“つづき”が楽しみ~♫ レポート2018
またもや唐突に質問してみました!「いま、“つづき”が楽しみなものは何?」…と(笑)。長いスパンのものでも、短いスパンのものでも、なんでもOK。いま思いつくものをざっくり教えて~とおねだり(笑)。毎度のことながら、ちんぴらの気まぐれな質問に、脳ミソをフル稼働して参加してくださるみなさま…ありがたいことです。でもって、やっぱり毎回意表を突かれる回答が続出するから、やめられませ~ん。「人生」から「日々の楽しみ」まで、“つづき”の粒感がバラバラなのも可笑しくて、あたしが一番ウケました(笑)。
▶トップバッターは… 東京在住のKちゃん㊚
・息子の成長 ➡「楽しみと心配が50:50ですが(汗)」
・当社の株価 ➡「今は経営に近いトコロで働いているので、上がろうが下がろうが売り買い厳禁。辞める予定の4年後には上がってるといいな…と。」
最近は、パチンコに行くヒマもないほど愚直にリーマンしてるKちゃんの“つづき”は、男子色が濃厚。会社に居座ってゴーンになる気はサラサラないみたいだけどね(爆)。
▶先輩Sさん㊛は「家」の“つづき”相続問題 ➡「ダンナの兄弟が厄介だったんだけど…。ようやく相続問題が動き出してホッとしてるところなの。跡取りの息子が面倒を背負わないように、スムーズに進んでほしい」
なるほど、こういう“つづき”も大切なことなんですね。家系を守り、息子の代へつないで行くという発想。じぶんが生きている間は黒子に徹し、消えた後々までも視野に入れて心配りしてるとは…なんてオトナなんだろう。あたしなんて、じぶんのことだけ考えて動いていても、毎日アップアップなのにぃ~(汗)。
▶こちらは娘。 専業主婦のEさん㊛娘の婚活 ➡「娘の代わりに、願いが叶うと評判の京都の鈴虫寺へお祈りに行って来たの~。これでもうだいじょうぶよ(笑)」
東京で建築士として働くバリキャリの娘さんが、近ごろ婚活に目覚めたらしく、離れて暮らしながらもバックアップに余念のないEさん。夢を叶えて、仕事を楽しんでる娘さんを誇りに思いつつ、ナイスな人生の伴侶も見つけてほしいと願うのが母心ってやつなんですね~(涙)。ちなみに何回聞いても鈴虫寺のファンタジーは、ちんぴらにはよくわかりませんでした(爆)。
▶新宿で独り暮らしのYちゃん㊛
これからの我が人生 ➡「最初に浮かんだ“つづき”は、これからの生活=人生でした!すでに折り返しの人生に新鮮味などないとは思うけれど、いや、玉の輿も夢ではないぞ😍…なんて考えたら、続きが楽しくなってきた~(笑)」
毎日せっせと誠実に働いて、かつオットリ美人のYちゃんから届いたキラキラ女子発言には意表を突かれましたね~。もっと早く気づけよ!とツッコミを入れつつも(笑)、でも人生100年時代なんて言われているから、マイペース&気の長い性分は、持ち前の粘り腰をじんわり発揮できるかも?とはいえ、お金は必要みたいです(笑)。
▶39歳HAPPYママM㊛の“つづき”メダカの飼育➡「沢田研二の今後!というのは冗談で( ^∀^)、最近飼い始めた楊貴妃という名前のメダカが、連日卵を産んでいて、無事に孵化するかどうかが気になっております。他のメダカが卵食べちゃわないように、隔離したりして見守ってるよ。
手探りで始めたメダカの飼育。繁殖する=飼育の仕方が正しいって事みたいで、今後が楽しみです!」
原田知世似の目元涼しい美人M。目下子育てママのど真ん中生活を送っているんだけど、なんと彼女の「育休」はメダカにも捧げられてましたあ~。そういえばMは昔から、大手企業の重役秘書をしながら、吉本芸人のマネージャーもできるキャラだったわ~、納得(爆)。
▶Yちゃん㊛の熱さ2連発!・来年のかぼちゃ ➡「一昨年、道の駅でハロウィンの観賞用ビッグかぼちゃを激安¥800で買って、種を取っておいたんだわね。そんで去年の春、その種を蒔いたらとてつもない大きさのかぼちゃがゴロゴロできてアメリカの畑みたいになって、今年も同じ時期に蒔いたんだけど、猛暑でなかなか育たず超ビッグサイズが1つできたにとどまったものだから、来年はどんなもんかと。」
・仮面ライダーアマゾンズ➡「昔の仮面ライダーアマゾンのリブート作品でAmazonプライムで放送してたやつなんだけど、大人のための仮面ライダーでホントにいいだよー!!生きるとはどういうことなのか、本当の正義はなんなのか考えさせられました…非常に。で、この春映画化されたんだわね、そんで前売り券まで買って、ダンナとおじさんだらけの小劇場でみてきたんだけど、それはそれはガッカリな内容でさ…。でも続きがある感じの最後だったから、今度こそは挽回してくれよ!と思いながら待っているところなのです。」
Yちゃん、えー奴でしょ(爆)。いっそ、かぼちゃライダーという新企画で売込めば?
