鶴舞公園―年末年始 総集編🐓
みなさま、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。お正月からすでに20日も過ぎ、今さらですがいちおうご挨拶。わたしなんて、つい先日、ようやく重い腰をあげて大掃除をしましたよ(苦笑)。いいの、いいの、だって年末年始の“ハレ気分”は、私の別邸=鶴舞公園で、十二分に堪能させていただきましたから♫
知ってた?公園正門前のヒマラヤ杉が巨大ツリーに!
ある朝、突然デコられててびーっくり★もしかしてクレーン出してデコってる?てっぺん、かなり高いよねぇ?やるなー、鶴舞公園!1本だけツリーしてるのも◎。わたし、基本的にイルミネーションは野暮だと思ってるからさー(笑)、このくらいがちょうどいい。
でもってクリスマスが終わったらすぐに模様替え!公園作業員の皆さま方が、朝からせっせとお正月仕様に―。なるほど、鶴が舞う=鶴舞になるわけか!和のモチーフがこんな風に輝くのは悪くなかったなぁ。あくまでも控えめなのがいいかんじ★
それと12月の後半から1月頭にかけて、公園内はさながら山茶花祭りしてた!
最初、椿?って思って見てたら、花の開き方や花びらの形が若干違うような気がして、ネット検索して山茶花だと判明したってわけ。そういえば、11月の終わり頃だったか、垣根状態になってる山茶花の葉を、作業員の方がチェーンソーでバリバリ切り落として刈り上げていたことがあったのね。ド派手な伐採だなあ…と訝しく眺めていたんだけど、その1か月後にはポツポツ花が咲き始め…可愛いったりゃありゃしない!
草木はちょっといじめて強くしてやらなきゃダメって話を聞いたことがあるけど、なるほどこういうことなのか、と思いましたね。まっ、彼らは我々のためだけに咲いてるわけではないだろうけど(汗)。ドレスのような垣根、いやこれも逆か―。自然からインスパイヤーされた人間が、装飾に2次活用させてもらってるという話ね。
それにしても、紅葉が終わり、周囲に彩りがなくなった頃に開花期を迎えるから、ひと際鮮やかに見えるなあ。思わず、さざんか さざんか さいたみち~♪たき火だ たき火だ おちばたき~♫ と鼻歌を歌ってみましたぁ(笑)。でも花が基部に合着していないので、簡単にバッラバラに散ってしまう…なかなか酷い運命を背負った花でもあるみたい。そう、たき火も今じゃ街中ではご法度。たき火にあたってダラダラ過ごすの、わたし大好きだったんだけどなあ…。
…と、我が別邸でひとしきり“冬のハレ”をあじわったところで、次は本宅で満喫したハレをご紹介しましょう!
本宅でのハレとはすなわち、年末年始の来訪者が持参してくださった土産品です★この時期、東京からの帰省の際に立ち寄ってくれる人が多いので、ハレ度がさらにUP。しかもわが友だち群は全員食いしん坊!美味しくかつ新しいものをこぞって届けてくれるのです。資生堂パーラーのクッキーでしょう、大好物の花のれんの銀座餅はなんと箱ごと直送(笑)。とらやのお年賀ミニ羊羹セットに、おしゃれ番長たちが買い占めると評判のNYキャラメルサンドまでいただいちゃって、こーんなにババアになったのに、お年玉をもらう小学生みたいにウキウキ♥
甘いものだけじゃございません。築地ちとせの天ぷらせんべいという一品は、お菓子の枠を軽々と超え、かき揚げを食べてるとしか思えない美味でびっくり。あと、三重 川越町のおかきや マヨネーズあられにも、腰を抜かした!こんなに上品なマヨ味お菓子があるなんて…。さらに、年末にマブダチAくんから届いた贅沢ちりめん山椒セットを炊き立て新米しろめしにのせて頂く幸せ…あ~日本人に生まれてよかったですぅ。
そうそう、手作りの贈答品もいただきました!野菜が高騰する年末に、岐阜にお住いの先輩から届いた土付きのお野菜でしょ、そしてこちらは旧友Mの手作り門松~♫ 正月には梅の花が咲いて、可愛かったなあ。
この他にも、物珍しいものがたくさん寄せられて、イチイチ感動(涙)。何より、いただいたものを、訪ねてくれた友人たちとおしゃべりしながら一緒に食べたり、お裾分けしたりする交換の時間が宝物ですぅ。
ちなみに2016年の大晦日 12月31日の「1日1神様」は寺田寅彦で締めくくりました!「ばかを一ぺん通ってきた利口」というものに、わたしもなってみたい―。
PS 次回は1/31にUP予定。2016年映画年間ベスト10を発表します。乞うご期待!
勝手にシネマ評/『ヒッチコック/トリュフォー』('15)
あけましておめでとうございます。…と、書きながら正月早々、年末に見た映画の感想をお届けします(汗)。しかもヒッチコック!いったいオマエの時間感覚はどうなってんだ?と突っ込みが入りそうですが、しばしお付き合いを。今年もよろしくお願いします(ぺこり)。
年の瀬に、まさかこ~んなにとっておきの贈り物が届くとは!
