オモロいわぁ~😊『古事記』(読み比べ編)
前号に引き続き『古事記』特集をお贈りしま~す♫
さて、『ラノベ古事記』の読了寸前でテンションMAXになってたときに、例のマブダチMがしれーっと「でもこの本は,古事記の最初の 1/3 のイワレビコが生まれるところまでなんですよね~」。…おいおい、それはないだろう~(汗)、遅出しジャンケンにガックリきのこになったわよ(汗)。Webで続きも読めると知ったけど、昭和36年生まれはやっぱ本にこだわって、困ったときの図書館頼みに猛ダッシュ。そこで戦略変更。神さまの話から代々の天皇の話へ移行する『古事記』の中巻&下巻へ読み進めるのは一旦お休みにし、愛着を感じた上巻のバージョン違いを楽しもうと目論んだのであります!
読み比べ1冊目に選んだのは『橋本治の古事記』(講談社)。敬愛する橋本センセイ♥ やっぱ『古事記』も現代語で蘇らせていたんですねぇ、さすがです(ぺこり)。これがねー、女主人調語りでグッとくるの。岸田今日子や市原悦子のナレーションを想像してみてくださいな~♫ ゆったりと神秘的に構えながら、語りの底に冷え冷えとした肌触りが立上る、何とも大人な味わいなのよ。思わず息をひそめて読み耽りました。
橋本センセイの古事記の特徴を3つ挙げると…
- 「序」は琵琶法師調「本編」は女主人調のトランスジェンダー 語り
- 神さま、土地、モノなど、名前の由来を丁寧に言及しながら進行
- 上巻に収められた8種の歌すべてが現代語訳で今に蘇る!
響きがいいのよ~。『ラノベ古事記』が、チャラ男のオオクニヌシをはじめとしたわんぱく男子校の冒険譚だとすると、橋本センセイ版は女たちのスゴ味を堪能させる流麗な絵巻物風。なにせ古典を現代語で蘇らせた本家本元は橋本センセイですからねっ!その橋本センセイが、ここではグッと渋く年増女な貫録を匂わせて腕をふるっているからゾクゾクしちゃったなあ。例えばあの三貴神誕生のくだりはこんな調子―
イザナキの命は、アマテラス大御神におおせになりました。「あなたは、高天原をご支配なさい。」 イザナキの命は、つぎにツクヨミの命におおせになりました。「あなたは夜の国をご支配なさい。」 そして最後にイザナキの命は、タケハヤスサノオの命におおせになりました。「あなたは、海原をご支配なさい。」―(本文より)
イザナキは男神。なのに独り(!)で3人の尊い神さまを産んじゃって、そこで口にするのがこのセリフ。「ご支配なさい」は、性別を超えたトランスジェンダーな香りがして、実にしっくりきたんだよね~。そうそう、橋本センセイの書き下ろし新刊本のタイトルはなんと『草薙の剣』。ヤッタ~、引続きご教示をお願いできそうだわ!
そして読み比べ2冊目に選んだのは『絵物語 古事記』(偕成社)。はい、出ました、これまた傑作!古典中の古典、しかも“天地のはじまり”の物語となれば、「きっと上等な児童書版が出てるだろう…」と目星をつけ、子ども図書コーナーで物色した1冊なの。文章は富安陽子さん、挿絵はアニメーション作家の山村浩二氏、そして古事記研究者の三浦佑之氏が監修を手掛けています。
こちらはつかみに勝負をかけ、「序」をすっ飛ばして出発進行!児童向け図書には“あり”でしょう~。ページをめくれば「国生み」の章、その語りはこんなかんじ…
なになに、この国のはじまりのことをしりたいというのかな?よしよし、話してあげよう。 でも少々長い話になるぞ。なにしろその物語は、むかしむかし、大むかし、まだこの世の形がさだまらず、なんにもなかったところから、はじまるのだからな。―(本文より)
ザ・翁調ですよ~。素敵でしょ?本編は13章に分かれ、それぞれ20ページ程度の分量でリズム良く構成されています。語りを意識したシンプルな言葉使いが美しくて、何度となく声に出して読みたい衝動に駆られたわ。そのうえ、黒鉛筆だけで全ページに添えられた山村さんの絵がすばらしいのなんの…マジで腰が抜けそうになりました(汗)。ほれみて、日本列島、できてるじゃーん!
『古事記』の上巻は、天地開闢を始めトンデモ話の連続なんだけど、それをことごとく絵にしちゃう山村さんの創造性に、ただただ感服(涙)。もはや、挿絵仕事の範疇じゃございません。新しい宇宙を生み出している感さえあります。もしかして山村さんがイザナキなのではないでしょうか?(笑)
ほらほら、お酒に引き寄せられて、ヤマタノオロチもずるりずるりとやってきましたぜ。ヤッベ―、音も動きも匂いも感じてしまいますです、はい。騙されたと思って、ぜひ手に取ってみてください。一家に一冊、必読の書です★
そして最後はビジュアル本!『古事記 日本の原風景を求めて』(新潮社/とんぼの本)です。「これ、どこのことなんだろう…」―『古事記』を読み始めると、神話の地に思いを馳せずにはいられなくなるの。物語の伝承地に行きたいよ~♪とそわそわしちゃう(笑)。そこで見つけたのが、サブテキストにもってこいのこちら―
さーすが芸術新潮さん、『古事記』の風景がくまなく取り込まれていて、至れり尽くせりな実写アルバムに仕上がっています。えー塩梅の写真ばかりで、“エアー古事記ツアー”を満喫!イザナキとイザナミが最初に作ったオノゴロ島を皮切りに、黄泉比良坂をふさいだ千引岩(ちっこ~い!)や、オロチの首から流れ出る血で赤く染まったという斐伊川に、稲羽のシロウサギの伝承地白兎海岸も!もちろん神さまたちを祀る神社もどっさり登場~★
驚いたのは、高千穂にあるアマテラスゆかりの天岩戸神社の近くに、神さまたちが作戦会議をしたあの天安河原(あまのやすかわら)があるらしいのよ~。つまり、わたしがインテリヤクザと崇めるオモイカネさま♥が、ここで陣頭指揮をとったってことよね?いやー、もっともらしい気配が濃厚じゃないですか~。アメノウズメになり切って、踊り狂うステージとしても悪くないわよ(笑)。ニッポン列島、オモロすぎるぅー。
長年、神社はデートするのに最も好きなスポットだったけど、何が祀ってあるかなんてぜーんぜん興味がなく、ある種のインスタレーションとして体感してたわけ(汗)。それが今じゃ、物語性が先行しはじめ、映画のロケ地に見立てて想像するようになってますわ(笑)。出雲、高千穂、日向…いつか足を伸ばしてみたいなあ♥ この本は『古事記』全編を対象に、紀行文や最新研究ルポも掲載されてて、ちょっとおたくモードになれちゃう欲ばりな1冊。これで中巻⇒下巻への関心も、じわじわと高まってきましたあ~。
オモロいわぁ~😊『古事記』!
