Mark Mandersとルームシェア☝
オランダ生まれベルギー在住の美術作家マーク・マンダース(Mark Manders 1968~)。国内美術館初個展となる『マーク・マンダースの不在』展が東京都現代美術館で開催中だ(6/20迄)。ザンネンながら現在は緊急事態宣言を受けて休館中だが、再開を願わずにはいられないすんばらしい美術展になっていた★ただ、ちんぴらを虜にしている作家のひとりでありながら、なぜ彼の創作に魅かれるのかはじぶんでも説明がつかない。いつも以上にはなはだ心もとない案内になりそうだが、よかったらお付き合いください―。
【あいトリ2016で遭遇☝】
▶マンダースとの馴れ初めは今から5年前。あいちトリエンナーレ2016の会場で不意に出くわした。何か一つの作品に特化した出会いというより、展示空間そのものにひどく動揺したのだ。実際は、国際美術展でありながら学祭みたいなせせこましいスペースでの発表だったが、半透明のシートで覆われた空間には、未完成のまま凍結されたような断片が物静かに点在していて、思わず「ここに泊まりたい!」とまで惚れ込んでしまった♥
▶彼には18歳のときに閃いたという「建物としての自画像」と称した独自のコンセプトがあるらしい…わかるようなわからないような…(汗)。「泊まりたい!」という衝動に駆られたのは、まんざら的外れでもなかったようだが、間取と置かれた制作物のバランスに緊張したり脱力したりして飽きることがなかった。インテリアの拡大解釈?いやいや、デコるだけの表層的な演出とは明らかに違う。視座が遥か彼方にあったのだ。
▶『狐/鼠/ベルト』(1992-1993)。散らばった粘土の欠片までも演出だって。 はい、文句なくあいトリ2016で最も忘れ難い作家となったマンダース(詳細は過去記事で)。やがて「ところで…この人いったい何者?」と、ようよう我に返った―。
【作品集を耽溺☝】
▶さて、そこで登場したのが『Room With Broken Sentence』。マンダースが第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)のオランダ館代表を務めたときのカタログ本だ。鑑賞の余韻に浸っていたあたしに、マブダチRがそっとプレゼント♥してくれたのだ(涙)。初期の作品やスタジオ内の写真も網羅されており、待ってました!とばかりにむさぼった…英語を紐解く根気は相変わらずゼロだったが―。▶長年、雑誌を情報源としたサブカル好き体質の人間なので、<リアル>と<繰り返しながめるモノ>の2本柱で耽溺するのが、じぶんにとってはベストな愛好の形。特に、どこかしらに恥じらいが立ち上るマンダースの世界観は、<ひとりで大切に味わいたい詩集>のような趣があり、2次資料(図録)と過ごす時間もとても大切だと痛感した。
【そして金沢➡東京へ☝】
▶去年の秋、マンダースとミヒャエル・ボレマンス(Michaël Borremans 1963~)との世界初の2人展『ダブル・サイレンス』を、金沢21世紀美術館まで見に行った話はすでに書いた(過去記事参照)。―で、続けて今回の東京での国内美術館初個展である。金沢からほとんどの作品が巡回していたが、当然ながら土地やハコが変われば響き方も様変わりする。またもやまっさらなご対面を果たせて、至福のひとときとなった。
chinpira415.hatenablog.com
▶金沢の光庭にあった『2つの動かない頭部』(2015-2016)は、東京では屋外に展示―。
▶金沢ではひろびろワンルーム展示だった『4つの黄色い縦のコンポジション』(2017-2019)が、東京ではお馴染みの半透明シートで囲い込み。いや~、マジにどっちも◎
▶粘土に見えて実はブロンズだったり、マンダース独自の製法で朽ちかけた風合いを作り上げていたりと、意表を突かれることばかり。架空の建物内に散見する、足場用のパーツもオリジナルか?道具1つに至るまで、日用品であって日用品ではない。モノで絵を描いている気分なのだろうか―。
▶制作風景の動画を見つけた。でっかいスタジオ、冬場は寒いんだろうな…フル防寒で、黙々と制作する姿がひどく愛おしい。マンダースは、ほとんどの工程を自分ひとりで手がけているそうだが(!)、動画ではアシスタントの方たちも映ってる。まるで古代遺跡の蒐集家のようなスタジオ…現場に流れている濃密な時間に頭クラクラ。
▶金沢と東京の比較で一番可愛らしかったのが『舞台のアンドロイド(88%に縮小)』(2002-2014)。画像は、作品の一部分(椅子、折りたたんだ衣服、靴)なのだが、金沢では本体と少し離れたフロアの出入り口付近の床にちょこんと並んでいた―
▶それが東京では、まるで本体から身を隠すように、バックヤードにひっそり並んでいるではないか!なんて可憐なのよ~~。きっと気づかなかった人もいるのでは?しかも衣服の盛りが微妙に違う…金沢鑑賞が功を奏したちんぴらです(笑)。そしてディティールへのこだわりから、マンダースの美意識にまた1歩近づけた瞬間でもありました👍
▶そうそう、バックヤードの斜め前には、これまたこそっーと握りこぶしサイズの鼠もどきのブロンズ像が!『記録された課題』(1992-1993)。ガムテの貼り方まで愉しい。
▶こちらはドローイングを立体に持ち込んだような…ヒモ状の曲線に心が震えた『像の習作』(1997-2015)と『細く赤い文の静物』(2020)。見れば見るほど厳かな感覚に―。。
▶鉛筆にカセットテープetc…。ありふれたモノたちを建物の間取り図風に床に並べた『調査のための居住(2007年8月15日)』(2005-2007)。子どもの頃にしょっちゅうやっていた遊びの痕跡が、目の前に美しくサラリと出現し、その場で深く考え込んでしまった…。なぜじぶんはこの純朴なアクションを忘れてしまったのかと―。
▶なんと『完了した文』(2003-2020)では、鉄製のラインの行き着く先にティーパックが並ぶのだ(左角を見て)!ティーパックですよ、あのティーパック!しかも靴と対面してる。ティーパックがこんなに繊細な物体だとはこの年になるまで気づかなかった…。モノから発せられる内なる声と共に、モノとモノとの関連性を通して、“詩”を生み出しているとしか思えない。後ろに掛かる『2色のコンポジション』シリーズが窓に見えたりするのも、しっとりと美しい。
▶そんなマンダースの頭の中をのぞきこめるのが、通路の壁一面を使った『ドローイングの廊下』(1990-2021)。意外なことに完成作品よりうーんと艶めかしいではないか。
▶そして今回初めて、ヴェネチア・ビエンナーレに出品した『マインド・スタディ』(2010-2011)とナマでご対面。先に書いた通り、カタログ本で繰り返しながめていたが、まさか実物がこれほど大きいとは!片足での踏ん張り、緊張感がハンパなかった。