映画に魅せられた人々が通過儀礼のように読みふけり、愛してやまない本がある―『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』(写真参)だ。1962年、新進気鋭のフランス人映画監督フランソワ・トリュフォーが、30歳以上も年の離れたサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックに熱烈なラブコールを送り、50時間に及ぶインタビューを実現させ、4年後、映画史に残る伝説の一冊を世に送り出した。そして、“あなたが世界中で最も偉大な監督であると、誰もが認めることになるでしょう―”と、トリュフォーが宣言した通り、完成したインタビュー本は各国で翻訳され、ヒッチコックを唯一無二の映画作家であり、真の芸術家だと世界中に知らしめすこととなったのだ。
はい、もちろんわたしの本棚にもデーンと鎮座している。1988年頃かな…上前津の古本屋で購入して以来、何度紐といたかわからない。デカくて場所をとるのに(汗)、未だに手放す気にはなれませんね。シネフィル(映画狂)でなくても、ヒッチコック作品を未見の人でも、誰が読んでも文句なく楽しめる1冊である。そんな至宝が、出版されて50年経た今、なんとドキュメンタリー作品に衣替えし、再び我々の元に届けられることに―。実際の動画記録は残っていないものの、貴重なインタビュー音源や対話時の写真が公開される一方で、名だたる現役映画監督10人が登場し、本から受けた影響や、作り手側からのヒッチコック礼賛が事細かに語られるという贅沢な構成である。監督はケント・ジョーンズ。まったく君はエライよ!
さてここからは映画の具体的な感想を記しておこう―。まず本では、対談と写真で構成された一作品ごとの解説(制作秘話)が、映画では実際の映像を見ながら目と耳で確認できるわけで、インパクトはやはりデカかった。当時の本としては写真資料が画期的に多く、それゆえ映画の教科書として重宝されただろうが、そりゃあホンモノの動くシーンを例題で用いた方が手っ取り早いにきまってる。ただし、本の忠実な映像化だけでは、すぐに見飽きてしまっただろう。受け手の想像力が喚起されないまま流されてゆくだけの、単なる映画鑑賞ガイドでお役目終了だから。つまり本は、動くメディアを静止させ、映画作品を原初の姿(連続撮影)で並べたからこそ、ヒッチコックの大胆な手法が明らかになった―と、映画化によって逆に教えられる結果となったのだ。
また一方で、本の構成を新たに組み替えて、映画向きのUPテンポのリズムに編曲してお披露目している演出が、実に楽しい!本には出てこない2人の個人史を組み入れたり、本の一節にマーカーを引っぱったり、撮影現場の様子や販促写真の活用など、めくるめく多彩なコラージュで敷居を下げ、専門性より好奇心に薪をくべて進行する。観客心理に絶えず目配せしたヒッチコックを紹介するにふさわしい仕立てだ。意外な作品がバッサリ割愛されていたりもするが(汗)、それもまた一興。むしろどんなにランダムにつなぎ直しても、一つずつのパーツの磁力が強くて求心力はまったく揺るがない。何を見てもちょっと怖いくらい、ヒッチコック・タッチが漂い出てくるのには心底驚いた。それでも監督冥利に尽きただろうなあ…。師の本で学んだテクを、師の胸を借りて駆使できたのだから―。それに、インタビューに応じた現役監督の豪華な顔ぶれから察するに、これほどの人選が可能で、映画史に踏み込める仕事が許されるのだから、きっと映画からも愛されている人に違いない。トリュフォーは映画を1本撮る構えで準備し、インタビューに臨んだというが、そんな50年前のパッションが今こうしてK・ジョーンズ監督に継承され、再燃している事実に胸を打つのである。
でもって、現役監督たちが夢中になってイイ話をするの!映画の中に、本の形式を入れ子細工的に挿入させているのだが、誰もみな映画少年魂を全開にするとともに、 “映画とは何だ?”という命題と向き合う同業者ならでは思考が垣間見られて、目が離せなかった。私が一番ハッとしたのは、黒沢清のコメント―作家性でいうと極端にはじっこにいる人―だ。“映画は観客のもの”が大前提で、観客にいかにウケるかを目的に映画技術をフル活用した作家が、誰よりも異端なクリエイターだという一見矛盾するような話…、でも確かにそれこそが、ヒッチコックなのだと共感したのだ。
ここで私個人のエピソードも書き加えておこう。私がティーンエイジャーだった70年代後半は、映画はテレビで見るものだった。映画と言っても、オリジナル作品からは程遠い、ザクザクに短縮された吹替版だ。ヒッチコック作品も、かつてヒットした映画がお茶の間に流れる形で頻繁に目にしていた。その後、本格的に映画に興味を持ち始め、80年にイギリス時代の秀作2本立て―『バルカン超特急』(38)と『逃走迷路』(42)を、ようやく劇場で目撃したときは興奮したなあ…。娯楽映画だし…などと悠長に構えていられるスキ間は1ミリもなく、映画そのものが迷路と化し、身体ごと映画内に引っ張りこまれる感覚を味わったものだ。しかも亡き父とふたりで見た最初で最後の映画なのよね―。やがて『映画術』との出会いである。タイミングよく、レンタルビデオ店の大盛況時代だったから、入手できるソフトを片っ端から借り、読んでは見て&見ては読んでを繰り返したっけ(笑)。特に『めまい』(58)に関しては、いつもの素早い展開が姿を潜め、なぜこれがミステリアスなのか、いまいちピンとこなくて、本を読んでようやく男性心理とファム・ファタールを結びつける映像マジックが理解できた記憶がある。本作でも厚みを持たせて追跡しているが、ジェームズ・スチュアート演じる主人公の落胆と歓喜が交差する表情を、スクリーンいっぱいで再見するのはかなりの特典!男性客は文句なく感情移入してしまうだろう(笑)。