▶トムハ熱継続中のR㊛・トム・ハーディー の活躍➡「やっぱり俳優・表現者として活動を続けるトムハは、すんごくすんごく楽しみです。『Venom』が世界的に大ヒット中で、トムハの知名度がうなぎのぼり。次の作品の選び方や、製作サイドになるのか、とか、引続き興味津々です。」
・NHK連ドラ『まんぷく』 ➡「安藤サクラ&長谷川博巳のコンビですよ!絶対見る、と決めてたんです!」
とにかく一度惚れこんだ男優への思い入れは、強力かつ長~いR。トムハLOVEは依然として衰え知らずで、絶えずスマホでトムハ情報をゲット👍公開作品は、必ず2度以上映画館へ足を運ぶし…脱帽です、はい。もし生トムハと遭遇したら間違いなく卒倒するわね♥そして『まんぷく』!あたしもで~す♫
▶でっかい男に憧れる蚤の心臓Kさん㊚
ご贔屓力士➡「郷土力士の豊ノ島、千代の海と、銭湯で会って会話してから贔屓にしてる石浦の3力士。彼らの今後の成績と活躍でーす」
マブダチのダンナKさんは高知の足摺岬出身。今じゃ誰よりも名古屋弁を使いこなすオッサンだが(笑)、郷土の力士を応援してるときは土佐清水の血潮が渦巻いて見えるから不思議。高橋ユキヒロに憧れて→都会派野郎を目指したつもりが→体系はまるまるとご立派になり→角界と故郷に親密感を感じるようになったのかしら…感慨深いわ~。
▶仕事人間からシフトチェンジしたF㊛
・ゴルフ ➡「1年続けてみて、結構しんどいんだけど確実に変わっているのが見て取れるからもうちょっと真剣につづけたらどうなっていくんだろう?と、解らないところが楽しみです。」
・読書 ➡「子供のころに読んだり、読んだ気になっているだけだったりするものが満載なので、児童文学の方向へ。手を付け始めたら楽しみになるかな~と思って」
去年体調を崩してから、時間の使い方を再考するようになったFは、娯楽時間をしっかり作ってメリハリのある生活にシフトチェンジ。もともと深掘り派だから、遊びも考えながら進めて行く方が面白いみたいね。ダンナも遠巻きに刺激を受けているようで、口ゲンカしながら一緒にゴルフ練習場へ行く様子は、すでにナイス老夫婦です(笑)。
▶アートコンビD.D㊚㊛は規格外
・D㊛数学 ➡「数学の秘境に独学でどこまで行けるか、です。」
・D㊚ 落合陽一 ➡「落合陽一の考えていることを自分がどう感じるのか。今は同調でも賛同でもまた否定でもないから。」
数学も落合陽一も、確かに未知の領域であたしも気にはなるが…「楽しみ」と言えちゃうあなたたちは規格外です(爆)。こんな脳ミソで、日々ふたりは絵なぞ描いて暮していらっしゃるのよ~。カスミを食べて半世紀、残り半世紀は何食べる?😊
▶同級生マブダチMとKは…・2人そろって…オトナ美術部! ➡「1番楽しみにしてる“つづき”はオトナ美術部でーす!」
さーすが40年来のマブダチたち!落としどころをわかってくれてるじゃないの~。あたしも正規メンバーのひとりです♫「オトナ美術部」と題し、月に1度美術展めぐりを始めて早4年。今ではMのダンナも代打要員として加わり、古今東西の美術品を舐め回している集いなの。溺愛&辛口コメントが飛び交う爆笑タイム、12月はアルヴァ・アアルト展(名古屋市美術館)へ行って参ります!
…他にも、博才の欠片もないのに草やりに精を出すM㊚の“つづき”は「競馬」だったり、Kちゃん㊛は華麗なる一族ウォッチも込みで「テニス観戦」の“つづき”を長年楽しみにしてて…まあ、とにかくみなさんじぶんなりの“つづき”に思いを馳せて、日々暮らしていることがあらためてわかりましたよ~。今年も残り1ヵ月、オリジナルの“つづき”を想像して、世知辛い浮世を生き抜きましょう★
PS 次回は12/13に更新。あたしが今一番楽しみな“つづき”をご紹介します!
勝手にシネマ評/『世界で一番ゴッホを描いた男』('16)
おらぁ、タマげただぁ~…。中国深圳市の大芬(ダーフェン)に「油画村」と呼ばれるエリアがあるんだってサ!
「油画村」と聞くと、なんだか自意識をトンがらせた若者たちが夜な夜な集い、新しい芸術を模索し合う刺激的な場所…かつてのモンパルナスとかソーホーとか、そんなイメージが安直に浮かぶよね。―が、さすがは肝っ玉のデカイ中国の方々。そんなナイーヴなアプローチなどアッサリ蹴散らし、労働と金が24時間渦巻き続ける、異様にガツガツした活動拠点を築き上げていらっしゃいました!
目下、仕事探しを真剣に考えてる人がこの職場を見たら、間違いなくぶっ飛びますね。“働き方改革”からもっとも極北に位置する劣悪環境に、他人事とは言え、マジに引くかも…(汗)。いや、もしかしたらプロレタリア映画?ここから労使紛争が勃発するとか?…なーんてマジに社会派気分で見ちゃうケースも考えられるけど、ここはひとまず、じっと堪えて静観していただきましょう。
その名の通り、「油画村」で生産されるのは絵画。それも、有名画家の複製画を制作する工房がひしめき合い、1万人以上もの画工たちによって、年に数百万点もの油絵が世界中へ売られているんだとか。映画は、そんな複製画産業の街へ出稼ぎに来て、独学で絵を学び、20年もの間、ひたすらゴッホの複製画を描き続けてきた男シャオヨンの姿を追い駆けたドキュメンタリーです。
現在のシャオヨンは、自分の工房を持ち、稼ぎ頭の画工も兼務中。自宅を兼ねた狭い一室で、昼夜を問わず描き続け、寝るのも食事もすべて工房の中で済ませる暮らしぶり。そのうえ家族や弟子たちまでも、まるっと同じ生活をしていて、眺めているだけで過呼吸になりそう…凄まじい光景です(汗)。
ただし、全員が働きバチだからか、資本家VS労働者構図とは様子が異なり、どこか旅芸人一座風なノリもあって、これはこれで成立している気がしなくもない…。“同じ釜の飯友”効果ですかね(笑)。(食事のシーンがたくさん出てくるんだけど、めちゃウマそうで、まかない付き労働が羨ましくもあり…汗)
シャオヨンのお得意先は、ゴッホの母国、オランダのアムステルダムにある画廊です。『夜のカフェテリア』を40日以内に300枚納品してくれ!と、Webでしれーっとオーダーが入ったりして、シュールすぎて笑うしかありません。生前、ほとんど売れなかったあのゴッホが知ったら、なんて思うだろう…。自作に何十億もの値がつく事実より、「えっ?どうやったら300枚も描けるの?ボクにも教えて!」と、御本人が一番腰を抜かしそうな話よね(笑)。
何せシャオヨンは、これまでに10万点以上のゴッホ作品を描いてきた男。多い月なら1ヵ月で700枚だって!すかさず単純計算してみると➡700枚÷30日=1日約23枚(汗)。ついでに、絵を描く以外の時間を1日4時間で見積もり、時間制作数を割り出せば➡23枚÷20時間=1時間 1枚強ペースよ。ひぇ~、無茶振りにも程がある。これじゃあ下書きだってまともに描けないわよね(汗)。
―というわけで、前半のハイライトは、ズバリ複製画の制作シーンです!油画村が編み出したこの必殺技法が、一言で言うとアクロバティックな流れ作業なんですわ。なるほどその手があったのか!と、妙に感心しちゃったりして…(苦笑)。まず複製に際して、お手本となる作品を線で捉えず、鮮やかな色の点に分解し、配列で見ているところがミソですね。おそらく、点描画として脳ミソにインプットしてるんじゃないかな…。
つまり、ゴッホの図版を、あの後期印象派の代表、ジョルジュ・スーラの目をお借りして再構築。これってある意味、印象派の流れそのものじゃね?(爆)しかも、お外へ一歩も出ずに(!)印象派モードになり切り、無意識の“筆触分割”をメンバー全員で共有し、作業マシーンと化すとは…これぞまさしく超絶技法そのものよ~。
完成した絵が欲しいかどうかはさておき(汗)、「名画とはなんぞや…」「美とはなんぞや…」と、思わず深遠な面持ちになったなあ。そしてなんと、馬車馬シャオヨン自身にも、遂に成熟時代がやってくるのです!