▶ギリギリと軋む音が聞こえてきそうだ(汗)。テーブルセットを模した台座との絶妙なバランス…磔刑にも天使の羽ばたきにも見える一本足劇場。おっそろしくドラマチックだが、散文的なイメージではなく、やっぱりここでも詩の感受性を刺激してくるものに見えた。そう、マンダースの作品には、じぶんの世界を押し広げるきっかけが詰まっている。だから魅かれる…ルームシェアしたいと思うまでに―。
▶最後に本作りが好きなマンダースが、本という形式の魅力や編集の楽しさについて語っている動画をご紹介。趣味人の顔になって、嬉しそうに一生懸命語る様子が何とも微笑ましい。あー、やっぱ編集心を大切にしてる人なんだなあ…すご~く共感★
【Mandersへの返歌☝】
▶はい、それではお馴染みの<ここまで魅せられたら、“返歌”を詠まないわけにはいかぬ!>のコーナーでございます。いつか本人に届いたりして…一笑されたら本望ですね(爆)。今回は、最近ハマっているDAISOで見つけた200円フレームにコラージュ。たぶんアクセサリーなんかを飾りながら収納する用途で作られたケースなんだけど、フレームに1cmの奥行があるから素材選びに幅ができて、ついつい盛ってしまう~(笑)。▶やりたい放題、食べ放題(笑)。今回、マンダース展のチラシを切り取ってコラボさせたのは、室町時代の画僧、祥啓(生没年不詳)筆『瀟湘八景図画帖』。いかがでしょうか。500年以上前の墨画淡彩(重要文化財!)と息もぴったり…ですよね?!😊
PS 次回は6/13に更新します
サクッとお江戸✑備忘録 2021春
コロナ禍も2年目となると、遠出するタイミングもすっかりマスター。まっ、そんなカンを磨いてどうするってわけですが…💦さて恒例のお江戸で2泊3日の美術展ハシゴ旅、4月頭にするするーっと実現できマシタ!天気よし、気分よし、スケジュールもよしでいいことづくめの小旅行。印象に残った4企画展をまとめて紹介しますね~♫
1本め👀『没後70年 南薫造』東京ステーションギャラリー
▶南薫造(1883-1950)?誰それ?知らねーし…。ただ、優れた日本の近代洋画家たちの業績が忘れられないようにと企画される回顧展はおそらくじぶん好みだろうな…と駆け付けた。まあ、足を運ぶも何も、新幹線下車したら5分で会場よ(笑)。 これが想像以上によかった~😊例えば、南が若き日の留学時代に描いたセンス抜群の水彩画『ゴンドラ』(1908)。コロナ禍の今だからか、海外の風景画にひどくノスタルジーを感じてしまうわ
▶版画もよかった。『畑を打つ』(1911)は、小島に、帆船に、海に、農作業…と、ベタなモチーフばかりのはずが、何とも洒脱!かと言って、洋行帰りの気負いがあるわけでもなく、どこかのんきでSF的な香りが漂ったりして…火星がこんな風だといいな(笑)。
▶もちろん本筋の油絵群も、ウキウキしちゃったよー♪若いうちから才能を評価され、官展の中心作家として活躍した洋画家だから、モダンな生活環境にいたとは想像できるけど、物質的豊かさだけじゃない生きた時間の輝きみたいなものが、南の作品には捉えられているのよね。こちらは『ピアノの前の少女』(1927)。
▶モダンライフから一転、太平洋戦争に突入し、疎開先の田舎の風景を描いた『高原の村の朝』(1941)がスゴイ!うねうねキャベツ畑が忘れられない。しかも傍らで遊ぶ子どもたちよりデカいキャベツは新種の怪獣じゃん(笑)遠くに並ぶ洗濯物とのサイズ感も可笑しいし、シュールで最高!暮し向きは変っても画家が美しいと感じる目は同じなのね
▶でもってさー、戦争が終わったら今度は本の虫干しだあ~、『曝書』(1946)。キャベツ同様、本もうねって並び、まるで波のよう~♫ 娘2人が本の海に漂ってるよ~🏊
▶さらに『生家の近く』(1949)では、空が海になり雲がうねるの!薄日の表現も好き★
▶晩年は郷里の呉市に戻り、瀬戸内海を描き続け生涯を閉じた南。『瀬戸内』(1949)は、じぶんの故郷でもない風景に多幸感を感じたのよね。この絵に流れている時間の輝きは、永遠に色あせることはないだろうな。他にも関東大震災時の東京や、戦時下の日常を描き続けたスケッチが公開されていて、全身画家一代記に立ち会えた好企画でした👍
▶もう25年も活躍してるのね…。証明写真BOXで撮影したセルフポートレイト『ID400』(1998)で一躍脚光を浴びた澤田知子(1977-)。「なんで4枚なんだよ~、4枚使い切ることなんてないし~!」と、ずっと引っかかっていたあの証明写真のフォーマットが、澤田作品を見て初めて「4組1セット」はこのシリーズのためにあったのか!と腹落ちした思い出があります(爆)。被写体がぜんぶ本人というオチより、一人の人間が4つに分裂したり4つに増幅したりして見えて、細胞標本みたいでゾクゾクしたっけ―。
▶そんな澤田の新旧&複数のシリーズを組合せた大規模個展『狐の嫁いり』は、会場へ足を運んでこそ体感できるええ展示でした。ほれ、300点組の『FACIAL SIGNATURE』(2015)を見て!作家曰く「人はどこを見て個人を判断しているのか知りたいと思い、様々なアジア人に見えるように変装してみました」とのことだけど、顔面の差異が提示されるほどに個人とは一体何なんだろう…という哲学的問いの渦へ巻き込まれたわ~
▶そう、会場入口に掲げられたこちらのテキストが展示のすべてを物語っています🦊
▶中でも強烈だったのが、キャバクラ嬢をモチーフにした『MASQUERADE』と、就活生の履歴書写真を作品にした『Recruit』。2006年制作のこの2作品は、リーマンショック前のニッポン国女子のテンプレートが克明に写し撮られていて、今見返す方がよりヒリヒリする。どちらも社会の要請になり切り、しのぎを削るために振舞う女子たちのポージングだからね。日本のジェンダー指数が問題になっている今、今後この絵柄がどう変化するのかしないのか…非常に気になるところです。
▶じぶんでシャッターを切らない写真家・澤田知子は、“私”から最も遠いセルフポートレイトで現代を再構築してました。今回、広い空間で鑑賞することで、彼女の社会学的視点がより強く感じられたみたい。インタビューもユニーク、ぜひチェックしてみて👀
3本め👀『電線絵画展ー小林清親から山口晃まで』練馬区立美術館
▶も~、タイトルを聞いただけで「絶対に行くぞ!」と息巻いちゃった👃だって子ども時代は屋外が毎日の主戦場で、「見上げればどこまでも電線」「遊びのアイテムは電柱」は、あたしの原風景なんだもん。ってことで、明治初期から現代まで、“近代化の象徴”である電線&電柱が描かれた作品ばかり集めた日本初の美術展へ行ってきマシタ👅一番バッターは小林清親(1847-1915)『従箱根山中冨嶽眺望』(1880)。1869年に電信局が開局し、イッキに広まった電信柱と電信線の風景。富士山とも肩を並べてますから~
▶そして東京の電化が始まるのが1887年の電燈局(火力発電所)完成からだ。楊洲周延(1838-1912)『上野公園の夜景』(1895)では錦絵に電燈が煌々と灯ってて、新しい生活スタイルにワクワクしている様子が伝わってくる。光の効果を色で使い分けていて斬新!