そして最後に、本も映画も触れていない注目ポイントを追記しておこう。ヒッチコック映画が今も艶っぽく輝いている理由は、ヒロインのビジュアル設計にある。特に忘れちゃならないのが衣装だ。先の『めまい』をはじめ、『汚名』『裏窓』『泥棒成金』『北北西に進路を取れ』『鳥』etc…ヒッチコックがハリウッドへ渡ってから手掛けた多くの傑作で、あの“ドレス・ドクター”イディス・ヘッドが衣装を担当しているのだ。彼女は、ヒッチコックが理想とする女性のイメージ“昼間は上流階級の洗練された淑女でありながら、寝室に入ったとたんに娼婦に変貌する女”を、カンペキに具現化!衣装によって、セリフ以上に雄弁にヒロインを物語り、映画のマジックを補強する役割を見事にこなしていたのだ。
そんなイディス女史の仕事ぶりに感嘆したわたしは、かつてイラストと文章で備忘録にまとめた経験がある(汗)。20数年前に作ったそのファイルは、いま見返すとかなりこっ恥ずかしい代物だが、目の付け所だけは今もさして変わらず(進化していない証拠でもあるがー)…。そう、ヒッチコックの映画作りの極意は、わたしのような一映画愛好家の視座にも多大な影響を与えた。さらに言えば、本作を眺めながら、脈々とつながる映画史の末端に、じぶんも机を置いて在籍しているような、そんな幸福感に包まれたのだった。
あー、しんぼうたまらん(汗)。レンタル屋に足を向けなくなってずいぶん経つが、DVDでいいから、あのとんでもなく優美なハッタリ世界の数々を、今すぐ見直したい!
1/13(金)まで伏見ミリオン座で公開中
2015年/仏・米/カラー/80分
監督/脚本 ケント・ジョーンズ
ナレーション マチュー・アマルリック
音楽 ジェレマイア・ボーンフィールド
キャスト マーティン・スコセッシ
デビッド・フィンチャー
黒沢 清
PS 次回は1/23にUPします
2016年「1日1枚シリーズ★」発表!
2016年の制作テーマは…「1日1神様」!
7/1号の我がブログでご紹介した「1日1枚シリーズ★」。2016年も1月1日から毎日せっせと1テーマを追い駆け続けているわよ(汗)。さて今年のテーマは「1日1神様」。
その日に没した世界の著名人を調べ⇒ピックアップし⇒Webで画像とその人の名言を探し出し⇒絵にまとめるという作業工程をこなしてます。これがまったく似ていなかったりしてタイヘン(汗)。でも亡くなった人はみんな神様(笑)。だから発言もより深い処まで届く。まずはご覧いただきましょう~。1つくらいお気に入りが見つかるかもね♫
▶1/6 ルイ・ブライユ/点字開発者(仏)▶1/7 岡本太郎/画家(日)▶1/24 チャーチル/政治家(英)▶1/25 三木のり平/俳優(日)▶1/28 どんと/ミュージシャン(日)▶1/29 藤田嗣治/画家(日)▶1/26 アンナ・パヴロヴナ/バレリーナ(露)▶1/27 A・ザ・ジャイアンツ/プロレスラー(仏)
▶実業家対決!2/7 岩崎弥太郎 VS 2/8江副浩正 一筋縄でいかない輩たち(笑)
▶3/26 ベートーヴェン/作曲家(独)▶3/27 植木等/俳優・コメディアン(日)▶3/30 中川幸夫/華道家(日)▶3/31 六代目中村歌右衛門/歌舞伎役者(日)たまたま並んだとは思えない組合せ
▶職人対決!4/5 升田幸三/将棋棋士 VS 4/6 長谷川一夫 俳優 かーっこいい~
▶4/11 吉本順三/建築家(日)▶4/12 宮口精二/俳優(日)▶4/15 リンカーン/政治家(米)▶4/16 ゴヤ/画家(スペイン)▶4/17 フランクリン/政治家(米)▶4/18 アインシュタイン/理論物理学者(独)▶4/29 ヒッチコック/映画監督(米)▶4/30 永井荷風/小説家(日)
▶神がかり対決!5/5 ナポレオン/軍人(仏) VS 5/6 宜保愛子 霊能者(日)宿命に生きた2人
▶5/17 猪熊弦一郎/画家(日)▶5/18 マーラー/作曲家(オーストリア)▶5/25 R・キャパ/写真家(ハンガリー)▶5/26 ハイデッガー/哲学者(独)▶5/29 デニス・ホッパー/俳優(米)▶5/30 ヴォルテール/哲学者(仏)▶5/31 L・ブルジョア/彫刻家(仏)▶6/1 大野一雄/舞踏家(日)
▶大スター対決!6/24 美空ひばり/歌手(日)VS 6/25 M・ジャクソン/エンターティナー(米)
▶6/28 林芙美子/小説家(日)▶6/29 エドワード・ヤン/映画監督(台湾)▶7/18 大河内傳次郎/映画俳優(日)▶7/19 梅崎春生/小説家(日)ヤンの訃報には心底凹んだ(涙)
▶紫煙対決!7/28 山田風太郎/小説家(日)VS 7/29 R・ブニュエル/映画監督(スペイン)
▶9/19 正岡子規/俳人(日)▶10/11 岡本一平/漫画家(日)▶10/19 カミーユ・クローデル/彫刻家(仏)▶10/27 今和次郎/民俗学研究者(日)▶10/28 洲之内徹/画商(日)▶レヴィ・ストロース/社会人類学者(ベルギー)天才ゴロゴロ!