「見るなの禁」「穢れ」「禊」「国生み&国譲り」「蘇り」「美醜問題」「誓約(ウケイ)」「兄弟喧嘩」「母性と父性」「神殿」「天孫降臨」…。この2ヵ月、『古事記』を通して神話の世界に遊んでいたら、今まで使ってこなかった思考スイッチがONになり、絶えず脳ミソが喜んでる状態になってマシタ!次から次へと生まれる神さまたち、その誰もが全能じゃないからこそ、こうしてずーっとずーっと語り継がれているんだね。今の世の中に流布するドラマツルギーのすべてがここにある―古典はスゲーよ!
そしてつい最近、これまた何かと御託の多い(!)同級生のHに「古事記がオモロい!」と浮かれて共有したら―「『乞食(アッカトーネ)』ならパゾリーニだが、『古事記』なら、石川淳でしょう。格好いい訳だよ。読んでみらっしゃい。」と、結構なご助言がはいりましたあ~。イチイチ癪にさわるが、確かに石川淳と聞けば思わず食指が伸びる…。負けず嫌いの血が騒ぎ、速攻でアマゾン発注(爆)。いやはやこの後も、神さまに振回されそうな予感のちんぴらでしたー。
※本を物色する時間がない方に動画サービスを付けてみました★
PS 次回は7/10に更新します
オモロいわぁ~😊『古事記』(取り急ぎ 編)
「GWに読む本がないよ~。何かオススメある?」―そう口を滑らしたのが事のはじまり。何かにつけてゴタクの多いマブダチMから「古事記あたり、どうですか~♫」とススメられたときは、「ちっ、まためんどくさいモノを持ち出してきやがって…」と乗り気じゃなかったの(汗)。ところがドッコイ!Mから送られてきたのは、“キャラ萌えしながら読める新訳古事記”『ラノベ古事記~日本の神様とはじまりの物語』(小野寺優/KADOKAWA)だったのよ~!
あのー、関係者のみなさまには誠に申し訳ございませんが、年も年なんで、キャラ萌えは一切ありませんでした(汗)。―が、じぶんにとっては、様々な角度から発見の多い読書体験となったのであります、はい。なにせ『古事記』は現存する日本最古の歴史書と言われています。国宝の真福寺本はこのとおり…全部漢字(汗)。正確に言えば、読まないというより読めない⇒興味わかないもの扱いにしてたってわけで~す。
ちなみに50数年生きてきて『古事記』に関するわたしの予備知識は以下のとおり
- 日本列島誕生秘話が書かれている
- 下ネタ満載のトンデモ本
- 主人公は長ったらしい名前の神さまたち
以上おしまい。要はなーんにも知らなかったんですわ(汗)。もちろんそんなスペシャルな書物だから、多種多様な訳本や解説本が出てたり、漫画化もされているんだろうなあ…とは想像してましたけど、まったく無視して生きてましたあー(笑)。そう、古事記はなくても渡世は送れちゃうんですね~★ ただ、どうしてスイッチが入らなかったかを今一度考えてみると、
- 神さまのことを人間の言葉で語ったら神さまじゃないよ~
- しかも神さまをキャラ立ちさせるのってどうなのよ~
- 歴史書=お勉強モードを強要されそうで敷居が高いわ~
なーんていうあたりが気になって、つまり「神さま」をボンヤリした得体のしれないモノとしてKEEPしておきたいわたしとしては、「天地のはじまり物語」には興味津々♥でも「神さまの具体化」はイヤ だったみたい(笑)。※余談だけど「神さま」をスンナリ受け入れられた唯一の具体例が、熊谷守一の書なんですね~。
取急ぎ編なのに前置きがクドイ?ですよね~。はい、そこで『ラノベ古事記』の紹介です!712年、元明天皇に献上された『古事記』全三巻のうち、上巻の神話部分がこの1冊にラノベ(ライトノベル=軽小説)語りでまとめられています。もともとは、著者の小野寺優さんが2013年に古事記の魅力にハマり→サイトを立ち上げ→人気爆発→晴れて書籍化!という経緯で仕上がった本。1300年以上も昔に作られた書物が、現代の若者言葉を使ってWebで語り継がれ、多くの人々の心を再び魅了する…なんだかこの流れ自体も神話的じゃな~い?(ご参考までにサイトはこちら―)
さて本編。まず注目したのがしょっぱなの「序」のくだり。そこには『古事記』編纂という大役を担った太安万侶(おおのやすまろ)ご本人による制作秘話が述べられていて、このプレゼンシーンでイッキに“お話読みたい”スイッチON!そう、ここから時間をさかのぼって、むか~し、むか~しの神話がはじまるっていう仕立て。映画の冒頭でよく目にするテクよね★ なんで、第一章「天地開闢」のページをめくれば、自ずと脳内にオープニングテーマ曲が流れ出し、ワクワクする幕開けとなったのであります♫
Star Wars - Opening Scene (1977) [1080p HD]
映画と見立てれば話は早い!なにせわたしの十八番ですから~(笑)。神さまだろうが悪魔だろうが、天国はもちろん地獄だって、受け入れちゃうわよ!「敷居が高い」が⇒「娯楽映画なら何でもあり!」にちゃっかり心変わり~(笑)。それに『ラノベ古事記』には、見開き2Pで古事記の世界観挿絵がついてて、このザックリした見取図がいい塩梅の補助線になってくれるのです。
そして『ラノベ古事記』一番の呼び物は、いまどき会話とノリのよさ!例えば国作りのミッションを告げられたイザナギとイザナミは―
「ねぇ、イザナギ!早く天浮橋に行こうよ。葦原の中つ国に行くんでしょう?私、まだ見たことないの。イザナギは行ったことある?」
「いや…行ったことは無いけど、見たことならある。でも何も無かったよ。あんなところに国を造れとか 意味わかんない。」
はい、全編こんな調子です(笑)。でも、あざといウケ狙いで走っている印象はまったくなく、品格もちゃんと保たれているし、むしろ初々しかったりするのよね~♪ そんなことより、読み進めながら驚愕の事実が発覚!