▶銀座生まれの岸田劉生(1891-1929)の作品を眺めると、急速に大都市化する東京の真っ只中に居合わせ、同じ空の下で呼吸しているような感覚になるよね。1915年制作の『道路と土手と塀(切通之写生)』と『代々木附近』。同じ場所を角度を変えて描いたもので、電信柱の存在感が際立っている。新旧の時間の交差も絵の中に見えるなあ。
▶関東大震災時のスケッチにも電信柱は登場。十亀広太郎(1889-1951)が震災直後に上野の松坂屋付近を描いたもので、手早いタッチながら甚大な被害状況が一目瞭然。
▶本企画展で一番ウケたのが、“ミスター電線風景”と呼ばれる画家、朝井閑右衛門(1901-1983)。1949年頃から描き続けられた『電線風景』の連作には、腰が抜けましたわ。電柱は描いても電線までは描かない作家が大半の中、交差するハイウェイのように電線をうねり走らせ、空が格子柄状態になってます(爆)。しかも厚塗り…ヤバイです💦
▶他にも山脇信徳、藤牧義夫、鈴木金平、小茂田青樹…等、未知の作家との出会いにトキメイちゃいマシタ💛逆に「電柱と言えば、この人でしょう~!」とじぶんで勝手に太鼓判を押してる作家たちのことも思い出し(会田誠、長谷川利行、写真家の金村修)、様々な方向へ想像が膨らみました。さらに源流を遡れば、円谷プロへ行き着くような…💦ちなみに求龍堂発行の公式図録の資料性の高さが素晴らしい★本屋で買えます📚
4本め👀『遠見の書割―ポラックコレクションの泥絵に見る「江戸」の景観』インターメディアテク
▶みなさまご存知ですか…東京駅直結のベスポジにこっそり開場する魅惑のミュージアム、インターメディアテク(IMT)を!ここには東京大学が蓄積してきた学術標本や研究資料が常設展示されるスペースがあり、しかも入場無料なんです。ほれ、これ見て!
▶かっけ~のなんの…館内に入った瞬間に脇汗かきました…この後予定があるけど時間忘れそう…と💦とにかく設置されている1個1個の什器の風合いとその組合せが素晴らしく、空間と一体化した展示物がオーケストラになって館内に響き渡っているんですよ♫
▶リアルとも図鑑とも複製とも異なる剥製での動物との対面。ホンモノでもなくニセモノでもない、曰く言い難い存在が並ぶハコの前では、ツイ妄想が加速してしまいます。
▶さらにギャラリー1には、アジア美術の蒐集家エミール・ギメ(1836-1918)ゆかりの古展示ケースが並びます。100年以上前にリヨンのギメ博物館のために特注されたエレガントな什器にうっとり♥客はまばらだし、独り占めして何時間でも眺めていられます⌛
▶そして今回、特別展示『遠見の書割』に並んでいたのが、東海道五十三次を泥絵という画法で描いたシリーズ。一目見るなり絶叫、なによこれ~!解説によると「画面上部を覆う濃藍色の空と、地平線に向かう白色のぼかし。銭湯の壁を飾る富士のポンチ絵同様、紋切り型表現を特徴とする泥絵は、時間を超えて永続する観念としての都市を描き出してみせている」とのこと。量産品を手がける逸名職人による仕事=土産物だって。
▶江戸から帰郷する際に地方出身者たちが買い求めたポストカードか…なるほど!土産物特有のキッチュな世界観に目がないあたし、そりゃあササるはずだね。はい、安手の土産物に作家性は無用です。無名職人たちがせっせと典型を量産するからクールなんですよ、まさに“遠見の書割”👍ひんやりした青がミステリアスで、未知の惑星に降り立った気分にも浸れますね。
▶爆笑なのが点景人物の表現。「スルメやキノコに喩えられるほど簡略化」されていて、もはや様式美です。次に、ポラックコレクション『濱松』の一部分を拡大してみました。どう?ちっこいキノコ?たちが感動的でしょ(笑)好きだなあ~~
▶さて、ここまで魅せられたら、このあたしが“返歌”を詠まないわけがない!またまたやっちゃいマシタ、なーんちゃって泥絵ごっこを~🎨 あたしの宝物、染谷亜里可『Landscape』(2007)の前で、手作りの股旅姿キノコたちを遠見の書割風に記念撮影。
▶三度笠はファンデーション用のスポンジパフ、脚は爪楊枝でできてます(爆)。亜里可さまに叱られない前に…それでは、おあとがよろしいようで―。
今回の上京の一番のお目当ては、東京都現代美術館で開催中の『マーク・マンダース マーク・マンダースの不在』展。こちらについては5/29更新の次号にまとめますのでお楽しみに★
勝手にシネマ評/『わたしの叔父さん』('19)
目を凝らさないと判別できないような、薄暗い物置部屋を映し出して、映画は始まる。とりあえず、動くものはない様子。音楽も流れないし…とっかかりゼロの、何ともお地味なファーストショット。情報がなさ過ぎて、逆にどんな意図があるのだろう?と、身を固くしたほどだ。
そんな静かな空気を、フイに目覚まし時計のアラーム音が打ち破る。これを合図に一転、本作の骨組みと情報のほとんどを、一筆書きでスーっと開示してくるから、身を乗り出さずにはいられない。舞台となるのは、デンマーク、南ユトランド地方の農場である―。
起床した瞬間にキビキビと動き回る金髪のヒロインは、クリスという名で27歳。手短に身繕いをして、体の不自由な叔父さんの身支度に手を貸し、ふたりで朝食のテーブルに着く。パンとシリアル、ヌテラ(ピーナッツチョコ)と紙パックドリンク、ワールド・ニュースと数独(ナンプレ)本…じぶん好みの食事のお供を各自用意し、眼を合わせることなく黙々と過ごす早朝のひととき。
やがて隣接する牛舎で酪農作業が始まる。メインに動くのはクリスだが、叔父さんも歩行器を使いながら巧みにアシスト。作業後の手洗いにさえ阿吽の呼吸が流れ、「なにも足さない…なにも引かないbyサントリー山崎」並みの安定感に脱帽するばかり。
驚くのはまだ早い。この後もふたりのよどみない動きが、我々にある種の快楽をもたらすよう映画は進む。洗濯物を畳み、買い出しに行き、食事の用意&後片付けも常にいっしょ。夜になればふたりでゆったりゲームを楽しみ、眠る直前までリビングでTVを見ながらお茶をして寛ぐ…。叔父と姪のニコイチプレイが一日中止まらないのだ。
でもなぜ我々は、何の変哲もないふたりの日常を、退屈するどころか面白がって眺めていられるのだろうか―。まずこの時点でわかるのは、クリスにやらされ感がゼロだということ。叔父さんへの素晴らしく行き届いたケアが、若さ眩しい未婚の女性の“意思”で行われていることに、確信が持てるからだ。喜んで世話をしているんだな…叔父さんを心から大切に思っているから目配せが丁寧なんだな…と。
