゃんこと相澤虎之助くん。彼らとは、2008年に見た自主映画『国道20号線』に衝撃を受け、こりゃあほっておけない!とHP経由で連絡を取り、じぶんの書いた映画評を送りつけたりして(汗)、交流を深めた縁がある。何度かお会いしたこともあるが、宝物は単独で探す!派のわたしと違い、チームを組んで世界を再定義しようとしている彼らの行動がやけに新鮮に思えた。それに、制作だけでなく、上映や配給に関してもじぶんたちの流儀を貫き、映画というフィールドを耕しながら勝負していて、とにかくイキがいい!映画市場は邦画が好調らしいけど、アニメや怪獣や純愛だけじゃ、わたしはあくびが出ちゃう。一方、時代におもねることなく、じぶんたちが抱える違和感の正体を暴こうと、わざわざめんどっこいものを探り続ける空族―。こんな映画作りをしてる奴らがいるってことに、ぜひ注目してみてほしい。


【映画 予告編】 バンコクナイツ(本予告)

 4/29(土)~5/19(金)まで名古屋シネマテークにて公開

(5/5(祝)18:30の回 富田監督とトラちゃんの舞台挨拶あり!)

 

バンコクナイツ

 2016年/ 日本・フランス・タイ・ラオス合作/カラー/182分
監督/脚本  富田克也
撮影      向山正洋 古麿卓麿
脚本     相澤虎之助
キャスト  スベンジャ・ポンコン 伊藤仁 

 

PS 次号はGW最終日の5/7にUPします!