そもそも本作は、ブラック仕事の実態に迫ろうとの意図ではなく、「油画村」への関心から長期取材に至ったと想像できるんだよね。そして、夥しい数の画工の中から、なぜシャオヨンがメインターゲットに選ばれたのかも、映画が進行するにつれ、自然とわかり始めるの。
そう、シャオヨンには高い理想がある!描けども描けども、未だゴッホの絵には近づけないと苦悩する一方で、それほど大きな存在が自分の仕事の対象なのだという矜持も強く感じられるの。皮肉にも、同情するはずだった我々が逆に羨みたくなるくらいの、粉うことなき働く歓びが本人から立ち上り、ちょっと意表を突かれましたね。
当たり前だけど、ハードルの高いオーダーをこなすには、自分にとっての働く動機付けが最も肝心。金銭との交換だけが目的なら、馬車馬生活を長くは続けられない。ゴッホに憧れ、追いつこうとするシャオヨンのウブでまっすぐなパッションを見つけ出し、時間をかけて拾い上げたところが、映画の一番の勝因だと思ったわ。
やがてシャオヨンはアムステルダムへ行く決意を固めるの。実は、まだ一度も本物のゴッホの絵を見たことのない彼が、自らの画工人生を賭け、工房の外へ一歩足を踏み出すってわけ。ここから先の展開は、ぜひ映像で見て欲しい。文字にすればするほど、映画の魅力が目減りする恐れがあるから、あえて寸止めにしておくわ。長期密着ならではの、予想を超える瞬間がたくさん登場して、ツイ人間の運命に思いを馳せてしまいます…。
とにかくシャオヨンとともに、我々もありったけの感情がほとばしり、複雑にからみあって、幕切れへとなだれ込む。メンターはシャオヨンに何をもたらせたか…。そして我々は弟子の一喜一憂を目撃して何を思考するか…。作り手が、絶妙のタイミングで映画から手を放して終わる『世界で一番ゴッホを描いた男』。いやはや忘れられない1本となりました!
※伏見ミリオン座で上映中。そろそろ終わりそうです…急いでね!
【番外編:名古屋で1ヵ月ゴッホを描いた女】
へへへ、恥ずかしながら、わたしもゴッホの模写を集中して描いた時があったのよー!2013年の1年間、毎日世界の名画を模写する『1日1枚 名画模写』という遊びをやっていて、その年の9月に集中的にゴッホさまを描きまくってましたあ~。毎日油絵なんて描けっこないので使うのは鉛筆だけ(汗)。それがこちら。
このとき、たくさんの画家を模写したんだけど、一番描いてて興奮したのがゴッホだったんだよね。だからシャオヨンが魅せられ続ける気持ちがわからなくもない…でも10万枚は描かないけどさ(笑)。ちなみにわたしがゴッホ作品のナマ体験で、息が止まりかけた1枚はファン・ゴッホ美術館所蔵の『アイリス』(1890年作)。きっとシャオヨンもホンモノを見て生唾を飲んだだろうなあ~♫
『世界で一番ゴッホを描いた男』
2016年/84分/中国・オランダ
監督 ユイ・ハイボー キキ・ティンチー・ユイ
撮影 ユイ・ハイボー
製作 キキ・ティンチー・ユイ
キャスト チャオ・シャオヨン
PS 次回は11/28に更新します
サクッと掛川✑備忘録
掛川へ行って参りました~!🚗
…実は、9月の『ゆるゆるプラモデラ―』の回に登場したあのK男夫婦が、わたしの制作レポートをお気に召し、「そうだ!ご褒美にTAMIYAの聖地、掛川サーキットへ行こう!」と誘ってくれたからなの~。せっかくなんで、掛川で遊び倒そうと、3つの施設をめぐる日帰り小旅行を計画したよ😊 それではいざ出発♫
その①👀『掛川花鳥園』🐤
▶名古屋から2時間弱で掛川へ到着。まずは、かねてより行ってみたかった『掛川花鳥園』へGO★ 正面玄関は、なぜか時代劇をイメージした道の駅とか温泉施設を彷彿とさせる造り(?)。ところが、一歩中へ入ればどデカイ温室仕立てなの~。要は、鳥たちの住処へ我々がおじゃまするという設計になってんのね。はい、そこからは一気呵成に花鳥王国へ突入!
▶花鳥園を一言で例えるなら…ザ・パリコレ会場ですね!行ったことないけど(爆)。だって自然美と人工美が合体したランウェイに、トップモデルと化した鳥たちが艶やかな姿で登場するんだもん、ワクワクするわよ~。我々はファッションフォトグラファーになり切り、シャッターをカシャカシャ押し続けるってわけ(笑)。
▶どう、このスタイリッシュなこと★ 鳥類特有の4本の趾と、華奢な足のつながり具合が、まるでJIMMY CHOOのパンプスはいてるみたいでさー、モード雑誌から抜け出たみたいにファッショナブル👗
▶神さまが創造したとしか思えないよね!特に、近くで見て最も胸騒ぎがしたのは、鳥の“👀”ですね。なぜだかすべてを見透かされているような気持ちになっちゃった。鳥瞰マジックですかね(笑)。それに、上からだけじゃなく、下で歩き回ってる鳥の👀も同じように、広い空間にあるさまざまな物体の相互関係を捉えていて、超ク~ルなの。
▶さてこちら、艶めかしいフラミンゴたちは、さながらバーレッスン中のバレリーナ
▶水道の蛇口だって野鳥フォルム♪ 土産物コーナーで販売したらどうでしょう(笑)
▶さらにびっくりドンキー!花鳥園には広大な屋外エリアが控えているの。人工とは言え、この解放感はエエもんです。空は閉じていないもんね~。もちろんここでも老舗メゾンのトップモデルたちが、くつろぎポージングで居並びます✿
▶ほれ、白鳥と黒鳥の揃い踏み!山岸涼子先生の『アラベスク』じゃないですか~。
▶園内で一番大きな鳥エミューの歩いた足跡は、コンテンポラリーアートだった★
…というわけで、花鳥園では植物&鳥類&飼育員が主役で、我々はアウェイ。そしてたまにアウェイになるのは得難いことで、日頃見えないものや、見逃していたものが、じわじわーっと浮び上がり、いろいろな思考がめぐったわ~♫
お昼ごはんは『鮪屋みやぎ』🍚
▶さーて、おたのしみランチタイムは、花鳥園の目と鼻の先にある『鮪屋みやぎ』で!魚屋さんがやってる海鮮丼、うまいったらなーい。自家製漬物も◎。
その②👀『資生堂アートハウス』💄
▶掛川に資生堂が運営する美術館&資料館があるのを知ってる?“美”を追及する資生堂ならではの贅沢空間、大穴スポットです。25年ぶり(!)に再訪してきましたあ~。
▶建築家谷口吉生が設計し1978年にオープンしたこの施設は、2002年にリニュアルし、より美術館にシフトしたみたい。地元の豊田市美術館でなじみ深い谷口空間は、内部の段差がステキなのよね♥歩くたびに視線がドラマチックに変わるの。今回は、円形の窓辺に青木野枝の「玉繭」が並んでた…屋外と屋内が響き合って…あ~たまらん。