さらに、クリスの繊細な配慮は、あらゆる場面で顔を出す。夜更けに牛の異変に気付いて死産を回避させたり、子牛の病を見逃さなかったりと、出入りしている獣医のハンセンから助手になってほしいと懇願されるほど筋がイイ。もともとクリスは獣医志望の学生だったらしい。だから、叔父さんが倒れ、農場を守るために進学を断念した経緯を知るハンセンは、研鑽が積めるための応援を惜しまない。彼女の能力を将来につなげてもらいたい一心なのだ。
一方で我々は、クリスの気難しくて頑な一面も頻繁に目撃し、その理由を遠巻きに知ることになる。14歳で父と兄を相次いで亡くし、以来叔父さんの農場で同居するようになったが、未だ父の自殺を受け入れられないあたりに、息苦しさの根っこがありそうだ。確かに幼くしてそんな喪失感を味わってしまったら、TVから流れる世界情勢は無論、身近な世間にも背を向け、ひとり数独本に没頭するのも無理はないだろう。しかしそれも時間の問題か―。
ある日クリスは教会で、見知らぬ青年マイクと出くわす。偶然が2度続けば必然である。さわやかな彼からすかさずデートの誘いもあり、恋愛感情の芽生えにこれ以上ないほどの好条件が揃う。スクリーンを前にすれば、誰もが大手を振って恋愛至上主義者になれるのが映画の醍醐味。すでにクリスに関して訳知り顔となっている我々が、身内気分で胸をなでおろすのも自然な成り行きだ。
いつも静かに寄り添い続けてきた叔父さん。そこに新規参入するキャリア支援役のハンセンと、人生伴走候補のマイク。そのうえ、エミール・ノルデの水彩画を思わせる美しき故郷の風景がヒロインをゆったりと抱きとめ、遠回りしながらも、今の彼女は世界にもてなされている。
ところが、案の定というか、やっぱりというか…。将来への期待が膨らめば膨らむほど、クリスは心の整理がつかない。獣医学に集中すれば叔父さんへの後ろめたさであたふたし、ロマンチックラブも、叔父さんを隠れ蓑にして溺れないよう絶えず後ずさってばかり…。挙句の果てには、選択肢が増える混乱で、善意のもてなしをバッサリ切り捨て、ちゃぶ台をひっくり返すから手に負えない。
観客という奴は勝手なもので、予定調和な未来図よりはリアルな日常を欲するものの、ここまで主人公が安心&安全のルーティンにしがみつくと、むず痒くていたたまれなくなる。しかも新規参入者たちは恨むことなく撤退し、叔父と姪のニコイチプレイが、何食わぬ顔で再演されて膝カックン。えっ?結局この人生すごろくは振り出しに戻るってわけ?
いつもの朝、いつもの食卓、そこに流れるいつものワールドニュース。叔父と姪のニコイチ朝食プレイは判で押したように今日も繰り返される。―が、突然音声がプツリと途絶え、何とTVが故障。そう、映画は幕切れで、世界のノイズを遮断してみせたのだ。するとクリスは数独本から頭をもたげ、今はじめて見るかのように叔父さんの顔をマジマジと眺めるではないか!
じぶんの意思をもってしても、予期せぬことが起こり続けるのが世の常。なるほど、モノが壊れて潮目が変わることは十二分にあるだろう。音声が消えた食卓で、クリスは一体何に反応したのだろう…。2人がいつも無言だった事実にハッとしたのか。それとも、本当はじぶんが叔父さんに依存していることに気づいたのか…。いずれにせよ、諸行無常。一滴の雫の波紋はスクリーンの外へ外へと広がり、閉幕後も我々の想像力を刺激して止まない。
男性目線の成長神話にも、女性目線の変容神話にも安易に乗らないクリス。なかなか面白い人間じゃないか!外からもたらされたものでなく、内なるじぶんが何かを掴んだとしたら、『わたしの叔父さん』は新しいヒロイン像の誕生に立ち会う映画かもしれない―。再上映される機会があれば、ぜひ見てほしい1本だ。
『わたしの叔父さん』
2019年/110分/日本
監督・脚本・撮影 ・編集 フラレ・ピーダセン
プロデューサー マーコ・ロランセン
音楽 フレミング・ベルグ
出演 イェデ・スナゴー ペーダ・ハンセン・テューセン
PS 次回は5/13に更新します
みんなの愛用お道具 レポート2021📄後篇
愛用してる道具(スマホ&PC以外で)を紹介して!特集の後編です★まだまだあるよ~
くつろぎ編 ✑
【レポート9】Fさん:田舎の両親の介護と、じぶんの仕事&暮しの二重生活が始まって早1年以上…。どれだけ束の間の一服に助けられてることか!…はい、愛煙家のわたしの愛用の道具は『煙草入れ』です。無印良品のポーチを利用し、横のタブにゴムひもを通し、トンボ玉を通しているところがミソ。指に引っ掛かるし、伸びるしで、とても持ちやすくて手になじんでます。(灰がかぶって所どころ焦げているのもご愛敬♥)
▶Fのご実家の玄関と庭の様子は西部劇のセットみたいでさー、木製の椅子に腰かけ、止まり木にやってくる鳥を眺めながらの一服は、まさに至福のひととき★あたしも堪能させて頂きました~。うーんマンダム♬
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仕事道具編 ✑
【レポート10】Kさん:欠かせない道具は、< ㎝ >と< 尺 >が併用の『メジャー』です。建築関係という仕事柄、大工さんとは尺を単位にしたやりとりになるので、両方測れるメジャーはマストアイテム。もう1点、ピッとレーザー光線をあてるだけで長さが測れる『MAX レーザー距離計 LS-211』も!ホッチキスで有名なあのMAXが、こんな便利工具も作っているんです。
▶今やレーザーで距離が測れるんだね!3つ並ぶ数字は何を示しているんだろう…。それより、わざわざ文字に凹凸ができるDYMOのラベルメーカーで打った屋号を貼り付けていてわらった~。テプラでは×、やっぱDYMOじゃなきゃ…っていうポパイ世代らしいこだわり(どーでもいい!)に大ウケよ👍
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【レポート11】K一郎:道具?施工業で、何泊も泊まり込みで現場に行けるくらいの道具を車の中にたくさん取り揃えているけど、強いてあげるとなると「なにもねーなー」。…あっ、見つけた、「これだわ~!」
▶ちょっとー、K一朗、何よりも大事な愛用の道具のオチがじぶんの両手かよ~、かっこ良すぎじゃね?(笑)背景の畳の目も演出効果大だわ。武道家大工の誕生ですな(笑)🥋
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【レポート12】Mさん:雨の日も風の日も、ほぼ毎日、朝の4:00から町内の道路掃除をするときに使っている『箒と塵取りのセット』。箒は年に5~6本(減る!)、塵取りも1個じゃもたなくて買い替えてるよ(使う前からガムテで補強しておくのもコツ)。寺町で生まれたから、当たり前の公共奉仕のつもりだけど、都会では誰も掃き清めようと思わないみたいだね(笑)。秋から冬にかけての落葉量は、腰を抜かすほどだよ~。
