日記はともだち 📓

あけましておめでとうございます。

我がブログも、3年目に突入しました(パチパチパチ)。本年も“ヒマつぶしの友”として、ちんぴらジャーナルをご贔屓に(ぺこり)。2018年、さて「何から書き始めようかな…」とボンヤリ考えていたところ、「そうだ、まだ紹介していなかったコレだ!」とひらめいたのが…日記に関するあれこれです★ すでに日記がともだちになっている人も、日記と聞いただけでゲンナリする人もいるでしょう。―が、ここはひとつ年の初めにふさわしいお題で、“エアー日記”ごっこでもして寛いでみてくださ~い(笑)。

 

『日記をつける』を読む

荒川洋治『日記をつける』(岩波アクティブ新書)という本を知ってますか?15年以上前に出された本ですが、贈り物にしたり&薦めたりしたこともある、わたしのお気に入りの1冊です。冒頭で荒川氏は、人が体験する様々な日記をサラリと紹介してくれます。それも絵日記から始めるんですよ~、キャハ♫f:id:chinpira415:20180112183151j:plain◆でね、なんと荒川氏は郷里に帰り、ご自身の小学校1年生のときの絵日記を見つけ、先生が赤インクで描いた感想を紹介してるんです。これがタマランのです!わずか2ページ半のエピソードなんですが、瞬く間にじぶんの体験が蘇り、おそらくすでにお亡くなりになっているであろうわたしの担任だったK先生の書き文字が鮮明に思い浮かんじゃったの(涙)。そう、人には多かれ少なかれ必ず日記体験がある。その先陣を切るのが絵日記だったことに遅まきながら気づきました。あー、とっておけばよかった…7歳のじぶんと出会えるチャンスだったのに~!

f:id:chinpira415:20180112191650j:plain◆もちろん本の中身は絵日記だけではございません(笑)。日記のつけかた、日記のことば、つける順序、名作日記紹介など、穏やかな語り口とシャープな視点で日記にまつわるあれこれが綴られていて、何度読み返しても感服してしまいます。

 

…日記は、自分を笑うことでもある。「うれしい」なんて書いたりして、いいのかな、調子に乗りすぎではないのかななどと思いながら、筆はその「うれしい」ということばに、つながろうとする。そして自分の書いたことばに、にっこりする。「ばかだな」とも思う。自分の批評家がひとり生まれる。その批評家はときどき現れ、消えていく。日記をつけることは、自分のそばに、自分とは少しだけちがう自分がいることを感じることなのだ。その分、世界はひろくなる。一日もひろくなる。新しくなる。…(荒川洋治「日記をつける」より)

 

本文の最後に書きしたためられたこの一節を読み返すたび、「日記っていい奴だなあ…滋味深い相棒だなあ…。」と思わずにいられません。そして、日記というアクションの本質を突いたことば―“自分の批評家がひとり生まれる”―には、つたない表現だろうが惰性だろうが、じぶんの他にこの批評家になれる幸運がないことに気づかされ、思わず胸が高鳴ってしまいます。日記をつける人にもそうでない人にも、強くオススメしたい1冊です。

 

日記と名がつく読みもの

 ◆日記は文学として扱われてもいますよね。で、学校の授業で習う日記文学の王道が、土佐日記だったり紫式部日記だったりの古典じゃない?申し訳ないけどあれはマズイ(汗)。絵日記から始めたリアル体験なのに、数年後には、絵はないわ&意味不明のコードが使われるテキストの解読だわで、日記=文学+古典⇒敷居が高い という刷り込みになってしまう…(それがイイ!と思われる方は素晴らしい~★)。日記文学には隣の庭を覗き見する俗な愉悦があります。でもそれは、じぶんの庭にもそれなりに芝生が生えて初めて比較して眺められるから面白いわけで、日記と名がつく読み物との出会いは、大人になってからこそ貴重なんですよね。

f:id:chinpira415:20180113110957j:plain◆現在私の手元にあるのはこんなラインナップ。あえてタイトルに日記が入ったものを選びました。プライベートで書いた日記の書籍化もあれば、形式だけを借用したコラムもありますね。日記と名付けることで、逆に歯止めがかかり、じぶんをダダ漏れにしない含羞のある書き手がわたしの好みです。

 

日記、つけてます!

◆さて、さんざんエラソーなことを書き並べてきましたが、わたしの日記体験はここ10年ばかりのひよっこです(汗)。それまでは、ちょっと始めてはフェイドアウトの連続で、そもそも日記を通じてじぶんの毎日と向きあうような行為に興味が持てませんでした(汗)。一変したのは、うーんと若いマブダチMがつけていた10年日記帳に触発されたから。そんな日記帳があるのか!と、道具の発見で意識が変わったんです

f:id:chinpira415:20180113124545j:plain◆わたしが選んだのは博文館の5年日記帳。同じ日の5年分の記録が縦に並ぶ形式です。そう、荒川氏の例えを借りれば、1ページ開けるたびに、自分の批評家がMAX5人誕生している様子が眺められるってわけ。もともとが定点観測好きな性分ゆえ、これにはすぐにノレました♫ しかも1日がこの分量なんで、ハートより事象描写を優先し、スイスイ書ける書ける~。読み返すときも胸焼けがしません(笑)。

f:id:chinpira415:20180113131505j:plain◆2008年から始めて11年目。青いやつがニューカマーで、今年3冊目に突入しました!正直言ってわたしの場合、終わった日記帳を引っ張り出してまで読み返すことはありませんね。でも、「押し入れのあそこにかつてのわたしが眠っている…」と想像するのは悪くない。もはやそれはじぶんであってじぶんでないような距離感に変わります。書いてる瞬間だけはじぶん十分だけど、書き終わったら最も親密なともだちに早変わりする日記。やっぱ日記っていい奴なんです~(笑)。

 

お布施で生きる🎍

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◆さて年末年始、わたしの日記はマブダチたちとの交流話で花盛りになってましたよ~(笑)。K夫にはキットカットと郵便局がコラボったお年玉をもらい、帰省中のYちゃんからはマイブームお菓子3点セットをいただき(「ブルトンヌ」の缶入りクッキー、美味すぎてめまいが…)、Tからは空きカン再利用を見越しての鳩サブレが入り(笑)、Mがお正月飾りにと庭に咲く花を届けてくれました(涙)。

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◆いただきものが、エピソードとともに次にウチに遊びに来てくれるマブダチのお茶菓子になる…という相互扶助数珠つなぎ。これを称して「ちんぴらさーん、お布施で生きてますね!それ、新しい~」と言われました(笑)。いやはやなんとも、ありがたいことです。せめて家庭料理の腕を磨き、お招き体制を整えておきますので、今年も夜露死苦お願い申し上げます★

 

PS 次回は1/28にUP予定です