▶企画展示室では『工藝を我らに セレクション』が開催中。陶藝、ガラス工藝、漆藝…生活の中で使うとびっきりの工藝品が、さらりとコーディネートされてて、カッコいいったらな~い!高級婦人雑誌のグラビアかなんかで取り上げられると鼻につくのに(苦笑)、実物はどれも恥じらいがあってひっそり佇んでる印象…好きだわ~。わたしが惚れたのは関野晃平作『朱漆螺鈿丸盆』。この真っ赤なお盆にお茶漬けを乗せたいっス。
▶資生堂と言えば…忘れちゃならないのが、小村雪岱(1887-1940)と山名文夫(1897-1980)。どう?ため息が出るほどステキでしょ。資生堂の意匠部に在籍していたこの2人の美意識が、いまも資生堂が追い求め続ける「美」の中心線を担っている気がしてならないのよね。揺るぎないイメージがあってこそブランドは光り輝く―。あっ、花鳥園の鳥たちのお姿がここにつながった👍
▶同じ敷地にある『資生堂企業資料館』も必見です。1872年創業から現在までの資生堂のあゆみが、商品パッケージや広告関連資料などを通して紹介されてます。1企業の社史がそのまま、化粧文化、風俗の変遷、日本人の意識変革まで浮び上がらせ、まるで上質なドキュメンタリー映画を眺めるよう…。そのうえもっとすごいことに、どちらの施設も無料!よっ、資生堂、太っ腹!文化の担い手はこうじゃなくちゃ~♪
その③👀『TAMIYA 掛川サーキット』🏁
▶そして最後に目指したのは、世界最大級の全天候対応サーキット、ラジコンカーの聖地、TAMIYA掛川サーキットでーす。工場団地の一角に、あの星のマークの看板が見えたときは思わず武者震い(笑)。何十年ぶりにじぶんで作ったプラモデル、“マンモスダンプ”を引っ提げて、ノルマンディー上陸作戦だあ、イェーイ👍
▶上陸すると…まずは爆音がお出迎え★どデカイコースを覗けば、エンジン積んでるラジコンカーがガンガン走ってて、そりゃあもう大騒ぎ~。なるほど、ここでじぶんが作った愛車を走らせたら、そりゃあ血が沸騰するでしょう~。
▶傍らには、自前のラジコンカーをチューニングするコーナーがあって、ホビー魂全開の男子が集結。全員ホンキ(笑)。LABO好きのちんぴらは1日いてもあきましぇーん。一方、あたしたちのチューニングは駐車場の片隅です(単にパーツがとれてK男が修理中♪)。そうそう、女子ファン獲得のためのトイレ&休憩スペースにも泣けた~😢
▶とはいえ、あたしのマンモスダンプはラジコンでもなんでもないので(汗)、上陸作戦は不発(爆)。狙いは聖地での記念撮影です。K男のヨメが戦場カメラマンになり切り、寝っ転がって撮ってくれた渾身の1枚、いかがでしょうか📷
▶はい、あの幻の“なーんちゃって自作プラモデル箱”も撮りました(笑)。土産はTAMIYAパーツとステッカー♪ いつかここで公式戦のTAMIYAグランプリが見てみたい🎖ちなみにこの施設も見学だけなら無料!さーすが、静岡が世界に誇る模型のトップブランド、太っ腹だわあ~。
晩ごはんはハンバーグづくし!🍳
▶さて夕食は、近所の人気洋食屋でがっつりハンバーグをほおばり、本日のミッションはご満悦のうちに終了😊 こうして、1台のプラモデルから始まった冒険の旅は、聖地訪問まで果たすことになったのであります(笑)。K男夫婦に感謝(ぺこり)。
PS 次回は11/13に更新します
ホレボレ🍵湯のみ茶碗
月に一度のお愉しみ♫ 10月、オトナ美術部が訪れたのは、愛知県陶磁美術館 開館40周年企画展『THE YUNOMI 湯のみ茶碗 ちょっと昔の、やきもの日本縦断旅』です。「ちょっと昔」ってところに、グッときませんか~?(笑)
江戸時代中期以降、一般に広がった飲茶の習慣。個人専用の湯のみ茶碗の普及は、その頃からはじまったらしい。明治以降は各地の窯で陶磁器制作が盛んになり、土地柄を生かしたさまざまな湯のみ茶碗が作られるようになったとか。ここでは、明治末頃~昭和20年頃にかけて、坂口恭逸氏によって収集された、日本各地の湯のみ茶碗約280点が展示されています。たかが湯のみと侮るなかれ~。県別にずらーっと並んだ湯のみ茶碗コレクションは壮観そのもの!さて、最初に目👀にとまったのは…
神奈川県 眞葛焼 宮川香山作「青崋山水図夫婦湯呑茶碗」。夫婦湯呑を仲良く並べれば、山の稜線が続いて見える…。なんとまあ、美しい景色でございましょう~。霞たなびくグラデーションにうっとり♥ 同じ作家の「釉下彩三福人図湯呑茶碗」にもシビレた!文人画風の洒脱な絵付けのセンスに、これまた釘付け★
石川県 九谷焼は、トーシローのわたしでも一目でわかる細密色絵が特徴的な磁器。ホントいうと苦手な装飾性なのだが(汗)、初代 徳田八十吉の「青手九谷山水図共蓋湯呑茶碗」は、白の抜けがよくってエエ塩梅にまとまってたわ~。蓋のレイアウトも小粋よね。隣の「赤絵秋草文臼形湯呑茶碗」は、餅をつく臼に秋草絵の湯呑パートと、兎をのっけた蓋パートの合体で、秋の名月に見立てた季節ものです。
京都府 清水焼の棚は、どれもこれもちんぴら好み☆画像があがっていたこちらは、民芸運動で有名な河井寛次郎の「辰砂藍絵花鳥文湯呑茶碗」です。どこが花鳥か?は定かじゃございませんが(汗)、独特のフラのある絵付けは到底真似のできない芸当ね。
兵庫県 打出焼 阪口砂山の「上絵波に燕図共蓋湯呑茶碗」は、大人美術部全員が「これ欲しい~!」と雄叫びを上げた、ちびっこくて超キュートな逸品。色、形、絵柄、すべて上等。湯呑で使うより豆菓子か金平糖でも入れたいお姿でございました😊
技巧派湯呑たちとも遭遇。ガッツリ蟹の彫り物がされた左は、愛媛県 水月焼「色絵陽刻蟹文湯呑茶碗」。右はお土産品として作られた広島県 一角焼の「陽刻厳島神社文楽焼共蓋湯呑茶碗」。日本人の写実工芸魂ってあらゆる場面で登場するよね。写実に徹しなきゃ夜が明けない…とでも思い込んでいるのか?(笑)眺めていると意外にクセになる味わい。
佐賀県 鍋島焼「七官青磁湯呑茶碗」の貫入技もスゴかった。そもそも、ヒビ=破壊のイメージを、美へと逆転させる発想にぶったまげるわ(汗)。一度は途絶えた鍋島焼を復活させた大正時代の陶工・山本雄平は、ヒビに墨汁を含ませてこの作品を焼いたんだって。なんてカッコいいの~♫
佐賀県 有田焼の安定した優美さも目👀に気持ちイイ。十二代柿右衛門作「赤絵染付柿絵共蓋湯呑茶碗」。どこに赤を刺すかで、白と青の際立ち方も変わりそうね。
北海道から沖縄まで、想像以上に各地の特色が花開いて見えた坂口コレクション。高名な作家作品だけじゃなく、土産もの扱いの作品まで網羅しているから、民俗学的資料としての価値も大きく、すごく刺激的だった✿ 何より、これをぜーんぶひとりで集め、分類し、研究し続けた坂口恭逸その人が一番の出色なのでしたあ~。ブラボー、湯のみバカ!