子どもの頃に親しんだあの、ヤマタノオロチ、因幡の白兎、海彦&山彦や天の岩戸のお話が、『古事記』の中から抜粋されたエピソードとは…恥ずかしながらツユ知らず…(汗)。思わず「うそォ~!」を連発してましたあ~。「ボーっと生きてんじゃねえよ!」ってチコちゃんに叱られそう…。そんな大ボケなわたしだから、各章の扉ページに掲載された「神さま相関図とキャラ解説」も、とっても重宝しちゃった★
知らんぷりしてたはずだったのに、実はすでに『古事記』のうわっつらだけは舐め回していたんですね。そして本作で初めて全部をつなぎ合わせて読みふけったら、想像以上にオモロくって、読んでる端から誰かに話したくなってタイヘ~ン(笑)。とにかく神さまたちが万能とは程遠く、しかも同じしくじりを代々派手に繰返してくれちゃって、ツッコミどころ満載なんだもん!そのトホホ加減を伝えるのに、ラノベ語りはもってこいなのよ~♪
こうした会話の軽妙さには、物語を耳から味わう快感もあって、NHKFMの朗読番組『青春アドベンチャー』を聴いてるみたいだった(笑)。「で、次はどうなるの?」と、ずーっと物語の中で遊んでいられるの。ただその分、神話そのものが持つ破壊力やうねりを堪能するのは、ラノベ版だけではちと物足りない気がしなくもない…。いや、これを機に、バージョン違いにトライすればヨシよね!天上界への最初の一歩にこの1冊はありですわ~!小野寺優さんはとーっても筋がいい書き手でした★
ってことで、俄かに古事記熱が沸騰したわたしは、関連書を探しにすぐさま図書館へGO!専門家だけのお宝にしておくのはもったいない金脈だもんね。取急ぎ編では、内容にまで踏み込めなかったから、引き続きもうイッパツ『古事記』特集やっちゃいマース♫ (行きてぇ~、出雲!)
PS 次回は6/24に更新します
魔法のじゅうたん☆彡
これ、な~んだ?
我が家へ来た人にはお馴染みの手作りヨガマット、その名はタロウくん!テレビの前に敷き、ゴロゴロ転がりながらストレッチするのに重宝してる実用品です(笑)。もう何年も前に、手洗いに失敗して縮んだセーターや、履き古したパンツ、毛足の長いボアなどを、テキトーに縫い合わせて作った冬用の敷物なの~。これが、なぜかとーっても好評で(汗)、来訪者はツイこんな風にやってみたくなるようです(笑)。
どいつもこいつも、アジの開きかよ~!とはいえ、タロウくんは毛むくじゃらなんで(汗)、そろそろ片付けようと天日干ししてた某日、たまたま通りがかったKくんが写メして送ってくれましたあ~。バカウケ!
アジの開きがベランダにデロリ~ん。一抹の侘しさ漂う昼下り也(笑)。
夏用ヨガマットを作る!
そんな重宝アイテム・タロウくんの夏版を作ろうと思い立ち、3~4年前にキルティング布を買い置きしてたんだけど…。なにせクソ暑い名古屋の夏、布を広げて作る気にはなれず、お蔵入りに―(汗)。今回、それをようやく引っ張り出してきて、GW中の2日間を費やし、遂に完成させたのだあ~。その一部始終を本邦初公開★
まずは、手足となるパーツを押し入れから物色。夏用と言いながら、またもやセーターなのが舌打ちもんですが(笑)、ニットの重みが意外と重要なのよ~(汗)。
それに、素材違いが完成品にリズムを生み出すわけよ。どんな組合せがいいかな…と、床に並べてイメージを固めてゆく作業が、いちばんウレシ苦しい至福の時★
やることと言ったら、すでに30年以上使い続けている電気ミシンで、背中丸めてせっせと縫っては床に置き、床に置いてはまた縫い続け…の繰り返し(汗)。何せラフスケッチさえないまま、行き当たりばったりで進めたからね~。ふーっ。顔以外の身体パーツを全部作り終え、縫い合わせて一体化したところで1日めは終了。すでに日はどっぷり暮れ、ハラ減り~。ところが、夕飯を食べた後に遠目で見直したら、白無地ニットの足2本が、股引きにしか見えなくて(汗)―。せめてハイソックスに見立てようと、上からレース布をチクチク縫い付けましたよ(爆)。一体化した後の作業はタイヘンタイヘン。もちろん腰痛(汗)。付けても付けなくても、ぶっちゃけどっちでもいいんだけどね。“神は細部に宿る”なーんていう箴言を、どこか意識してるじぶんが 小っ恥ずかしい~(爆)。
作業2日め!
朝もはよから作業開始。今回のメインデザインは、picassoの愛人ドラ・マールの肖像画風です。とびっきりのべっぴんさんかつ、もれなく横顔もついてくるという、1粒で2度美味しい顔面イメージ。はい、はい、タロウくんのパートナーはドラでキマリ♥
もともとドラにする気もなかったんだけど、頭の部分の茶のキルティングが足りなくてはぎ合わせで対処⇒ちょっとプリミティブアートみたい…⇒だったらピカソに倣え!⇒正面横顔合体キャラ…という流れ(爆)。テキトー万歳!