▶Mさんのお住まいは大都会の一等地。自然に囲まれているわけでもないのに、ビル風によって大量の街路樹が吹き溜まるんだよね。それを誰に頼まれるわけでもなく、自費で道具を調達してまで掃き清め続け、すでにウン十年。箒がこんな風に減るなんて…初めて見たよ~💦頭下がりまくりです(ぺこり)。
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料理道具編 ✑
【レポート13】M: いつだったか京都の老舗刃物屋『有次』で、「包丁欲しいな〜」と思って眺めていたんだけど、高くて手が出せなかったの…💦で、代わりに見つけたのがこの『菜箸』。先が細くて後ろは柚子胡椒とかをちょっと掬ったり出来る盛り付け用。ぶっちゃけ、そんな繊細な盛り付けなんてしないけどね~(笑)。
もうひとつ!24年前に亡くなった父が使ってた『やかん』。私が後を継いで使ってるうちに、取手のツルや蓋のつまみが劣化💦つい最近、それが新潟県燕市のステンレス厨房用品メーカーの物と判明し、試しに連絡したら「弊社の製品を長らくご愛用頂きありがとうございます」と修理を引き受けてくれたの。しかも磨きあげられ、ピカピカの新品になって戻って来たよ~。まだまだこの先もずっと使えそう、うれしい♬
▶さすが、日本のメーカーのモノづくり精神は素晴らしい!間違いなく、孫の代まで使い続けられるね。『有次』の菜箸も使わせてもらったけど、持っただけで老舗割烹料理屋の店主になった気分、サイコーでした👏
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旅の道連れ編 ✑
【レポート14】Kくん: 去年の暮れに、5年赴任したロンドンから帰国して、速攻で買ったのがDUCATI『スクランブラー Sixty2』です。赴任中、バイク好きな友人とレンタルバイクでイギリス各地を旅したときに目覚めましたね。そこで日本に戻ったら、バイクで国内を旅して回ろうと決めました。しかも前から欲しかったモデルがすぐ手に入ったんですよ!スマホを連動させてナビとBGMもバッチリ。めちゃ楽しいですぅ~♬
あと、カメラも大切な道具です★もともとカメラは友人からレクチャーを受けてハマり、最初は一眼レフで風景写真を撮っていましたが、ちんぴらさんに「レンポジみたいな写真でつまんない。何で人を撮らないの?」と言われたのが燻ぶっていて(笑)、身軽に人も撮れるようコンパクトタイプのデジカメ・SONYの『サイバーショット DSC-RX100M7』に変えたんですよ。目下、旅の道連れはバイクとカメラです!
▶来世の弟Kくんがバイクに乗って桜満開の名古屋にやって来た!バイクに興味がないあたしでも一目見てイイな!と思い、ネットで調べたよ。「普通二輪免許で乗れる数少ない外国車」「1962年~1974年までアメリカで販売していた単気筒のイタリア製オートバイシリーズを40年ぶりに復活」…どうも来世の弟が魅かれた理由はここらへんにありそうね(笑)。ZEISSレンズ付きのデジカメといい、ワークマンで買ったというリーズナブルな防寒ウェアといい、男の子的なこだわりのモノ道楽が面白い👍
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【レポート15】ちんぴら: さて大トリはあたしの出番♬ 来世の弟のバイクに触発され、愛用の『ママチャリ』にしてみた。無職の今、どこに行くにも大活躍。しかも本体はもちろん、前カゴ、カゴ専用防水カバー、昔ながらのハンドルカバーにサドルカバー、さらにはチェーンロックまでぜーんぶマブダチからのもらいものでデコってます😊
特にサドルカバーは、サドルが雨で濡れたときにクルっと織り込めばすぐに座れるというすぐれもので、使用する度に感動に打ち震えます。これを考えた人、ホント天才だと思う。盗まれないかといつもソワソワしてるけど、誰も見向きもしません(爆)。ママチャリは昭和の匂いでキマリですぅ~🚳
PS 愛用の道具レポート、いかがでしたでしょうか。次回は4/28に更新します
みんなの愛用お道具 レポート2021📄前篇
春本番、さて今年も引き続きマブダチたちへのアンケート特集を実施します★ 今回のお題は…愛用してる道具(スマホ&PC以外で)を紹介して!です。特別なものじゃなくても、なぜか自分には使い勝手がイイ&しっくりくる道具ってあるんじゃないかと思い、聞いてみました。何せ人間は、道具を作って進化してきたらしいですからね。愛用の道具からご本人の人となりを想像して楽しんでみてくださいませ、どぞー♪
筆記用具編 ✑
【レポート1】Yちゃん:ボールペンとメモ用紙のセットです。いずれも仕事で使い始めたもので、黒ボールペンは『JETSTREAM』の0.5ミリを愛用🙆滑らかに書けるところがお気に入り。しかも安い!もう一本も『JETSTREAM』で、4色ボールペンとシャープが一体化したシャーペン。こちらも仕事には欠かせない。紛失度々あれど、新たに購入して使い続けています。メモ用紙はオフィス・デポの『リーガルパッド』。バリキャリとは程遠いのに、料理道具でも化粧道具でもなく、気づけば仕事道具を紹介しているわたしって…💦
▶Yちゃんらしいなあ~。モノ選びに関して、あまり浮気しない人なのよね。キョロキョロ見渡しても、結局じぶん定番に落ち着くの。新しいアイテムをじぶんのラインナップに加えるときは、何度も足を運んで決めているし、ある意味、家の中にあるもの全部が愛用のお道具なんじゃないかな…。三菱鉛筆、幸せ者です(笑)
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【レポート2】Fさん: 「万年筆」くらいしか思いつかないですね…。19か20歳の頃に、ソニープラザで1200円くらいで購入。シェーファーの『ノンナンセンス』、青色のスケルトン。ずっとカートリッジインクで使っていたのですが、在庫を消費してから、しばらく使ってなくて、コンバーター使えるのか?とデパートに行き、使えることが判明。今は、地味にインクをちまちま入れて使っております。
▶へっ?このモデル、ヴィンテージなのね!まっ平のキャップと丸ポッチがモダンで、若い頃によく目にしていたけど、今は作られていないのか…。ネットの書き込みを読みながら、今更ながら買っておけばよかったと後悔💦Fの10代って言ったら…30年くらい前のものじゃん、味わい深いな。生涯1本万年筆になるかもね!