▶父の命日賞 10/1 古今亭志ん朝/落語家の名跡三代目(日)ご贔屓噺家といっしょとは!
▶わたしもこんなこと言いたい賞 10/31 幸田文/小説家(日)上等お転婆発言に共感
▶11/17 辻喜一/料理人(日)▶11/24 F・マーキュリー/ミュージシャン(英)▶11/30 呉清源/囲碁棋士(中)▶12/1 益田喜頓/俳優(日)▶12/2 植草甚一/編集者(日)▶12/7 小松崎茂/イラストレーター(日)シブイオヤジたちが続く(笑)
▶クール&ユーモア作家賞 12/13 獅子文六/小説家(日)再評価するべき一人
手持ちの無線綴じ無地ノート2冊に描いて正解だった!描きにくかったけど、終わったら本の形でモノとして残るのは、今回のテーマにふさわしい気がするから。
最初は全く知らない人をあえて選ぼうと思ったりしたが、やはり多少なりとも思い入れがないと、人物画は描いてて楽しくないのよね(苦笑)。だから、映画関係者、画家、小説家が多くなったなあ。あと、人選に悩みまくる日も何日かあった。特に4/30、12/10はもう2~3人描きたいほどだったっけ…。使用した没年データベースはこちら。眺めているだけでも面白いよ。
兎にも角にも、今年もあとわずか。毎日所要時間15分の作業行程はカウントダウンだ。最後は誰で終わるのやら…。あー、大晦日が楽しみ楽しみ♪ そして年明けから新たな「1日1枚」始めまーす★(まだ検討中!)
ブログも年内はこれにておしまい。年明けは、1/10から再開です。ではよいお年を!
なぜか魅かれるもの―⑦
ねぇー、ねぇー、土人形って知ってる?
表面と裏面の型に粘土を押しつけて(写真参)⇒貼り合わせ⇒それを素焼きにして⇒彩色を施した、素朴な味わいが特徴の置物人形のこと。江戸の中期から昭和30年代頃まで日本各地で作られ、とってもポピュラーなものだったんだよね。
今から20年以上前に、名古屋市博物館が企画した『愛知の土人形』という展示で偶然見かけたのが興味のはじまり。そもそも愛知県は、良質の粘土に恵まれた焼き物の生産地だから、全国でも土人形が盛んな県として評判だったらしいのよ。市街地の再開発時に発掘された近世の遺跡からは、様々なタイプの土人形が出土される機会も多いと聞くから、きっと庶民の暮らしにかなり密接した大ヒット玩具だったんだろうね。
―というわけで、今回は愛知県陶磁美術館で見た『くらしをうつす~郷土の土人形展~』レポートをお贈りしま~す♪
▶雛人形シリーズ
・まず、なぜ土を使って人形なのか…ここが肝心なところ!要は、雛祭り行事が特権階級から市井の人々へと広まり、それとともに高価な雛人形の代用品として、土と型によって安価かつ大量生産できる置物タイプのやきもの人形が普及したってわけ。
・想像するに、“なーんちゃって”でもいいから、我々庶民だって子供の成長を祝ってささやかに盛り上がりたい!という欲望の現れなんじゃないかな。そして、“なーんちゃって”で始めたことも、けしてそれだけに終わらず、工夫を重ねて差別化を図るところが我が国らしさ(笑)。ほら見て!焼き物とはいえ、ある意味ホンモノを凌駕するポップカルチャーセンスでしょ。色数の多さだけでも圧倒されるよね。
▶鯉抱き金時シリーズ
・もちろん男の子向け玩具だって負けちゃいない!いやむしろ、男の子向けの人形の方がバリエーションも多くて、優遇されている気がした(苦笑)。やっぱ長男待望神話が漂って見えたなあ~。こちらは「鯉抱き金時」と題した初節句もの。プクプクした二の腕と、活きのいいポージングがめちゃカワイイ★
・「俵童子」の奥で、力士になり切ってる童子人形は、荒川良々にそっくり(笑)。
▶ヒーロー・ヒロインシリーズ
・子供向け玩具からスタートした土人形の世界観が、イッキに大きく開花したのが、物語の主人公をモチーフにしたバージョンだ。そう、今で言う戦隊ヒーローですよ。それこそ陶製の人形は世界中で作られただろうし、今も作られているだろうけど、こんな風にアクションシーンを再現した人形が他にあるかしら…。こちらのモデルは加藤清正。浮世絵でも頻繁に取り上げられた人気キャラを、動きと共に形にしてるところがとてもユニーク。
・特に愛知県三河は、歌舞伎狂言モチーフの人形が好まれ、たくさん作られたとか。人気芝居の一場面が劇画チックに再現されている様子は、現代のアニメとフィギュアの関係性とまったく一緒。時代は移り変わっても、人々が求めるテーマ性自体は案外変わらないものなんだよね。