この辺りになると、先が見えてくるから、あれこれ盛りたくなるのよね~。はい、お調子もんです♪ というわけで、予想以上にエスカレートしてしまい、気づけばパイオツにはレースのコースターをあしらい、脳ミソはボディ部分に繋がり…嗚呼。昼前には完成するはずの計画が、本日も夜まで延長…背中ガチガチ(涙)。
でも春先の作業で、ホント助かったあ~。夏場だったら寝込んでいたわね(汗)。で、こちらが完成したドラの全身像ですわ♫
「人間?動物?いずれにせよ、しっぽ、長すぎじゃね?」とツッコミが入りそうですが、ドラは人面猫ってことにしておきましょう。背負うとマタギにもなれます。
しばらくはこれで、夏場もストレッチのモチベーションは上がりそうですな★いちおうちゃんと洗濯もできるように仕立てたしね~。ラストは最強のツーショットで―。
PS 次回は6/8に更新予定です
おみや🎁げ~★
なぜか、食い物をいただくことが、めちゃ多いの…わたし(汗)。そんなにハラペコな顔をしてるんだろうか…(笑)。いやいや、顔はどうあれ、まっこと、ありがたいことです、はい!何せ食いしん坊だから、どんなものでも「わ~い♪、わ~い♪」と即飛びつきま~す。ただ、美食家とは程遠く(汗)、すぐに忘れちゃうので、最近はポツポツ画像で保存。「絵」で見直すと、鼻の先に味覚が蘇ってくるから不思議…。今週はそんな食い物みやげの備忘録を綴っておきますね~。
甘いもの、入りましたあ~★
▶あらかじめ告白しておくと、わたしはトレンドの食い物にはまったく無頓着で、メーカー名も原材料も覚える気がない怠慢野郎。別の友人にお裾分けするとき、逆に「これなかなか買えないよね~」とか「食べたかったのよー!」と、世間の相場観を教えられることもしばしば(汗)。
▶さて、食べることに脳ミソの8割を使っている“さすらいの食いしん坊”Kちゃんが、「まあ、フツーに美味しいから、おやつにでも食べて」と、バレンタインDAYに持参してくれたのが、「es koyama」と書いて“えす こやま”と呼ぶお店のこちらのチョコ。好き好き!そうなのよ~、わたしには「フツーに美味しい」が最もありがたいラインなのよー!(ちなみにチョコのお味はフツー以上でした…笑)
▶Mさんがハマっている京都・宇治園の「茶時」は、こんなちっこいのに、ほうじ茶とクリームチーズとアーモンドの3風味合体技がカンペキに決まった優れモノ。「タカシマ屋の英国展で見かけたの~」とRが持参してくれたクッキーも大穴だった★レモン風味のクリームチーズがコーティングされてて、クセになる美味しさ。パッケージも◎
▶Yちゃんが送ってくれた昔懐かしい缶入りドロップは、桃太郎JEANSと岡山県産清水白桃のコラボ商品。勤務先で毎日しゃぶって和みましたあ~。そうそう、これも美味しかったなあ…祭日ランチ会の手土産に、KYちゃんが買ってきてくれた成城石井のフルーツロールケーキ♬食後のコーヒータイムに、思わずホホがゆるむ~。
▶最近一番ウケたのがこのどら焼き!わたしのマブダチの中で、最も偏差値が高く&クソ生意気なワルガキOが「どうっすか、これ!菊のご紋入りですよ~!」と持参した東京土産。意表を突かれたわ~。皇居外苑っていうネーミングもズバリすぎて、版権問題どうなってんだ?と2人でさんざんネタにして盛り上がっちゃいました(爆)。
塩っ辛いものも、入りました~★
▶どちらかと言えば、塩っ辛いものの方が好きなちんぴらで~す。「フツーに美味しい」塩味お菓子と言えば、やはりポテチでしょう!Yちゃんが送ってくれた「農協チップス ふらのッち」(うましお味)、初めて食べたけどかなりうま~い!触感&塩っ気、ほとんど惣菜並のクオリティ。もはやお菓子じゃないよー、ふらのッち!
▶あいちの伝統野菜、八事五寸ニンジンを使ったお煎餅があるの知ってます?Mちゃんにもらったこのお煎餅は、甘じょっぱさが絶妙。ニンジンそのものの甘さがすんごく活きてて、つまみ出したら止まらない(汗)。伝統野菜、恐るべし!
▶お菓子女王、マブダチKが太鼓判を押すのが「田舎のおかき」。いやー、これは確かに革命的なおかきです。しょうゆ風味の香り高いことと言ったら…専門店も顔負けレベル。ほんの少しの甘みが後を引く引くぅ~。これをひと齧りしたら、部屋中おかき臭で幸せモード全開よ!マジにヤバいっす。
旬のもの、入りました~★
▶季節を添えた食い物みやげも嬉しいサプライズだわ~。Mがくれた節分福豆チョイスはミニお面付(笑)。Hさんが届けてくれた端午の節句駄菓子セットも可愛いったりゃありゃしない~。 日本人に生まれて、ホントし・あ・わ・せ♥
▶そうそう、今春は、筍のお裾分けもありがたかったなあ。筍ゴハン、筍メンマ、若竹煮…。腕を振るった筍メニューで連日食卓は花盛り~。O夫婦、いつもありがとー!