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【レポート3】Mさん: モノが捨てられない我が仕事部屋には、ボロボロ道具がゴロゴロしてま~す。例えばコレ、『三菱の鉛筆削り』です。今から45年前(汗)、全寮制の中学校へ入学したときから使っている年季モノ。医大を目指す娘の受験のときに、「縁起モノだからゆずる」って言ったら、アッサリ「要らん」って言われた…(汗)。医者は所詮ボロボロになったものの修理屋、コレじゃ医者になる覚悟ができてませんね~。
▶またもや三菱!ごみ入れの引き出し部分にヒビが入ってて、何ともリアルね(笑)。当時はボディのメイン部分が金属仕様で頑丈。一方引き出しは、プラスチック製で軽くできてるから、素材落差が大きくて、力配分がうまくいかないわけよ。そのうえせっかちさんだと、引き出しを戻すときにガチャガチャさせて…こうなるというザンネン見本ですね(爆)。きっと娘さんは慎重で頼もしいお医者様になられることでしょう~♬
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【レポート4】Kさん: クオバディスのスケジュール帳を長年使っていて、この手帳にジョインできる筆記具は何かと探していた時に見つけたのがこの『ペンケース』!裏にマグネットが内蔵されているので、どんなものでも挟むだけで一体化できるのです。中身はぺんてるの『ビクーニャ シリーズ』。ボールペンと3色フリクションが必須です。
で、フト気づいたんだけど…自宅の鍵もマグネット内蔵キーホルダーでした!帰って来たらそのまま玄関の扉に貼り付け。出掛ける時も探す必要なし(笑)。誰が帰宅してるかが一目でわかりメチャ便利。どうも我が家はマグネット収納好きみたいです(笑)。
▶ウケるぅ~♬ 磁石好き一家🏠このキーホルダーも両側に磁石がついてるから、カバンの口元に挟んで使えたりして便利なんだって。他にも磁石付き便利グッズで検索したら、いろいろ出てきておもろかったよ~
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お財布編👛
【レポート5】M:以前、八事興正寺のマルシェにて、マトリョーシカ柄の『がま口財布』に一目惚れして衝動買い。がま口を開けると、もう一つがま口が内蔵されたデザインですごく便利だったの。次も同じタイプのものを…と探し続け、京都銀閣寺の近くのお店で見つけました★
真ん中に小銭を入れ、両サイドにお札とカード類をそれぞれインして使っています。免許証、クレジットカード、ポイントカードなどカード類もかなりの枚数入れられて◎。コロンとした見た目も気に入って重宝しています。財布の口を開けたまま前かがみになると、カード類をぶちまけるのでそこだけ要注意(経験あり)。
▶長年Mの生態を見てきてるから、「財布の口を開けたまま前かがみになると…」がガッツリ想像できて大笑い!クールビューティーのビジュアルと正反対のうっかりハチベイ体験談に、懐かしくて涙が出たよ~。この財布になっても、あと3回はぶちまけるよね?カード、紐でつないでみたらどう?(爆)
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【レポート6】Yちゃん:『フェリージの財布』です。大学一年生の時にバイト先の近くに日本初店舗がオープン。ウインドーから見える数々の革製品にヨダレをたらしながらも、店内へ足を踏み入れることができず、20歳の誕生日に父と一緒に行って買ってもらった思い出深いお財布。以来23年間変わらず「この形」の「この色」を使ってます(写真は4代目)。小銭入れと蛇腹の仕切りがあるだけだけど、革が手にだんだん馴染んでいく感じが「私の財布」という感じがしてとっても好きなの―。
もう一つ、祖母から譲り受けた『ステンレス製の耳かき』も!25年以上使っています。
耳垢って耳の穴に沿ってできるでしょ。それをこの薄く絶妙なカーブでチョイとやれば、綺麗に端が持ち上がり、あとはピンセットで一気に引き揚げるだけ。ネットでもたまに探してるけど、なかなかこの薄さのがない💦失くさないよう大事に保管してるよ。
▶もぉ、間違いなし!絶対に使いやすいわ~、一目瞭然。Yちゃん、あたしの👂もやってやって!
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家電編 📺
【レポート7】K:座布団サイズの『ホットカーペット』です。なんと3代目。ペッタペタ状態になってるね(笑)。機能が進化してて、これはフットウォーマーとしても使えるよ。しかも有りがたいことにカバーが洗える。これで十分暖かい。コスパも◎!
あと、毎日絶対使う『歯間ブラシ』も!かかりつけの歯医者さんで購入。近所のドラッグストアには置いてないの…。全部にキャップがついてるのが嬉しい。他のは1つしか付いてないもんね🐷使いやすくて、めっちゃリピートしてますわ~♬
▶しあわせだよね~、お尻ポカポカ★この上に座って、ひざ掛けすれば…ZZZ…。ダメダメ、だからタメ撮りの映画を見ながら、毎晩ソファで寝ちゃうんだってば~(笑)。
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【レポート8】Kちゃん:あっ!!ありました!!かなり長い間、日常的に使っていて忘れていました。ウォークマン(とケース)!!今どきのストリーミングウォークマンではなく、普通にPCにつないでデータを入れないと聞けないメモリータイプウォークマンNW-S756 。15年前、永住しようと思うほど愛した名古屋から東京に転勤させられ(涙)、通勤時間が徒歩10分から電車で1時間となった時に「さぞかし通勤が辛かろう…」と妻が買ってくれた思い出の品。
さっき調べたら収録されているアルバムは328枚もありました。高校生時代によく聞いていた渡辺美里やTM NETWORK、大学生時代を思い出させる久保田利伸など等々。息子のための【どうようであそぼ♪】ってアルバムもありました。歌は世につれ世は歌につれ。転職して苦しい時代の通勤時に支えてくれたのもコイツだし、ボクの15年がここにあるんだな…としみじみ。忘れててごめん。お世話になってます!!