※場内撮影は禁止。ネット上にあがっている画像も少なかったから紹介できたのはほんの一部(汗)。他にも見逃せない逸品がたっぷりあるから、ぜひ会場で堪能してみて。10/21(日)まで。
【湯のみ茶碗:番外編】
小津安二郎の映画で使われて有名になったのが、京焼『東哉』の湯のみ茶碗。小津作品に登場する“赤”の効果は、研究者たちの間で盛んに語られるテーマなんだけど、映画的含蓄より、単純にモノとしてこの深紅と紺白縦縞の組合せがあたしは大好き!
小津映画の美意識は湯のみ1つにまで行き届いているの。生活雑器や衣装だけに絞って、傑作選を見返すのもいいわよ~。そこは懐古趣味とは正反対の、けして色褪せない美しさに満ちている!
友だちんちの湯のみ茶碗も見せてもらったよ♫ マブダチKが愛用しているのは、京都で一輪挿しを購入して以来ファンになった増田哲士(ますださとし)氏の作品。じぶんはマグカップ、母上は湯のみ茶碗で飲茶してるって。どっちも手に馴染んでるね。
焼きものの町瀬戸で暮らすマブダチY美ちゃんのご一家は、“正統派”個別湯のみ茶碗愛用家族!湯のみ茶碗を通して家族団らんな光景が目に浮かぶ。湯のみの好みから、みなさまのお顔を想像してくださいまし(笑)。愛犬の小太郎にも登場してもらったよ。今日も仲良く飲茶してるかな~★
マブダチMんちは夫婦と息子2人の4人家族。息子たちのは、手作り体験コーナーで作った常滑焼。キレイにできててビックリ!底に2匹の魚が描かれたのはダンナ用で、タップリ飲みたいMはソフトバンクでもらったヤツだって。仏壇にお供えするホタル透かしも用意してて、家族が多いとやっぱ自分専用が確保されるみたいだね。
お茶時間好きのマブダチF夫婦は、茶葉も茶器もたくさん持ってて、その日の気分で使い分け派。一番ヘビーローテしてるのは、お茶にもコーヒーにも合うこちらのマグ☕
弥富のマブダチYちゃん一家が愛用してるイニシャル入りのチビマグは、娘用のSといっしょに、あたしが100均で見つけてプレゼントしたもの🎁その後、別のダイソーでダンナのNを探して揃えたんだって(笑)。おー、イイかんじ~。お気に召して何よりヨ。
最後はちんぴらのお茶セットだいっ!10年以上前にヨガの先生にいただいた唐子絵入りの湯のみは、珍しい三角形がお気に入り♥ 急須は、つい最近Y美ちゃんちに行ったときに、瀬戸の道の駅で衝動買いしたもの。デザインに魅かれたけど、注ぎ易いわ、洗いやすいわで大ヒット。だーれも淹れてくれないお茶時間がちょっと楽しみになってマス。
とはいえ、お茶や水を買う時代(汗)―ペットボトルのお茶が冷蔵庫に常備されるなんて、想像もしてなかったなあ…お茶文化も変わりつつあるみたい。でも、火と土と水の合体=やきものは、縄文時代からはじまってんだからさー、我々とは切っても切れない間柄でしょう。そのやきものの魅力を一番身近で感じられるのが、手のひらに収まる湯のみ茶碗だと再発見したちんぴらなのでした!
PS 次回は10/28に更新します
勝手にシネマ評/『悲しみに、こんにちは』('17)
「へーっ、“だるまさんがころんだ”は、世界共通の遊びなんだあ…。」
バルセロナの町の一角。子供たちがはしゃぐ夏祭りの情景を、ぼーっと眺めながらのオープニング。夜空に輝く花火の幻想性も効果的で、幕開け早々からわたしは、映画と対峙する気構えなどスッカリ忘れ、子どもの頃の記憶手帖をゆったりと開いていた気がする。半世紀も前のホコリにまみれた我が記憶を―。
カルラ・シモン監督作品『悲しみに、こんにちは』は、1993年のスペインを舞台に、両親を亡くしたばかりの少女フリダの“ひと夏”の体験を描く。
のっけから身も蓋もないことを言うけどゆるしてね(汗)。そもそも、この映画を文章で紹介すること自体、一番やっちゃいけない行為だと強く思うわけ(笑)。映画の中で目撃したたくさんの瑞々しい出来事が、言葉に落とした端から、凡庸な幼少期スケッチの集積にしかならないのがミエミエなの(汗)。たとえ多くの人に見てもらいたいと願っても、本作に関しては、他者の解説や見解がもてなしの役目になるどころか、かえって足を引っ張る恐れさえある…。
つまり鑑賞者一人一人と作品との、一対一の化学反応だけで純粋に成立する映画なんだよね。遅ればせながら、映画と観客の最も幸福な在り方を思い起こした気がする…。そのうえでなお、書き記しておきたい衝動にも駆られるから困ったものよ(笑)。わたしのゴタクをお聞かせする前に、まずは物語を軽く紹介しておこう―。
だ~るまさんがこ~ろんだ~♪と、ひとしきり遊んで帰宅したフリダが目にするのは、親類たちが引越しの荷造りに追われる光景だった。フリダはお気に入りの人形を抱きながら、大人たちの動向を見守るしか術はないが、あれよあれよという間に、両親との想い出から引き離され、生まれ育った町と人間関係に別れを告げることになるのだ。さよなら、バルセロナ!