▶GWには、なんとこの時期に超珍しい、スイカまでお裾分けしてもらって大興奮!サイズは小玉なんだけど、これがことのほか甘くて…びーっくり!もしかして、スイカの旬は5月だったりして…今が狙い目かもよ。いやはや、長生きはするものですね(笑)。
主食、入りました~★
▶そういえば、もう1年くらい前になるんだけど、“さすらいの食いしん坊”Kちゃんが、ふらーっとパンを持って遊びに来てくれたことがあったの。「乃が美」の高級生食パン。イマイチありがたみがわかっていないちんぴらですが、その後売り切れ必至のお店だと知りました…(汗)。艶めかしくて色っぽい女の人と遭遇したような味わいに、思わず昇天してしまったわ。
▶さーて、本丸!お米が届いてほっくほくー♬ しかも2口も!あのワルガキOから「ふるさと納税を使ってみるんで、米送っておきますよ~」と届いたブランド米3セットと、Tからは誕生日プレゼントに極上魚沼産コシヒカリ(布袋入り!)が…。わぉ~。涙が止まりましぇーん。持つべきものはちんぴら思いの後輩ですね(笑)。これを機に、ちんぴらババアの朝食は毎日おにぎりでパワーUP★
▶せっかくなんで、すぐさまご近所のFにうま~い米をお裾分けしたら、土鍋でピカピカに炊き上げてくれて、生姜焼き付きおにぎり定食に―。う~ん、マンダム(爆)。
▶でもって、届いた米を持参して(まるでキャンプ!)泊りに行ったKんちの朝ごはんでは、あのSarabeth'sを超える世界一の手作り朝食セットが登場だあ~。白飯が貨幣以上の交換力を発揮したわけね(爆)。すんげー、年貢力。お米サマサマで~す。でも、ブランド米漬けで舌がフツーに戻らなくなったらどうしよう…若干シンパイ(汗)。
▶さらに関係各位から、白飯の友「かけるギョーザ」に「あさりの佃煮」まで届けられた端にゃー、幸せ過ぎてちょっとコワい…(汗)。とりあえず、この先食べられなくなる日がきても、この画像を眺めて生きながらえます…丑年だから唾液は十分だし…ねっ(笑)。
保存食、入りました~★
▶そして〆は保存食みやげだよ!ジャジャーン、こちらはご近所マブダチFのダンナがヘビーロテしてる冷食2品。「本格的な味だよ~」「何にも作りたくない時の腹ごしらえにして」とみやげに手渡されました(涙)。うまかったです、はい!
▶海外旅行みやげでいただく乾物類もすんごくうれしい~。輸入食材屋が日本にも増えたとはいえ、やっぱその国の日常の顔が土産話とともに届けられると格別なんだよね。
▶Hさんが撮ってきてくれた米国のスーパーマーケットの写真はまるで映画の1シーン!
―ということで、食い物みやげをいただきまくっているわたしは、相互扶助の関係性をはるかに超え、ハッキリ言って、貿易不均衡状態ですぅ~(汗)。感謝してもし切れませーん。死ぬまでには、なにか交換できるものを用意しますんで、みなさま、気長に待っててね(ぺこり)。
PS 次回は5/24に更新します
勝手にシネマ評/『かぞくへ』('16)
なにコレ? ズルいわ~。『かぞくへ』というタイトルに、若干身構えていたら、見せ方としては正真正銘のラブストーリーじゃない?しかも驚くべきことに、あの使い古しの“友情”が、ロマンティック・ラブ・イデオロギーに勝利しちゃうという革命的映画なのよ。はい、春本雄二郎初監督作品『かぞくへ』は、日本中の男子全員が間違いなくむせび泣く1本です(爆)。
ネタバレになるが、すでに開始5分で決着は付いている。都内のワンルームで暮らす旭(アサヒ)と佳織が、仲睦まじく食事の支度をしながら、半年後に迫った結婚式の打ち合わせをするシーンでのこと。両家の人数合わせに関して、旭はじぶん側の招待客は1人だと事もなげに答える…「洋人(ヒロト)がいればいいし」と―。どうやら旭は、身寄りのない施設育ちの生い立ちだとわかるのだが、そんな境遇を差っ引いたとしても、この一言は胸騒ぎを誘う。
「洋人がいればいい」って、どういう意味なんだ?マブダチには違いないだろうが、やけに確信に満ちたオンリーワン宣言で聞き逃せない。洋人っていったい何者?その後「洋人は結婚してるから嫁さんと2人だ!」と、思い出したように付け足すあたりがさらに不可解。世界は旭と洋人の2人だけで回っているのか…(汗)。開始5分で花嫁候補は蚊帳の外。佳織、だいじょうぶ?それにしてもすごいセリフだ―「洋人がいればいい」。
…というわけで、我々はマンマと“洋人よ、早く出てこい!”状態に焚きつけられている。そこで満を持しての逢瀬である。2人が待ち合わせをするのは、長距離バスが行き交うターミナルだ。あたりを見渡す旭の背後から→フイに待ち人の声が響き渡り→目の前にリュックが投げつけられ→タメをきかせてようよう洋人がお出ましになる。さらに映画は、2人をシャドーボクシングでジャレさせ、言葉より前に魂の交換をしているようなアクションで鮮やかにつなぐのである。おいおい、ここは放課後の校庭か!期待以上の再会シークエンスに思わず苦笑い…わたしが照れてどうする?(笑)
2人は、五島列島の同じ施設で育った幼なじみ。旭はプロのボクサーを夢見て上京し、ジムでトレーナーをしながら生計を立て、島に残った洋人は漁師になって今では所帯を持つ身だ。共に31歳。久しぶりに顔を合わせて島の言葉でくつろいだ会話が始まれば、2人の波動は自然に共鳴しあい、都会の雑踏は静かに書割りと化す。一見すると、いつの時代の話でしたっけ?とチャチャを入れたくなりそうな純朴青春パッケージだが、なぜか照れ臭さいのに、古臭くは見えない。むしろ血筋のいい友情が新鮮だった。すべてを飲み込み尽くす東京では、溺れないようにと、こんな友情の再確認ドラマが無数に営まれている気さえした。