▶そうそう、愛用道具って、あまりにフツーに使っているから意識に上らないんだよね(笑)。でもエエ話じゃん!それにしても、こんなに色数あるのになぜピンク?気分はいつも女子高生かよ~。ひとりで渋谷へも行けないオヤジなのにぃ~。
そして続きは4/13に後編としてお届けします。ちんぴらの愛用お道具も登場するよ、引き続きお楽しみに~♫
BORREMANS☝
ベルギー人でゲント在住のミヒャエル・ボレマンス(Michaël Borremans 1963~)。今回は、ちんぴらとは縁もゆかりもない地を拠点に活動し、ちんぴらを虜にしている美術家について綴ります🎨 エレガントな身振りで人を狂わせる作品を作り続ける彼の魅力とは―
【横トリで密会☝】
▶ボレマンスとの馴れ初めは今から10年前。横浜トリエンナーレ2011の会場でこっそり密会した。密会とは如何にも意味深だが、ドデカイ横浜美術館内の見落としそうなほどささやかな展示コーナーにそれはあった。『Weight』('05)と題した動画のループ上映。プリーツスカートをはいたおさげ髪の少女が回り続ける…ただそれだけの内容だ。なのに作品の前から離れられなくて…その間、マジに魂が吸い取られていたと思う💦
▶凝視せずにいられなかったのは、スカートの裾から下が唐突に切断された状態で静かに回転している点。テーブルの上の置物が機械仕掛けで動いている風に見える一方、マイセン磁器のような色白の少女が時折り瞬きなんかするもんだから、胸の奥がザワっとする…。そう、生身の人間への猟奇的仕掛けを妄想させ、怖いもの見たさに襲われるってわけ。もちろん、すぐに単純なトリックだとわかるんだけど、ポーズ&衣裳&色彩&素材感&照明などへの目配せが見事で、目を凝らすほどに現実の時間が遠のいて行った
▶あたしが最も妄想を掻き立てられたのは、切断面にプリーツスカートが用いられているところだった。プリーツスカートの着用体験者ならば思い出すはず―身につけたときに感じるあの“立体装置”のような感触を!だから、制服の裾をぶるーんと回したり、襞の中に下半身を埋め込むようにしゃがみ、蛇腹感を味わったときの記憶が蘇り、余計に興奮…あの身体性を動く彫刻として、可視化していることに息を呑んだのだ―。
【原美でめぐり逢い☝】
▶さて、衝撃的な密会から3年後の2014年。ボレマンスの日本初の個展が原美術館で開催されると知り、快哉を叫んだのは言うまでもない♥こちらは妻を描いた『One』('03)。
▶俯いている夫人の横顔、下半身がガッサリ欠落していて、テーブルに埋め込まれているのか…浮いているのか…しかもスケルトン💦握った右手の形と像全体のフォルムが呼応してる…。初の個展でその全貌がつかめるはずが近づくほどに謎は深まるばかり…。次もスケルトン仮面つながりで『Mombakkes Ⅱ』('07)、一見平穏な静物画に見える『Magnolias Ⅰ』('12)の背景には無関係な下絵が浮かび、花瓶はやっぱりスケルトン💦
▶元々は写真家で90年代半ばから表現手法を油彩画へ変えたという。ベラスケスやマネに影響を受け、独学で絵画を学んだらしいが、この古典技法を習得してこそ不可解な題材にエレガントさが増すのだ。続いて『The Racer』('12)『Girl with Feathers 』('10)。
▶ボレマンスは同じ題材や同じポーズを繰り返し使用する。表情に起伏がなく俯いてる人物はオブジェのようだが、突き放された感じはしなくて、むしろ目が合わないことに胸が高鳴る。人が何かに没頭している気配は、それだけでスリリング&崇高に感じる。▶↑は『The Beak』('03)。こんな仰向けポーズも繰り返し登場😊この唐突感、有無を言わせず見てしまう。尖がった黄色と白いシャツ、そこに柔らかな御髪がたっぷり添えられることで、イメージが生に傾いたり死に傾いたりして、一筋縄ではいかない。最後は原美の展示で一番グッときた『Red Hand,Green Hand』('10)だ。
▶ホワイトの入れ方…このエナメルチックな照り感に心底震えマシタ…。画の中の世界観に安寧と恐れが絶えずせめぎ合うボレマンスの作品群。このめぐり逢いが決定打となり、高価な画集にまで手を伸ばした(笑)。自宅でひとり脳ミソを沸騰させながら「ブラボー!」「エレガント!」を連呼したものです、はい。
【画集で恋愛成就☝】
▶こちらが、ページをめくり続けると腱鞘炎になりそうなくらいボリューミーな画集『As sweet as it gets』。いったい何度見返したことだろう…👀
▶英語解説スルーで、美術トーシローのあたしでも、ボレマンスの制作姿勢のアウトラインみたいなものが掴めて、知的好奇心に火がついた。例えばこんな風に…➡フランスの写実主義の画家クールベ(1819-1877)と比較した『The Avoider』('06)。ウケる!
▶マネ(1832-1883)の世界で一番有名な笛吹き少年像と『The Whistler』('09)にもニヤリ!
▶ほーっ、腰からバッサリ『The Lid』('07)はカラバッジョ(1571-1610)のナルキッソスと共鳴するのか…テーブルが水面の見立てだとは!西洋美術史への関心もイッキに加速。
▶美術手帖のインタビュー記事を読むと、ボレマンスが最も影響を受けたのはロココ時代の画家シャルダン(1699〜1779)だという。中でも静物画と、カードプレイヤーを描いた作品にインスパイアされたとか。言われてみたら静かな日常の一コマを控えめに俎上に上げるところなど、共通項はあるようだが…。ちなみにシャルダンはこんな画風。穏やかで丁寧な絵作りだから逆に人物はシュールな置物に見え、苺の盛りっぷりは毒々しい
【金沢で成熟愛☝】
▶そして去年の秋に、なんと6年ぶり、3度目の逢瀬が叶った♥場所は金沢21世紀美術館。しかも、2016年のあいちトリエンナーレで一目惚れした彫刻家、マーク・マンダース(Mark Manders 1968~)との世界初の2人展だとさ~~、テンションMAX👍
▶とりあえずマンダースはまた別の機会に特集することにして…。金沢では、新旧あわせて45点ほどのボレマンス作品と遭遇。ちょっと笑っちゃったのは、『As sweet as it gets』をながめ倒していたからか、画集の表紙にもなってるボレマンスのモナリザと評される『The Angel』('13)の実物が、見上げるほどデカくてびっくり仰天だった👀
▶次の『The Loan』('11)も同様で、首から上がバッサリ割愛された衝撃的な後ろ姿は、実物のデカさに意表を突かれつつも、このサイズだからこそ、むしろよりエレガントに感じた。奇異性よりも彫刻性の方が高くなるからなのかな…。奥に控えるマンダース作品(こっちは頭部のみ!)との配置も絶妙。リアル鑑賞ならではの体感だ。
▶最新作の『Coloured Cones Ⅱ』(’20)は「スタジオに置いてあった生地のサンプルの色味を見ようと、円錐形にして並べたところ“絵のように美しい被写体”だと思い、家族の肖像画のように配置した」とか。ただの色見本が家族の肖像画とは…オーマイガー!色の調和、布の光沢や皺の加減が生々しい。シャルダンの苺も三角盛りだしな…
▶思わずゴージャスにヴィスコンティの映画を連想してしまった…こっちも5人(笑)
▶逆に、人間を布で覆って抽象度をUPさせるこんな作品も―。左は『Amy』('17)右は『Jack』('18)。タイトルが人の名だから、顔が見えないことにツイ動揺してしまう…💦
▶最後にボレマンスの発言を―「私が描くときには、現実をミラーリングする要素を最小限に抑えている。そうすると絵によりパワーを持たせ、もっと注意を向けさせることができる。またそのほうがもっと普遍的で、時の試練に耐えられる作品になると思う。要素を減らすことで、強力で緊張したイメージを制作したいと考えている」
【なーんちゃってBORREMANS☝】
▶さて、ここまで魅せられていたら、このあたしが“返歌”を詠まないわけがない!
▶…というわけで、『The SKirt(2)』('05)を真似て、プリーツスカートを再現!愛用のポンプ容器に履かせてみた…💦我ながらくだらなさに爆笑👏
▶少女の後ろ姿に愁いが漂う『The SKirt』('05)は…
▶鹿ヘッドを代用してみた…。プリーツ万歳🏁
▶他にも、『The Swan』(’06)という襟の絵に憑りつかれてしまい…
▶もともと付け襟にフェティシズムを感じるあたしが、なんと絵筆を持って水彩スケッチを始めるという暴挙にまで及んだ…。
▶うーん、描けば描くほど襟ってヤツの神秘性に気づかされたりして…愉しかった
▶陶器の人形を描いた『The Glaze』('07)。まさか釉薬の色気を絵画で発見しようとは!