・それにしても、女子の華やかさの代表格が、花魁とお姫様の両極端な2パターンしかないってどうなの?(爆)。それ以外では、子守り姿や御高祖頭巾姿なんかがあったけど、めちゃ地味。一体これを家のどこに飾って喜んでいたんだろう???不思議(笑)
・こちらはマツコDX花魁人形とでも呼びたい一品。こんな風に人形になって大衆の生活に入り込んでいたのだから、わたしが想像する以上に花魁はトップアイドルだったんだろうなあ。
▶これまたシンボル
・今回一番驚いたのが明治天皇をモデルにした土人形だ。いっしょに行った友人と、「庶民の玩具にしちゃっていいの?」と、思わず立ち止まった(笑)。帰宅後ネットで調べてみたら、日本が日清戦争に勝っていた頃に作られ、一時は庶民も広く親しんだものだったらしい。ただし天皇制軍国主義が強まると、天皇は神聖なものとして作られなくなったというから、これは貴重なお姿だ。人形としてもちょっと素敵だったわよ。
▶塗り込み少なめ赤坂人形
・今回の展示では、日本各地の土人形もたっぷり紹介されていて、地域によって人気モチーフや製造方法が異なる様子も一望できた。わたしが目を付けたのは福岡県の赤坂人形。フォルムも色付けもざっくりしていてその粗さが魅力的に映ったなあ。
▶表情がいのち
・土人形の基本用途は招福と厄除け。今もその残り香は十二支の置物として親しまれてはいるが、かつてのような生活に密着した形で買い求められることはなくなり、人形師たちは廃絶していった。
・個人の趣向が先に立つ今のキャラクターグッズとは異なり、土人形は一家を護るための「祈り」の要素が強い。つまり、それだけ我々の家に対する考え方が、急速に変わったってことなんだろうな。
▶最後は爆笑で幕を閉じ…
・さてそんなこんなで、友人ともども大いに楽しんだ企画展。写真撮り放題&人影まばらな会場は、温泉街の射的場のようで、心ゆくまで浸ったわあ~。
・そういえば、各地の人形展示コーナーには、明らかに土人形でないものも混じっていて(汗)、思わず「おいおい、これは入れちゃマズイだろう~」などと突っ込みまくりましたね(笑)。こちらの福助が二段重ねになってる一品は、扇子に“ロート”と書いてあり、「ロート製薬がオマケに作った企業ものだよー!」なーんて茶化していた私。ところが同級生のMが一言クールに、「それ、ロートではなく叶でしょ」と諫めてくれて…。はー、あまりのバカバカしさに大笑いした次第です。
・「ロート」と見えなくもない…でしょ?(爆)
PS 次回は12/23にUPします
鶴舞公園―紅葉編
1月から通勤で鶴舞公園を通り抜けるようになり、我がブログでは、冬⇒春⇒夏と園内の季節の移り変わりを4回に渡ってレポート。せっかくなんで、紅葉編で締め括ろう♫と気負っていたら…秋の野郎、ちっとも来やしない(汗)。今年は10月に入ってもいつまでもダラダラ暑く、このまま秋をスッとばしていきなり冬に突入か?と諦めかけていたところ…なーんと2週間ほど前から、ついに紅葉シーズン到来!ひと雨降るたびにメラメラと木々が色づいちゃって、連日テンション上がりっぱなしですわ(笑)。週末に郊外でまとめて眺める“非日常”の紅葉とは違い、毎日“定点観測”して親しむ紅葉は、自然の摂理をよりダイレクトに浴びる気がして、何だか恐れさえ覚えるよ。本当は園内にお抱えペインターがいて、夜中にせっせと仕込んでんじゃないの~?(笑)
地下鉄通路のなが~い階段をあがったら目の前がこれですから♪
あたりをゆっくり見回すと、さらにこんなかんじ―。
胡蝶ヶ池の蓮はすっかり刈り取られ、いまは紅葉を映す鏡に―。木々の根元は七味唐辛子をぶっちゃけた状態の点描画だ。激辛好きのKが喜びそう(笑)。
やっぱ鴨からすると、障害物が取り除かれた池は泳ぎやすいものなのか?…
中の島周辺をひとり散歩するオジサマ。気持ち良さそう~。都会のど真ん中に位置する公園だからか、ここは単独散歩派がほとんど。でも体感としては独り気分じゃないんだよね。多種多様な鳥のさえずりが四方八方から耳に飛び込んできて、むしろ大きな群れの中に放り出され、気ままに漂っている感触なのよ。
そして緑葉と紅葉のバランスが美しさを決める!赤が近くに見え、緑は奥に引っ込んで見えるという「色彩の遠近法」の規則性が、生の教材で学習できるわけ★色のグラデーションが景色にリズムを与え、受け手の高揚を誘う一助になってんだろうね。
しかーし、落葉もこれまた滋味深し。こちら、掃きためられた枯葉の小山が点在する様子にドキッとしたなあ~。公園作業員の方々による清掃の断片なんだろうが、見てよ、無意識にリチャード・ロングになっているよ~!わぉ~!