束の間の滞在中、旭は洋人に商売の口を紹介し、洋人はマリッジ・ブルーの旭に励ましのエールを贈り、2人はそれぞれの持ち場へ帰る。思いやりのジャブ合戦にノックダウン寸前。その名残惜し気な空気の繊細なことと言ったら…タマりません(汗)。
いや、主役はもう1人、しっかり者の佳織もいるのだが…。こっちは新しい家族を拵える前に、古い家族に足を引っ張られ、少々お疲れ気味だ。祖母は痴呆が進み、旭の存在を認めない母とは平行線で、妹の将来までも背負う立場でしんどそう。何よりマズイのは、そうした事実を婚約者に打ち明けられない佳織の心の硬さにある。佳織よ、今からそんなにきっちり内と外の線引きをしてしまってこの先どうするつもり?でも、あのちっこい住処を基地にして、都会で人並みな生活を維持するには、息のあう相棒じゃないと難しい反面、逆に言えば相当顔色を窺い合ってもいるはずだ。一番大切な相手だからこその遠慮。彼女にとってのもたれ合わない線引きは、せいいっぱいの愛情表現なのかもしれない。
そこにアクシデントが降りかかる―。金の問題である。なんと洋人に紹介した商売の話が詐欺だと発覚。責任を感じた旭は落ち込み、借金を抱えた洋人の力になるべく深夜バイトを始め、佳織には式の延期を申し出る。じぶんをいっぱいいっぱいまで絞り込み、フォローしようと懸命に動き回る旭。ところがそんなひとり相撲が、友とも恋人とも微妙なすれ違いを生み始めるのだ。
家族のいない旭、家族が重荷の佳織、それぞれが理想の家族像を求めて出会い、かけがえのない絆を感じて結婚に至ろうという、ごく自然な流れだったはずなのに―。焦れば焦るほど思いやりの歯車が狂い出し、やがて書割りだった都会が前面にせり上がってくると、恋人たちはあっけないほどバラバラになる―。
若いのに苦労人の2人…。ピンチもあるのが人生だと身に染みているから、チームになろうと決意したのでは?今がまさに支え合いを発動するタイミングなのになぜ?…などと、ツッコミたい気持ちはやまやまだが(汗)、映画は丁寧に積み上げてきたものが、音を立てて崩れ落ちる過程に狙いを定め、予想以上の切れ味を見せる。
例えば出色なのは、登場するすべての人物の役柄とセリフがカチッとハマっているので、やたらLIVE感が渦巻いて見えるところ。中でも頻繁に映し出される携帯電話のやりとりには、対面コミュニケーション以上の悲喜こもごもが立ち上り、実に見ごたえがあった。そう、電話って見えない相手と手探りで会話している当事者の2人より、感謝もウソも詫びも怒りも、傍聴する我々観客の方が見通せてしまえる道具。映画=のぞき見のスリルに、うってつけのツールだと改めて気づかされたのだ。それと、お地味ながらジムの会長がいいのよ!生真面目で熱い旭の人柄を十二分に理解し、あえて遠巻きに伴走するその振舞い方が、ボクサーに寄り添うトレーナーのリズムになってて、印象深かったな…。
とはいえ、この映画の最大の武器は、ラストランにある。その詳細を書くのはあまりにも野暮なので、バッサリ割愛させていただくが、孤独と感情の高まりを一直線に結んで幕切れへとなだれ込み、つけ入るスキがない。映画は “洋人がいればいい”が、“かぞくがいればいい”にささやかにバージョンUPして終わる。慈愛に満ちた究極のラブストーリー、ぜひ劇場で堪能して―。(女子にはいささか分が悪い映画だけどね…笑)
『かぞくへ』
2016年/117分
監督/脚本/編集 春本雄二郎
撮影 野口健司
音楽 高木 聡
照明 中西克之
キャスト 松浦慎一郎 梅田誠弘 遠藤祐美
PS 次回は5/10にUP予定です
桜爆発、お腹いっぱい~
今年の桜は凄まじかったあ~!怖いくらい咲き誇ったよね(汗)。3月22日~2週間にわたって続いたピーカンで、どこもかしこも桜爆発★ 連日、風なし、寒さなし、雲なしの3拍子だったでしょ。満開になるのも早かったけど、満開持続力が意外に強力で、いつもよりたっぷり味わった人も多かったのでは?…
とはいえわたしは、自宅裏が桜の穴場の「水道みち緑道」だわ、毎日通勤時に「鶴舞公園」も通り抜けるわで、お花見が日常化していてイマイチありがたみが感じられない…(汗)。いやむしろ、朝からブルーシートを敷きつめて寝っ転がってる人を目撃しちゃうと、軽く舌打ちしたりなんかして…。すいません、了見が狭くて(笑)。
で、今年はちょっくら目先を変え、仕事帰りにまぶだちMんちへ足を伸ばし、1泊2日のお泊りお花見プランを実行!いやー、これがスマッシュヒットでした~★前夜がちょうど“14番目の月by荒井由実”でさー(笑)、Mんちの庭でタバコ吸いながら眺めるお月様のべっぴんなことといったら…しんぼうタマランかったですぅ~。熊谷守一の『宵月』('66)を思い出しちゃいましたよん(こっちは上弦の月だけど…笑)。
そして翌朝は、 Mんちの自宅前にある「牧野ヶ池緑地公園」で、満開の桜の下、ラジオ体操に参加!これ以上考えられないくらい健全なるニッポン人をやってみましたよ…妙に新しかったな。前日の暴飲・暴食・夜更かしも、これでチャラですね(笑)。
しかーし、これだけで終わらないのがちんぴらジャーナル!“健全さ”とバランスを取って、大人の“毒気”もブッ込まないとね~♪そこで登場するのが、鶴舞公園の桜祭り会場で見かけた射的遊技場の出店小屋です★どう?いいでしょ?楳図かずお先生もお気に召しそうな紅白のしつらえが、グッときますよね~。ところが、隣の小屋には商品が並んでいるのに、こちらはなぜか空っぽ…。
そこで、いつものごとく、友人たちに「ここに自由に的を置くなら何を並べる?」と尋ねてみましたあ(笑)。そう、『妄想射的小屋』のはじまりはじまり~。