そして目が覚めれば、あたり一面が緑に覆われたカタルーニャ地方の一軒家だ。田舎で暮らすママの弟エステバおじさんの元へ引き取られ、奥さんのマルダと、幼い従姉妹アンとの4人の生活が新しく始まる。はい、 「両親を亡くして親戚のウチの子になる」設定ですね(汗)。だから、ツイ我々も身構えてしまいそうだが、映画はフリダを観客の半歩前に立たせ、彼女を物おじしない好奇心と冷静な観察力で動き回らせるため、大人仕立ての余計な推察を挟む余地はない。我々は、シンプルに目の前のフリダの体験を目撃し、共に一喜一憂するだけ。
苦手な牛乳と格闘する朝食でのしぐさ、生まれたての卵を用心深く運ぶ後ろ姿、肉屋でハムをつまみ食いし、雷で電気が消える暮らしに驚き、森の中に祀られたマリア像の前で願いを伝えるフリダ…。この一匹狼少女は、顔に似合わぬダミ声(!)と鋭い眼差しで新天地探検に乗り出すが、日常のすべてが挑戦の連続だ。それをカタルーニャの自然と、おじさん一家の包容力が背後からしかと支える。
一人っ子同士のフリダとアンの距離が縮まり、姉妹と化すプロセスも実に楽しい♫ 嫉妬、羨望、競争心が露わになっても、同じ目線で世界を臨む“今この瞬間の遊び相手”は、かけがえのない宝物なのだ。夜中につるんで家の中をブラついたり、大人たちの目をかすめて笑いを共有したり…2人にしか通じない波動で、子ども帝国が築かれて行く―。
一方でフリダは、独り占めできる愛情のシャワーを絶たれたこと、二度と両親に会えない事実は、ウッスラわかっている。ただ、「死」をどう整理したらいいかの判断がつかず、宙ぶらりんな気持ちを内に抱えながら、周囲に向けて反発するかと思えば急に無防備に甘えたり、ときには孤独の牙城で妄想に耽ったりを繰り返す。映画は、そんな言葉にできないモヤモヤや、落ち着かない気分をすくい上げ、あえて野ざらしのままで進行。そっけない演出ゆえの破壊力には、想像以上の手応えがあった。
幼いフリダの葛藤は、「死」と対峙するときの我々の足取りと何ら変わらない。いやむしろ、子どもならではの理屈や、何としてでも首尾一貫したいと必死になる彼女の本能に、逆に多くの気づきを与えられる。死を自問自答しながら、毎日を生きるという離れ業…。喪の儀式は、遺された者の生が問われる時間なのだ。
また、少女ひとりに求心力を持たせて、場をかっさらうような映画にしなかったのも本作の非凡な点だろう。親代わりとなるエステバとマルダが、迷いながらも逃げずに本気でフリダの喪失をバックアップするスケッチをはじめ、少女を取り囲む人間模様がとても充実している。
亡き両親の痕跡も含め、スクリーンには絶えず様々な人物が出入りし、幼い身ながら彼女がすでに世の中の一員として生きている側面を立ち上げる。そう、世の中から照射されることで、フリダの姿はさらに重層化され、我々は彼女の未来をも思い描きながら、映画の時間に浸ることができるのだ―。
本作は監督の幼少期の体験をもとに制作。映画の中では明かされないが、両親の死因はエイズだった。フランコ政権崩壊後の90年代初頭のスペインでは、独裁政治から解放された喜びでドラッグが蔓延し、2万人以上もの人がエイズで亡くなったという。おおっぴらにしにくい問題と同時に、フリダ自身にも感染の恐れがあり、映画の中では「血」のつながりに光明を見出すこともあれば、「血」にまつわる影のエピソードも織り込んで見せて行った。
さらに言えば、そうした複雑で特殊な事情も含めて描きながら、なんの予備知識も持たないスペインの少女の“ひと夏”の体験が、我々の記憶を同機させ、改めて生の一回性をも痛感させるのだ。
ラストがまた素晴らしい!“バッタもん家族”をやってるうちにたどり着いた、無防備な一瞬がたまらなく美しい…。ここに記すのを躊躇するほど意表を突かれ、かつ、これ以上フリダの胸の内を物語るにふさわしい表現はない“究極のリアクション”で閉幕する。涙による幸福の寸止めと、背後に流れる不協和音めいた音楽まで…悔しいほどカンペキ★
ザンネンながら名古屋での劇場公開は終了(涙)。でも機会があればぜひ見てほしい1本。タイトルと作家名をしかとメモっておいてね!
『悲しみに、こんにちは』
2017年/100分/スペイン
監督/脚本 カルラ・シモン
撮影 サンディアゴ・ラカ
音楽 エルネスト・ピポ
製作 バレリー・デルピエール
キャスト ライラ・アルティガス パウラ・ロブレス ブルーナ・クッシ
PS 次回は10/13に更新します
ゆるゆるプラモデラ~ 📐
わ~い、わ~い、プラモデルもらっちゃったあ~♪
ある日、マブダチのダンナK男から、唐突に「これ、欲しい?」とプラモデルのハコを手渡されたの。K男はラジコン好きで、定期的にプラモデル屋に通う50代おっさん。ほとんど親戚のように行き来してる間柄だが、プラモデルのお裾分けは初めてで、「やったー!」と大はしゃぎ~。
我が家にTAMIYAがやってきたー!
やってきたのは『マンモス ダンプ(1/32ワイルドミニ四駆シリーズNO.13)』。兄がいるので、子供の頃はプラモデル=男の子の通過儀礼のようにながめていたけど、あたしにはあの“説明図”がウザくてさー、今までにじぶんで作ったのはちっこいの2個くらい(汗)。ただし、プラモのハコは、イラストも素材も、ずっと“萌え~”よ★ それと、中でクールに待機しているあのパーツ群!!!しんぼうたまら~ん♥
本当は組立たくない…(笑)
ずっとこの状態で眺めていたい…。だって、数珠つなぎになってるパーツは、レイアウトの極みだもん!しかも凹凸がリズムを生み出し、平面では得られない快感がある~。一方K男は、タイヤに萌え~とか(笑)。性的興奮ポイントといっしょで、人間の志向は実に多様。わかんないもんね(爆)。それではここいらでボチボチ始めましょう~♫
さーて、作るぞー!