しばし枯葉の行く末を見守っていたら⇒ブルーシートを塵取り代わりに使い⇒横付けした清掃車に放り込んでいました。なるほどね~。伐採した枝はリヤカーで運搬。トヨタ自動車並みの仕組み化ですか?(笑)毎日ご苦労様です(ぺこり)。
さて個人的には、落葉が敷き詰められた公園北東の薄暗いこの一角に最も引き寄せられてます★ ツイツイ菱田春草の屏風絵を思い浮かべずにはいられない…。
私のイメージする秋の気配を、最も繊細に表出している絵がある。菱田春草の『落葉』(1909 紙本着色 曲一双)だ。2003年に愛知県美術館で現物を目撃して以来、現実の秋以上に「ここに秋がある!」と思い込んでしまっている私(笑)。陰影も薄く、ザ・平面みたいな描き方なのに、木立の奥の奥までひんやりした秋の空気が立ち込めてて、思わず襟元を閉じたくなるほど。うーん、この静寂がタマラン。
なんとタイムリーなことに、永青文庫所有のこの重要文化財が、年明けに名古屋市美術館で公開だって。春草の『黒き猫』(こちらも重文)も見られるこの機会を、ぜひ逃さないで!2017年1月14日[土]-2月26日[日]
そしてラストは恒例のカラスショットでキマリ。キミたちは鶴舞の王様です★
いやあ~、忘れていたわ。普選記念壇に集まるこの方たちが鶴舞の王様でしたあ~。この日はいつもの将棋・囲碁軍団は到着されておらず、朝っぱらからお集まりは麻雀軍団。野外雀鬼と紅葉の取り合わせが何とも乙ではないか!それにしてもこの雀卓、どこから持ち込んだの?(爆)オヤジたち、やるなあ~♪
さて番外編。東京に住む友人Yから、日本三景の一つ、松島を旅した写真が送られてきたよ。紅葉は盛りを越えたところだったらしいが、ほんの一瞬の青空から覗く松島が美しい~。こちらは“非日常”のゴージャス紅葉だ。でも旅の一番の目的は…石巻でのレアPokémonゲットだって(笑)。
一方、ゴージャス旅行のできない私は、拾った落葉をせっせと押し花にしてジーザスの後光に★クリスマス用にデコってみた。今年も残り1ヵ月、ヤバイ!
PS 次回のブログは12/10にUPします
勝手にシネマ評/『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』('16)
本作は、ビルボード5週連続1位を記録し、1979年を駆け抜けたあの大ヒット曲、ザ・ナックの『マイ・シャローナ』で幕を開けるが、お笑い番組「アメトーーク!」とは何の関係もない。しかしこの映画を「アメトーーク!」以上に笑えるとしたら、あなたは間違いなく50歳以上の男子だろう(笑)。いや、もしかしたら、笑いながら鼻の奥をツーンとさせてしまうかもしれない…。いずれにせよ、“定年からの逆算”なーんていうチマチマしたことを考えているヒマがあったら、今すぐ劇場へ。さあ、愛すべきバカ野郎どもがとぐろを巻く世界へLet’s GO!だ。
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』(なっが!)は、1960年生まれの監督、リチャード・リンクレイターの自伝めいたドラマになっているという。いちおうそういう触れ込みだが、そんな背景などどうだっていい。極めて単純なお話だ(苦笑)。冒頭、カー・ステレオから流れるマイ・シャローナをBGMに、錦織 圭似(!)の主人公ジェイクが愛車に乗って登場する。もちろん彼の視線は車窓越しに花開く女子たちのBODYに一直線だ。我らがジェイクは天国へ降り立った!地元を離れ、今から大人のとば口=大学生活が始まろうとしているのだ。
ここで監督は、さらに映画を一筆で単純に記そうと、テロップを出して時間軸を見える化する―1980年8月28日 新学期まで3日と15時間―とカウントダウン表示。これは、時間の流れの中に「生の感触」を散りばめて差し出す、リンクレイターの十八番と呼びたいダンドリだ。さて、この勢いで期間限定のショータイムが始まるのか、それともその先の新学期に焦点を当てるのか…。判然としないまま、我々も太陽がやけに眩しく輝く南東テキサス州立大学に釘付けとなる―。
野球推薦で入学したジェイク。まずはお気に入りのレコードを抱えて野球部の寮に意気揚々と到着だ★ ところが名門野球部の先輩たちはクセ者揃い。シャレにならないようなイジワル歓待を浴びせるが(汗)、受けるジェイクもキョトンとするだけの鈍感ぶりで、ノープロブレム。そうだった、舞台は1980年のアメリカだった。何せ、映画俳優が第40代大統領になってしまう鷹揚(?)な時代のお話なのだ。よく見れば、新人を茶化す絵には身に覚えがある親和性を湛え、逆に「なぜあの頃はあんなじゃれ合いが成立してたのかなあ…」と、ツイ釣られて我が身を振り返ってしまった。茶化す方も茶化される方も役割をわきまえ、「ごっこ」で場を温め合うコミュニケーションがまだ通じていたのだ。
でもって、野郎どもは早々に新人を引き連れ、女子寮を冷やかしに車を走らせる。シュガーヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」を大合唱しながら、車窓から女子のケツ…いや、お尻等を品定めするシーンの感動的なバカっぷりに、私は早くも涙が出そうになった。いやー、映画でさえ、もはやこんな見事なナンパ絵、拝見できるものじゃございません。一体あの手の男たちはどこへ行ったのか?対する女の子側も手慣れたもので、ヒマなら相手してあげてもいいわよ風にあしらいスイッチのON&OFFが明快。やるなあ~。男女ともに、後腐れないナンパの極意(?)が初期設定されていた時代だったということか。そして、ここからどんな展開が待ち受けるのかというと…実はこれだけなのである(汗)。昼間は野郎同士でグダグダに戯れ、夜はナンパに全力投球するだけ。見事に何もない。ではいったい勝因はどこにあるのか―。