▶トップバッターRは、私物から2点ピックUP。絵本作家ベーメルマンスの人気キャラクター「マドレーヌちゃん人形」と、シューズ裏のレッドカラーが決め手のクリスチャン・ルブタンのパンプス♪「これで若い女子たちが射的小屋に群がりまーす」だって🌸
▶2番手のFが並べたいのは「盆栽」。「歌舞伎名人のDVDを見てたからかなあ…。昼間は間抜けにみえるけど、夜にライトアップしたら鶴舞公園の桜のような猥雑感が~。でも打っちゃダメ、当然持ち帰っちゃダメ!」…らしい(笑)。3番手は体型維持のため日夜努力中のYちゃん。目下意識している「糖質OFF」を的に設定。ちなみにご本人による手書きの標語でーす。
▶4番手のKちゃんが選んだのは…「色々な国の色々な価値の紙幣の束。せっかく落としても、日本円に換算したら100円とかね(笑)」。いやいや、落としてもバックヤードで子ども銀行券に差し替えられたりして~。お次のKは土人形のお雛様セット。「一体ずつ落としてセットを完成させるのぉ。でも落としたら、割れるっちゅーの(笑)」と、ひとりボケ突っ込み。バカですね~(爆)。
▶海外ひとり旅好きのTは「地球儀」をチョイス。「射的小屋のおっさんにシャラ〜と回してもらい、当たった場所にGOする!みたいな~。」…確かに楽しそうだけど、それって射的じゃなくて、宝くじ抽選会のイメージじゃね?(笑)そしてわたくしの一品は、去年、彼の自伝を読んで恋した♥ノーベル物理学賞受賞のリチャード・P・ファインマン氏による生前の講義本です。
▶自慢じゃないけど1ミリもわかんないのよ、これ(爆)。世の中にはどう逆立ちしてもわからない世界があるのですね~。生まれ変わってファインマンにめぐり合ったら、速攻で「Take Me!」と口走るつもりですが、お勉強に関しては触れないでおこうと決めました(汗)。可愛さ余って憎さ100倍、ズドーンと撃ち落とします(笑)。最後を飾るのは、お泊りに行ったMの的!なんと、飼い猫3匹セットでパッケージ(爆)。
冗談冗談、射的禁止の招き猫で並べたいらしいわよ(笑)。手前からマミコ、チビ、三十郎。不思議な事に必ずこの順番でならび、年功序列だって~。というわけで、ぜーんぶひっくるめた『妄想射的小屋』を、デザイナーのFに頼み、再現画像に仕立ててもらいました~、いかがでしょうか~♪
それにしても…桜に大騒ぎする日本人。「そもそもなんで桜ばかりがこんなにもてはやされるんでしたっけ?どちらかといえば、梅の方が好みなんだけどな…(爆)」―そんな、わたしの疑問に、グイグイ食い込んでくれた本があります。歌人・水原紫苑の『桜は本当に美しいのか』。ファインマン物理学以上に歌心もサッパリわからないわたしですが(汗)、桜の文化は『古今集』によって創造されたとする説に興奮させられたのよ~。桜=“創られた伝統”…なんともスリリングな体験ができる1冊です。
来年もそれなりに桜に狂うんだろうな~(笑)。
PS 次回は4/24に更新します
サクッとお江戸✑備忘録
先週末、どうしても見たい美術展を追い駆けて、1泊2日の東京弾丸ツアーを敢行してまいりました!今年の冬はやたら寒く、心身ともに縮こまっていたんで、イッキに爆発したかんじです(笑)。頭の中が“真夏”状態になってる今のうちに、ぎゅぎゅっとメモっておきますね~♪ “赤”レンガ東京駅と、“白”旧東京中央郵便局の極上ツーショットをうっとり眺めながら(後ろの高層ビルが邪魔にならないこんな曇り空がベスト!)、まずは三菱一号館美術館へ―。
1本め👀『ルドン―秘密の花園 展』
▶植物に焦点を当てたオディロン・ルドン(1840-1916)の作品展。珍しい企画との触れ込みだけど、そもそもわたしにはルドン作品を集中的に見た体験がありません。辛うじて、フェミニンな花々や一つ目小僧(?)をモチーフにした幻想的な作品がチラっと思い浮かぶ程度…ドガとシャガールを足して3で割ったような画家だと勝手に捏造してました(汗)。関係者のみなさま、タイヘン申し訳ございませんでした(土下座)。
▶当たり前だけど、お手軽に画集をパラパラめくるだけではアカンですね。そこでは仕掛け側が意図する「編集」がされているわけで、つまりフィクションを前提にして受け取り&吟味しないと…マズイ。もちろん「編集」は上等なもてなし役にもなり、ナマ鑑賞をバックアップします★はい、美術展でも「編集」はキモ。どしょっぱつに掲げられる作品はけっこう用心深く見てますよ。ルドンの1枚目は、木炭で描かれた『木々の習作』(1875)、これがよかった!最初のコーナーに提示された補助線によって、「そっか、ルドンって“木”なんだ!」と開眼できたんです。この流れで魅かれた次の1枚。
▶『青空の下の木』(1883)。MoMA所蔵のこの小品が、わたしのお持ち帰りしたい1枚となりました~(笑)。で、同じコーナーの片隅には、ルドンの若い頃のメンターで版画家のロドルフ・ブレスダン『善きサマリア人』(1861)がひっそり並びます。腰抜かしますよ、このお師匠さんの世界観!放浪の果てに死に絶えたらしい人ですが、人間の想像力がここまで跳躍できることに、茫然となります。間違いなくルドンの創造性に火を付けた方でしょう…頭の中は無限の森だと!そして次の2枚もたまらんかったですぅ~。
▶シカゴ美術館所蔵の『預言者』(1880)と『植物人間』(1885)。寡黙なのか饒舌なのか判断が付きかねますが、圧が強くて目が離せません(爆)。わたしのベスト・ツーショットでした。とにかく他にも気づきが異様に多い展示で、メモを取りまくりましたが、一番意外だったのはドランが理系男子だった点ですね!感覚本位で描いているのではなく、幅広い知識欲と地道な写生テクで世界を編纂して行く実験的な画家だから、今もベタつかずに新鮮に映るのでしょう。ドランの粒子を浴びるには、ぜひナマ鑑賞で!