何かにつけて、ルール通りを無視するあたしだけど、何せ40年以上ぶりのプラモデル。ここはイッパツ 大人になって、説明図通りに作ることにしました。ふむふむ、まずはシール貼りから始めるのね。簡単じゃん!確か昔はじぶんでカットして、水に浸した後でピンセットを使い…だったような…。しかもそこで必ずしくじったもんよー(爆)。
ボディ組立完了~★
K男から聞いた教えに従い、パーツはペンチでコツコツ切り離し、切り口にペーパーをかけ、組立ては快調に進行。接着剤不要のスナップキットだから、ラクチンラクチン♩そうそう、説明図に、ほとんど文章がないのには驚いた👀イラストと番号だけで誘導してくれるのよー。あたしの性格わかってんね。超ミニマムレシピ、取説の鏡だわ~。
早くもモーターくん出動🚘
動きの要になる部分も、あっけないほど仕組み化されてるんだね~。シャフトにグリスをさして、ギヤーをつけるだけ。「えー、こんなんでいいの?」ってかんじ(汗)。ギヤーは手順がわかるよう色付けされてるんだけど、カバーをしたら見えないじゃん。スケルトンにしたらカワイイのに~💠…とイチイチ注文の多いちんぴらです(笑)。
タイヤまわりにトライ👇
振り返ると、ここが一番難易度が高かったかも…。まず、ホイールの組立ては、同じものを4つ作るだけと思いきや、左と右があるみたいで…なんでやねん!それと、K男が惚れ込むタイヤ4個それぞれに、このホイールを突っ込むときの手探り具合がわからん!不可視の構造体=難解ってヤツですか?(笑)きっちりハマってパチっと音がしたときは胸をなでおろしましたあ~(大袈裟)。
タイヤとモーターの合体
モーターに六角シャフトを取り付け、タイヤ✖4を左右に配置し合体。電池BOKの組立もス~イスイ。ここまでくるとメカっぽさが味わえて、ちょっぴりワイルドだぜ~♫
ほら、いっちょあがり~🍴
あとはバッテリーを搭載して、ボデーをくっつければ完成!のはずが…やっべー!単三の買い置きが1個しかない。そういえば、説明図の冒頭に電池を2個用意しろって書いてあったけ(汗)。画竜点睛を欠きましたね。結局、言われたとおりにできないちんぴらです。で、そのうっぷんを晴らすべく、ここからはゆるゆるプラモデラ―編に突入だ!
わたしがやりたかったのはコチラ😊
お見立てごっこで~す。萌え~なパーツたちをイメージして、なーんちゃってTRUCKキットを自ら作成したってわけ。シャレですからシャレ(爆)。
ホンモノを隣に並べての記念撮影…呆れてやってください(ぺこり)。
でもいいわよ~、そもそもこれだと組立てる必要もございませんから(笑)。
もちろん化粧箱も手作り♫ へなちょこイラストを描き、なーんちゃってパーツをビニールに入れて格納すれば、これぞまさしくALLハンドメイド✋オリジナルの7/10サイズで仕上げました(爆)。最後にタミヤの★マークを切り張りすれば、カンペキ☄
おっとー、完成品のお披露目を忘れてた!
ちょうど自宅前がマンション建設中だから、重機を背景にパシャ📷 そして意外にハマったのが荷台に埴輪写真。ちょっとよくない?(笑)
実はこの段階でも電池を買い忘れてて…仮止めをして撮影(汗)。まだ1度も動かせてませーん。プラモデルファンのみなさま、邪道ですいません(ぺこり)。でもじぶんとしては、TAMIYAのサイトをチェックしたり、プラモデラ―たちの真剣動画にめちゃウケたり(マニアってホント素敵なバカ揃い!)、もらったプラモデル1個でガッツリ遊び倒せて「うーん、マンダム~♪」でしたあ~(笑)。K男に感謝感謝★
※動画解説『プラモデルができるまで』。懐かしい匂いの工場見学ごっこに萌え~♥
PS 次回は9/26に更新します
サクッとお江戸✑備忘録 2018夏
クソ暑い名古屋を脱出して2泊3日でお江戸へGO!ハッキリ言って、名古屋と比べたらどこも避暑地ですね(笑)。しかーしその反対に、胸の内は絶えずHOT🔥 今回足を向けた企画展が、たまたま予備知識のない未知の作家ばかりだったから、サプライズの連続で、わたしにとっては最も贅沢に美術と対峙する時間となりました♪まだ開催中の展示もあるよん!“ちんぴらピノキオ”をガイド役に仕立てて、ちょっくらご紹介で~す★
1本め👀『小瀬村真美:幻画~像の表皮』原美術館
▶御殿山をトボトボあがり、「小瀬村真美(1975~)?誰それ?」なーんて調子で、ノー天気に初対面を果たして大正解!“知らない”って、炊き立ての白飯並の威力がありますね(笑)。
▶ところが文章で紹介するとなると、難易度はかなり高いよ~、困った(汗)。(ちなみに受付で配布されるご本人による展示解説文がわかりやすくてとてもイイ!斜め座りして自作と向き合っている風な印象で、鑑賞の伴走にもってこいです✌)
▶小瀬村作品のほとんどが、映像や写真の形で並んでいるんだけど、絵画の構図が意識されているからか、遠目には写実絵画に見えるわけ。でもって、見覚えのある絵画みたい…と思って近づくと、絵の一部がゆるりと動き出したりしてギョっとする一幕も―。目を凝らせば凝らすほど実体はほどけて朦朧となり、イメージが定着しないんだよね。
▶おそらく作業としては、すっごく丹念に仕込んだハッタリの連続と組合せ。ところがハッタリ✖ハッタリが、なぜか“作り物に見えないわけよ。むしろ虚像が呼吸し始めるから驚いた。なんだろうこの艶めかしさの正体は…単なる動画で終わらないの。作品の背後にたなびく「時間」が作用しているとしか思えないんだけど―。はい、そこでアホなわたしは、なーんちゃって小瀬村にトライ(笑)。ちんぴらピノキオをコマ撮りだ~♫
▶バカですね。これじゃあただの連続写真じゃねーの😞。挙句の果てには、冷蔵庫に転がってたトマト🍅で無理やりオチをつけて失速。《素人は続けるほどに墓穴掘り―。》小瀬村真美さま、あなたの作品は引続き追っ駆けさせていただきます(ぺこり)。※9/2まで開催中。急いで!