▶居ても立っても居られず、昔買った輸出用の陶磁器を出してきて真面目に描いた―。
…てなわけで、ボレマンス熱は沸騰するばかり―。ちなみにボレマンスの発言で最もウケたのは、「一番いい服を着ると、いつもいい絵が描けます。絵の具がついたらすぐに着替えます。スーツが作業着になってしまうと魔法が解けてしまうので。」だ👍ドリス・ヴァン・ノッテンのスーツを着て絵を描く男…この浮世離れ感もタマランぜよ~♥
PS 次回は3/28に更新します
勝手にシネマ評/『淀川アジール~さどヤンの生活と意見』('20)
琵琶湖から大阪湾に流れ込む一級河川・淀川。その河川敷に手作りの小屋を設え、20年ほど前から暮らし続けている男がいる。70歳を過ぎたその人物は、“さどヤン”という愛称で呼ばれている。田中幸夫監督による本作は、そんな彼のライフスタイルに長期密着したドキュメンタリーである。
川を眺めながらの一軒家暮し、しかも拾い集めた素材で作ったマイホームを構えているさどヤンだが、地面を所有していないとなると、わが国での扱いは不法占拠の輩であり、世間の目もズバリ“ホームレス”。皮肉なことに、ホームを持っているのにホームレスである。
そしてホームレスの人々を映像で扱う場合は、わたしの知る限り、「ホームレスの身だけど、こんなに知恵者」「ホームレスなのに毅然と生きている」というふうに、意外性を賛美し、座布団を敷いて見守るフォーマットがほとんどだ。劇映画でもドキュメンタリーでも…。そこでいつも気になるのは、世間的価値を正解としたうえで、彼らが比較検討される点である。ホームレスは事実だが、それを一般的なものさしの下から評価し、「なのにスゴイ」と持ち上げるのは、どこか違和感をおぼえるのだが…。
私自身、ホームレスに限らず、じぶんの中で対象を弱者として認識するときに、個人的なクセで勝手に判断してしまうところはあって、しばしばマズイなあと省みることが多い。だから、じぶんに揺さぶりをかけるためにも、絶えず異なる視座を備えた映画を探し求めているような気がする。前置きが長くなったが、そこでさどヤンである。
正直言って、ここでのぞき見するさどヤンの生活、ビジュアル、発言のすべては、自由で活力ある老人の模範図のようで、ホームレスという座布団など意味をなさない。地に足がつき過ぎてて、むしろ驚きに乏しいほどだ。
彼は革命家ではない。リアリストである。アルミ缶拾いで1日500~1000円、週1回の清掃の仕事で5300円を稼ぎ、カレンダーには仕事スケジュールが書き込まれ、自己管理もバッチリ。一級河川を台所にして、シジミを採ったりハゼを釣ったり…。バーベキュー後の捨てられた炭を煮炊きに再利用するのはもちろん、太陽光発電システムまで手作りし、東急ハンズの店員にだってスカウトされそうだ。
マイホームの隣には、誰でも立ち寄れる休憩所を設け、公共性を担保。社会意識が高く、ひとりでSDGsミッションを回しているようにすら見えてくる。ぜんぜん無理がない。不自然さの欠片もない。だからなのか、様々な人々がここを訪れ寛いで行くが、それが群像劇の顔ぶれに酷似して映り、かえって印象に残らなかったりする。言葉使いとイイ風格とイイ、やけにホンモノ感たっぷりな元西成の手配師でさえ、なぜかさらっと見流してしまうのだ。だって、落語に出てくる人情長屋フォーマットから、一向にハミ出さないのだもの…。
貨幣経済と折り合いをつけ、人情ユートピアも実現させ、技術を武器に、かつ自然をも味方につけ、持続可能な生活を維持するさどヤン。そのバランスのイイ暮らしぶりは、じぶんの頭と身体で考えて試行錯誤を繰り返した証しだろう。だから驚きがないこと=安心安定なわけで、それを物足りなく感じるとしたら、わたしの側に問題がある。
元々田中監督は、問題定義を引っ提げて被写体を狙う作家ではない。異端扱いされがちな人々を、ごく普通に承認される場所へ送り出すための、きっかけ作りに一役買って出るのが持ち味だ。だけど今回の被写体は、揺るぎない個で立ちつつも、世間との親和性が高く、そもそも心も身体も全開放的な環境下に置かれているわけで、もてなす必要がまるでない。さて監督の出る幕はどこにあるのか―。
そういえばあったなあ…と、記憶を呼び覚ますシーンが最後に登場する。関西方面を直撃し、多くの被害をもたらした台風上陸中の映像だ。確かこの日、じぶんも早帰りしたっけ…と振り返りつつ、スクリーンに意識を戻して…ハッ、とした。被災地域は、まさにさどヤンのテリトリーではないか!
我ながらイヤな人間である。安心安定に退屈しておきながら、いざ波乱の気配を察知すると途端に身を乗り出したりして、単なるのぞき屋ですわ(汗)。そして田中監督は、そんな俗人好奇心に応じるかのように、台風一過のさどヤンを訪問する。はい、満を持してここでもてなしを繰り出すわけだが、いやー、このくだりが実にイイのだ。
すでに淀川は、何事もなかったように胸襟を開いて流れていたが、さどヤンのマイホームは、あの強風でひとたまりもない状態に陥った。建物の半分は辛うじて残ったが、生活必需品は全部飛ばされ「みんなパア」。それでもカメラを前に苦笑しながらこうつぶやく―「何もかもなくて気分ええわ。ホームレスらしくなったやろ?」と―。
どこ吹く風を装い、自嘲気味にサラっと言葉を紡ぐさどヤン。しかし私の耳には、「なーんにもなくなって、これで世間が望むホームレス像になっただろう?」と、挑発するかのように聴こえたのも事実。そう、「ホームレス」という在り様に対して絶えず意識を尖らせ、誰よりも自覚して生きてきたのは、他ならぬさどヤン自身なのだ。だから、わたしや世間がどう捉えようとも彼の中では端から想定内だし、いかようにも振る舞えるとの余裕がある。なるほど、矜持とはこういうことか―。
さらに一転、幕切れでは、さどヤンの恐ろしく無防備な横顔が差し挟まれる。殺されかけた愛犬を必死の看病で救い、リハビリに寄り添う姿は一服の宗教画…まるで聖家族の絵のようなシーンが登場する。災害と病気に対し、いつだって彼らが抱えるリスクは大きい。しかしその一方で、これほどあらゆる生命(いのち)と向き合う日常はないかもしれない。しかもその営みをさどヤンは、ごくシンプルに「人間の仕事は生きることや」と説くのだ―なんて痛快👍
ドキュメンタリー映画 淀川アジール さどヤンの生活と意見 予告編
名古屋シネマテークにて 2/27~3/5まで 連日10:00~ 公開
『淀川アジール~さどヤンの生活と意見』
2020年/73分/日本
監督・撮影 田中幸夫
企画・デザイン 大黒堂ミロ
朗読 ナオユキ
出演 さどヤン
おまけ/映画の中で、さどヤン側から見た川向こうの景色が繰り返し切り取られる。ふと、メキシコのアーティストガブリエル・オロスコ(1962-)の『島の中の島』(1993)という写真を思い出した。向こうと手前があることで空間がダイナミックに変貌する…“ともに幸あれ!”とつぶやきたくなる1枚だ。
PS 次回は3/13に更新します