2本め👀『熊谷守一 生きるよろこび』
▶かれこれ30年以上、目にする度に「やっぱり好き!ずっと好き!」と惚れ込んできた画家熊谷守一(1880-1977)。名古屋周辺には、守一のパトロンだった木村定三コレクションを常設する愛知県美術館をはじめ、守一作品を所蔵する美術館がたくさんあって、遭遇するチャンスはとても多いの~♪なんで、当初は国立近代美術館での大規模回顧展と聞いても、さほど慌てもしなかったのだけど…マブダチRから初期の作品群の充実ぶりを聞かされ、閉幕ギリギリに飛び込みました★まずは『自画像』(1904)。
▶隣が褒状を受けた『蝋燭』(1909)。今回の展示で、遅ればせながらこの2枚にぞっこん!20代で描いた絵からすでにウソや隠し事がなく、実に堂々としてるんですよ。ここには97歳で亡くなった守一と同じ守一がいて、つまりずっと変わることなく一本道を歩み続けた軌跡に胸を打たれたのです。そして、守一の代名詞と言われる“赤い線”が用いられるようになったのは1936年頃。今のわたしと同じ56歳からだと知りました―。
▶山の中央の赤と緑のベタ塗りが目を惹く『風景』(1940-50)には、まだ随所に陰影が微妙に残っていながら、赤茶の線も引かれています。この縁取りによって、馬がデカくみえません?存在感が増幅してますよね。じーっとながめていると、やがてこの馬とじぶんが同化し、見知らぬ惑星で草をはんでいるような気分を味わうのでした。
▶その後わたしは『木小屋』(1966)を見て、小屋ともスンナリ同化しました(笑)。赤い線は細く凹み、そのぶん平塗り部分が全面にせり出し、筆跡のアクセントも効いて、輝いて見えます。またまた新たな惑星に降り立った感覚になりました~♫
▶守一は同じモチーフに何度もトライしています。観察と推敲を重ね、ごまかしとは無縁の創作姿勢。彼も探求心の根っこにあるのは理系マインドだったようです。『海』と題したこの2枚は初めて目にしたもので、右は1947年、左は1950年作品です。小さい方が完成形になるのかな…。でもそれぞれ独立した別の世界にも見えてくる。おそらく守一が求めているのは正解ではないのでしょう。さて次の『御嶽』三兄弟も見物でした!
▶さらにおてんとうさま4兄弟も並びます(笑)。左から『夕暮れ』(1970)『夕映』(1970)『朝のはぢまり』(1969)『朝の日輪』(1955)。具象とも抽象とも異なる手法で、光を射抜いています。あー、なんてカッコいいんだろう…見飽きることがありません。
▶こちらは『ハルシャ菊』(1954)『豆に蟻』(1958)。どんだけ生き生きしてんだい!守一作品は、色使いに魅せられてツイ「可愛い~♪」なんて口に出ちゃうけど、「いやいや、そんなにヤワじゃない!」と即座に訂正したくなります(汗)。どれも冒頭の自画像と同じように、骨格がしっかりしていて、絵の真ん中に生命が走っています。あー、彼が描く宇宙の住人にわたしはなりたい…。
▶終わった展覧会だから、サラっと流すつもりでしたが、やっぱり好きなものは歯止めが利かず…収拾がつきません(汗)。中途半端な紹介になってしまってごめんなさい(ぺこり)。興味を持った方はぜひ関連書籍も読んでみてください。
▶守一は、絵と同様、うかつに読み飛ばせない上等な言葉をつぶやきます。写真集もオススメ★美男子は何してたって絵になるんですぅ。会場には大勢の外国人旅行者が詰めかけていましたが、「どうだい、これが日本のかみさまよ~!」と、ひとり誇らしげに胸を張ってしまいました(笑)。
3本め👀『プラド美術館展』
▶うって変わって最後は、“美術館の王様”プラド美術館が所蔵する16~17世紀スペイン絵画の傑作選です!かみさま、ほとけさま、4号サイズの守一さま(笑)と、どデカイ7点のベラスケス作品が、同じ東京の目と鼻の先で見られるなんて!まったくすさまじい街です(爆)。天皇陛下からの褒章をお断りした守一と、宮廷画家ベラスケスとのガチンコ勝負という考察もできました(笑)。とはいえわたしが夢中になったのはこちら―
▶ベラくんに招かれてマドリッドで活躍したフランシスコ・デ・スルバランです!『磔刑のキリストと画家』(1650頃)。いやー、この静謐さは、絵を前にして浴びていただくしか手はございません。見上げればそこにイエスが!なのにパレット持って突っ立っていてどうする?早く助けてやれよ~とヤキモキしますが(笑)、それも込みで現代に通じる絵ではないでしょうか―。「俺の迷いを聞いて聞いて~」ですもんね(笑)。
▶『ヘラクレスとレルネのヒュドラ』『ヘラクレスとクレタの牡牛』(共に1634)の肉体表現にも目を奪われました。怪物とがっぷり四つに組むヘラクレスの臀部が、鈍く光ってやけにドラマチックです。筋肉フェチのRが見たら卒倒しそう(笑)。でもスルバランは裸体を描いてもとってもシック!青い血が流れ、肌は陶器のような印象なんです。
▶『祝福する救世主』(1938)もスルバラン作品。ほら、こんな憂いを湛えた眼差しの救世主なら、フラフラとついて行きたくなるでしょう~。欲しいなあ、この絵(爆)。あっ、忘れていた!やっぱ赤い血が流れてるこっちもお持ち帰りしなきゃ…少々デカイけどー(笑)。
▶ティツィアーノの『音楽にくつろぐヴィーナス』(1550)。何せ今年は戌年ですから。それにナマで見るティツィアーノは、ピントも精神性もユルくていいんですよね~。お昼寝モードになっちゃいます(笑)。赤と白で始まったお江戸備忘録は、幕引きも赤と白でキメて見ました♪ ではではおあとがよろしいようで―。
【番外編】LULU TAPAS BAR
▶最後はおまけ!表参道communeの一角にあるスペイン タパス Bar『LuLu』をご紹介♬ うーんと年下のマブダチTが切り盛りしてるキュートな飲み屋です。都会と言う名の森の奥にこっそりたたずむ小屋のよう…守一の『木小屋』がダブります(笑)。つまみもリーズナブルで美味しいの~。ひとりでぶらっと立ち寄るのにイイかんじで~す★
PS 次号は4/10に更新します