2本め👀『ゴードン・マッタ=クラーク展』東京国立近代美術館
▶ある日、画家のマブダチSから送られてきた画像を見てぶっとび!何これ?おうちをぶった切ってるじゃないの~ひぇ~。「8時だョ!全員集合」のセットじゃないんだからさ~(爆)。
▶作者の名はゴードン・マッタ=クラーク(1943-78)。70年代に活躍し、ずいぶん前に死んじゃってる人なんだけど、一体どんな狙いが制作背景にあったのか、気になってしょうがなかった作家なんだよね。はい、そこで目下開催中の、没後40年アジア初の回顧展へ突撃!面白すぎて3時間以上も滞在しちゃったよー(汗)。
▶例えば建物解体なんてひっきりなしに繰り返され、目にしたことがある光景でしょ?なのに建造物が絶妙のバランスで巨大彫刻へスライドしたと思ったら、やがて天地と共振するような未知の空間にヘンシン…な~んてことが繰り広げられるわけですよ(映像で体感)。切断が始まり、太陽光がゆっくり屋内と屋外の境界線をとっぱらって行くプロセスの美しいこと!キザな言い方をすれば「永遠」を目撃した感さえあったなあ…。
Gordon Matta Clark Exhibit at Whitney walk through with Jane Crawford
▶ゴードンの創作活動は35歳で夭折するまでのわずか10年ぽっきりのこと。でもこの間、都市を舞台に様々な方法でARTの概念を軽やかに押し広げる活動をしていたの。しかもそのすべての振る舞いが、悔しいくらいカジュアルに世界を再編集してて唸った!咄嗟に、天沼矛(あめのぬぼこ)で “こおろこおろ” と掻き回すあの古事記の名場面を思い出しちゃったよ~(笑)。さてそこで、わたしもじぶんの持ち物を再編集♫
▶上下が別れるこちらの5品➡けん玉、蟹型の小皿、鶏ボンボン入れ、ミシュラン人形、ちんぴらピノキオをモチーフにして、世界を再編集!まさにスプリッティング?
▶冗談はさておき(汗)、回顧展はたくさんの関連資料も目撃できる貴重な場となっております。9/17まで開催、ぜひ★
3本め👀『杉浦邦恵:うつくしい実験』東京都写真美術館
▶誠に失礼ながら、お名前さえ知らず、庭園美術館へ行くついでにたまたまのぞいた企画展。いやー、これまた出ました炊き立て白飯!カッコいいったらありゃしない~。
▶杉浦邦恵(1942~)は、20歳で単身渡米し、60年代後半からNYを拠点に活動を続けるアーティスト。写真技法を使った表現だけど、いわゆる伝統的な写真家とは違うし、むしろ既存の写真フォーマットをいかに逸脱するかに体重をかけて制作している風でしたね(奇しくもゴードンと同じ世代&同じNYで活動してる!)。そう、タイトル通りうつくしい実験の連続!…これがことごとくキマッてるんですよ~。例えば70年代に制作された写真とカンヴァスを組み合わせたこのシリーズ、さりげなくクールでたまらんかったです♥
▶国内で開催されるの初の回顧展は、年代順に作品が並び、新参者にとっては全貌に触れやすかったわ♫「へー、これを作った後に、こんな方向へ展開するんだあ…」と、50年間の「質」と「量」と「軌道」の全部に浸った気がします。その一方で、時代をシャッフルしたとしてもすべての作品がピンで立ってて、「たった今、すーっと生まれ落ちました…」という顔つきにも映るの。あまりのフレッシュさに思わずめまいが(笑)。
▶たおやかなんだよなあ…杉浦作品。「実験」につきものの前のめり感がゼロ。それでいて、しかと我が海馬に組み込まれてしまうほど印象的でした。よってちんぴらピノキオも今回はしっとりめ?で登場です(笑)。
▶会場の外でループ上映されている映像作品もお見逃しなく!中でもひたすら喫煙者たちをつないでゆくシリーズは、「世界の車窓から」とは真逆のそっけなさ編集の極みなのに、もてなし感はそれ以上♥ 9/24まで開催。小瀬村展と併せて見るのも◎
4本め👀『ブラジル先住民の椅子』東京都庭園美術館
▶お次は椅子😊 アマゾン河やシングー川流域で暮らすブラジル先住民の人々が手掛けた一木造りの椅子たちが、アールデコ様式の庭園美術館と朗らかにコラボってます。
▶今回の展示は、ベイ出版というブラジルの美術系出版社のコレクションから選りすぐられたものだって。その大部分は、野生動物をイメージソースにした造形美でどれもこれもインパクト大!また、フォルムや装飾性に、部族ごとのオリジナルの味わいがあり、違いを見比べながら鑑賞できて興味深かったよ。そして、そんなプリミティブなパワーをぶつけても、さらりと受け入れてしまえる旧朝香宮邸の洗練度にも改めて感服★
▶先住民にとって、椅子は男性だけしか使えない伝統があったんだって~。それと、超ユニークだったのが、「エイ」をモチーフにした椅子!あの美味しいエイヒレの「エイ」本体に、どうして座ろうという発想がわくのか…謎。生態を身近でウォッチしてる証か?空飛ぶ絨毯のイメージか?わたしには妖怪の一反木綿に見えるんですけど(汗)
▶そうそう、動物たちの「目」のあしらいもシャレてたよ~。やたらちっこくて、貝が張り付けられてるパターンが多かった。目が小さい➡キャラ立ちしない➡寡黙で詩的➡邪魔にならない➡長く愛用…そんなかんじ(笑)。さてちんぴらピノキオ用の椅子のモチーフは、お友だちのカラス!ただし厚紙仕様のため、体重制限ありです(汗)。
▶ベイ・コレクションのことが気になって検索したら、子ども向けにこんなワークショップをやってた!わくわくするぅ。さすがにブラジルにはサクっといけないが…(涙)
5本め👀『巨匠たちのクレパス画展』損保ジャパン日本興亜美術館
▶ラストは絵画の競演で締め括りましょう♪ 今回唯一の絵画展、それもクレパス画に限定した展示は、材料の特性もあってか、ガラに似合わずツイ郷愁に誘われてしまいました。だってクレパスは学校教材だったもんねー。幼い頃の体験の刷り込みってすごいな~。夏休みの絵日記もクレパス✎で描いたし~、ラジオ体操といっしょだね(笑)。▶出品作は何と152点。ご贔屓作家たちにはヨダレをたらし、初めて知った作家たちは帰宅後にググり…、鴻池朋子や天明屋尚のクレパス作品まで登場するから驚いた。そしてわたしが最も気に入ったのが鳥海青児(1902-72)の2点―『皿といちじく』『黄色い人』。ラッキーなことに、どなたかがUPしてくれてて再見できました!
▶クレヨンとパステルのいいとこどりで生まれたクレパスは、1925年に日本で発明された画材です。やっぱ使ったことがある画材だからか、見てるうちにムショーに描きたくなってきた~。そして自動的にあの匂いも鼻の先に立上っちゃった(笑)。
▶押し入れから引っ張り出してきたクレパス&クレヨンで、ちんぴらピノキオ夏の想い出編、いっちょできあがり~。
▶というわけで、ちんぴらピノキオをガイド役にした『サクッとお江戸✑備忘録 2018夏』編、いかがでしたでしょうか…。特に、初めて目にした小瀬村、ゴードン、杉浦の、理系アプローチの創造性には、本当に魅せられました。いやはや、世の中は宝の山ですね♫ 引続きお宝探しに精進させていただきます(ぺこり)。
PS 次回は9/10に更新します