ひと言でいうと、これといった目的が何もないままの状態で、映画をずっと動かし続けたということ―これに尽きると私は思う。例えば野球部の主なバカ野郎メンツは12人。ギャンブル狂、口説き屋、精神世界好き、田舎者、妄想癖、ピッチャー嫌いetc…と、どいつもこいつも与太話とそれに付随するアクションによって濃厚な痕跡を残すキャラなのだが、それだけで収まってもいない。顔と名前を覚えようにも全然追いつかないほど、奴らを画面に出たり入ったりさせるところがミソなのだ。
とにかくジェイクの入寮日から、たかだか3日半のスケッチなのに、一体どんだけ盛ったら気が済むんだあ~と、半ば呆れるくらい取り留めのないエピソードを小刻みにつなぎ、ある種のグルーブ感をもたらしている。しかも悪乗りには節度があり、むしろカラっとした無常観をもったいぶることなくスクリーンに立ち上らせ、ちょっと意外なほど奥行きがあるではないか!そう映画は、体育会系の瞬発力と文学的な趣きの両刀使いによって、すべての生の瞬間を、観客と分かちがたく結びつけるのである。一見ラフに映るが、なかなか緻密な演出なのだ。
そして新学期を明日に控えた3日目。待ちに待った本作の“結びの一番”が顔を出す。野球部の自主トレである。すっかり忘れかけていたが、奴らは選ばれし野球エリートだった(笑)。オシャレしてディスコへ繰り出し、カントリー・バーではラインダンスに興じてみせ、場違いのパンクLIVEへももぐりこんだりしていたが、最後にようようじぶん十分になれる場所=グランドへたどり着いたというわけだ。まあ、このくだりのカッコいいこと!自主トレとはいえ、互いの手の内を初めてオープンにするお手並み拝見の場で、先輩どもが風格の違いをまざまざと見せつけて、新人たちをノックダウン。実力がモノを言う世界の洗礼を浴びせつつ、また同時に、チームのことを考えないプレイヤーはさらに最低との烙印も押す。散々奴らを分け隔てなく笑ってきたからこそ、プライドのぶつかり合いを目撃したときの感慨はひとしおだったなあ~。改めて、野球の輝きが何によってもたらされるのかを垣間見るようで、私には忘れられないシーンとなった。
しかして最後はまたまたドンチャン騒ぎ♫ スポーツ雑誌『Number』みたいな美談余韻でシミジミさせるのではなく(笑)、野球部みんなで水遊びに呆けて夏休みが終わる。ただし、先に与太話とナンパ以外は何もないと書いたが、大切なものがありましたよ!バカ野郎どもの頭の上には、いつも極上の“青空”があったのだ。どこまでも広がる青空の下での記憶…。なるほど、これが過ぎ去った後でしかわからない、青春っていうやつの正体かもしれない―。
11/25(金)まで 伏見ミリオン座で上映中
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』予告
『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』
2016年/米国/カラー/117分
監督/脚本 リチャード・リンクレイター
撮影 シェーン・F・ケリー
音楽監修 ランドール・ポスター
メーガン・カリアー
キャスト ブレイク・ジェナー
ゾーイ・ドゥイッチ
PS 次回は11/30にUP予定。紅葉真っ盛りの鶴舞公園を案内するよ♪
ラジオな時間 📻
家で寛いでいるときの基本音源は、ラジオだ。休日は朝から、平日は仕事から帰ってすぐにスイッチON。TVとラジオの大きな違いは、局を変えないことですね。他のリスナーはどうなんだろう…。ラジオもザッピングするのかな…?私の場合、ここ14~15年はNHK-FMオンリーだ。民放は馴れ馴れしすぎてお腹いっぱいになってしまうし、DJが早口にまくしたてるFMも邪魔くさい。その点NHK-FMは、音楽ジャンルの幅が広く、サラっと後腐れなくお付き合いでき、付かず離れずいい距離感で視聴できる。それも、ちょっと離れたところに置いたラジカセ(!)から、聴くとはなしに聴くかんじがお気に入りのスタイル。遠距離恋愛型ね(したことないけど…笑)。
台所仕事をしながら、アイロンがけをしながら、掃除に手芸に手紙書き、もちろんこのブログをしたためている今もラジオから流れる音とともに活動している。つまりラジオは私のルーティンワークの相棒なのだ。正直言って、内容の8割は頭に入っていないが(汗)、いいのよ、欲しいのは世界とじぶんを耳でつなぐ“窓”なのだから。
NHK-FM 聴きどころ番組 ①
私の夕飯作りタイムの相棒が『夜のプレイリスト』。ゲストが一人でアルバムを5枚紹介できるというなんとも贅沢な番組だ。愛聴版にまつわるゲストのエピソード語りも、長すぎず、短すぎず…ちょうどイイ。5日間聞き通すと、ゲストの人となりが、すーっと浮び上がるダンドリだ。例えば10月に登場したコラムニストの泉麻人が選んだ5枚はこちら―
・加山雄三 「加山雄三のすべて〜ザ・ランチャーズとともに」 (1966)
・荒井由美「MISSLIM」 (1974)
・SUGAR BABE 「SONGS」 (1975)
・Sons Of Sun「海賊キッドの冒険」 (1972) ※マニアックなのも入れてます!
・Neil Young 「Harvest」 (1972)
最初の3枚と後の2枚が共存するところがいかにも泉。昔話をしても個人の話に閉じないのよね。声質もラジオ向き。いい語りだったあ~♫
NHK-FM 聴きどころ番組 ②
どういう位置づけなのかよくわからないお笑いタレントふかわりょう(汗)。ただこの番組では、やることなすことピターっとハマってる!目玉の企画コーナーは、一言でいうと、視聴者参加型のクラシック音楽の大喜利だ。オペラやミュージカルの曲の中から日本語に聞こえる部分を紹介する「空耳クラシック」、文学作品の一節にクラシックのBGMをつけて妄想する「BGM選手権」、クラシック音楽にサブタイトルを付ける「勝手に名付け親」、そしてクラシックのイントロクイズ「きらクラDON!」など、バラエティ番組の基本企画をクラシックに持ち込んだことで、妙に新鮮に感じられるの。
それにラジオってさー、偏差値高めの文系男子がサラっと御託を並べる場にもってこいなんだよねー(爆)。BSプレミアムより、ビジュアルが必要ない分、100%オタク度発揮できるし(笑)。
NHK-FM 聴きどころ番組 ③
オタクと言えば『ラジオマンジャック』!私の週末の作り置き惣菜仕込みタイムの相棒がこれ。DJ赤坂泰彦がハイテンションの突っ込み役となり、毎回1テーマを決めてショートコントを連発する内容だが、声で芸する出演者たちが粒ぞろいだからLIVE感がハンパなく、豪華なエンターテイメント劇場と化している。毎回どうまとめるのか、内心ヒヤヒヤしながら聴いているのだが、ギャグも皮肉もタガが外れ切らない一歩手前で上質に着地。赤坂が理想とするラジオ天国な世界はクセになる!
NHK-FM 聴きどころ番組 ④
まさに“5分間のサウンドトリップ”―『音の風景』は私が最も心躍る番組だ。例えば好きな音楽は?と聞かれたら、私の場合、ジャンルやミュージシャンは思い浮かばず、日常のノイズに音楽を感じている節がある。自慢じゃないけど、楽曲の聞き分けとか、ぜんぜんできないのよね…音楽のセンス、ゼロかも(汗)。その代り、開け放った窓から聴こえる様々な音に勝手に思いを馳せたりする。他の階の住人の生活音が騒音にならないの(笑)。だから『音の風景』と出会ったときは鳥肌が立った…じぶんが求めていたものはこれなのよ!と。番組の一部がここから視聴できます。土地と音の結びつきをぜひ堪能してみて。
NHK-FM 聴きどころ番組 ⑤
NHK-FMといえば『世界の快適音楽セレクション』でしょう~♪ 土曜の朝の2時間、ちょっとユルめのスタートにもってこいの、好感度たか~い番組だ。朝食の片づけ⇒掃除&洗濯タイムの相棒にしてすでに10年以上になる。選曲の幅の広さと趣味の良さに毎回たまげるが、やっぱゴンチチありきで成立しているね。どちらかと言えばふたりともボケの役回りなのだが、単なるおっとりしたいい人キャラだけで終わらず、個々の個性がキラリ輝く。そういえば、この番組でたまたま耳にして、その後速攻でCDをゲットした経験も2度ある(苦笑)。ANTONY AND THE JOHNSONS『THE CRYING LIGHT』と森進一のカバーアルバム『Love Music』。どちらもヘビーローテのアルバムとなってるよ。トレンドなんていう野暮な括りとは無縁の、いろんな意味で信頼を寄せるお気に入り番組だ。
NHK-FM 聴きどころ番組 ⑥
お紅茶と、猫足の家具と、レースのカーテンが揺れる洋館をイメージするエレガントなコーナー。タイトルも『弾き語りフォーユー』だって(汗)。あまりの浮世離れ感に「なめんとんのか~!」っと突っ込みたいところだが…なぜだか悪くないんだよな~これが(笑)。進行役の小原孝のなりきり度の高さに、恐れ入りましたと感服するばかり。昨今、どんなに気どったタレントだろうが、笑いで自らを茶化さないと許されない空気があるが、 時代におもねることなくサラリと貴公子振る舞いを貫くのは、あの羽生結弦と、ニットデザイナーの広瀬 光治と、この小原氏の3人くらいではないか(笑)。一昔前の少女漫画に出てきそうなキャラ作りにプロ道を感じてしまう。いやいや、もちろん聴きどころはテクです!なにもそこまでやらなくても…とシンパイになるくらい、演奏しながらガンガン即興でアレンジ(汗)。ご本人、意外と貧乏性だったりして?…と密かに想像しております、はい。
この他にも、洋楽2大ご意見番の渋谷陽一とピーター・バラカンがそれぞれナビゲーターを務める名物番組や、『今日は一日○○三昧(ざんまい)』と題し、さまざまな音楽ジャンルから一種類のジャンルだけにスポットを当てて、丸一日ドップリハマらせる特集番組があったりと、コンテンツは絶えず充実★しかも、その合間に、浪曲はあるわ、邦楽コーナーも多種あるわ、基本のクラシックがてんこ盛りだわのワンダーランド。FMでもラジオ深夜便が聞けるしね~。NHKアナウンサーの低く落ち着いたトーンを深夜に耳にすると、ガサツな私の胸の内にも懺悔の気持ちがフツフツと湧いてきてしまう(涙)。
私が理想とする人生最期の設定は、「病院のベッドで大相撲中継(できれば中入り前)をぼんやり眺めながら」と「ラジオ深夜便を耳にしながら」の2パターンだ(笑)。願わくば、そんな日常の延長で夢見るように眠りたい―。
PS めっきり寒くなってきました…。次回は11/20にお会いしましょう。