あたしの“かっけ~!” レポート2020📄

前回に引き続き、令和に入ってから「この人、“かっけ~!”」と思った人を並べる企画の番外編、僭越ながらちんぴら自身の回答でございます(汗)。いやね、そもそもこの企画自体を思いついたのは、元旦に放送されたEテレの特番が発端なの📺それが『2000年を生きる~塩野七生と高校生の対話』。塩野さんに届いた高校生からの手紙をきっかけに、母校・学習院の生徒たちに向けて行われた特別授業映像を見て、正月早々「かっけ~!」を連発することになっちゃったってわけ(再放送もチェック!)。

 

塩野七生の気風の良さが、かっけ~!

f:id:chinpira415:20200313131451p:plain開始早々塩野さんは、高校生にじぶんの将来などわからなくて当たり前だと口にする。そして「将来役に立つ唯一のことは“免疫をつくること”」だと一席をぶつの。まず山に登り、そこで壁にぶつかったらじぶんで考えて挫折に慣れ複眼的な目を持ち教養を身につけ、免疫をつくれ―と。なんだか昨今の非常事態にも通じる話に聞こえてしまうが、“免疫”いう例えには、甘くも辛くもなく、すごくリアリティがあったんだよね

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 あと、久しぶりに耳にした「みっともないことはしない」という一言にもハッとさせられた!子供の頃のお説教で最もウザかったフレーズ(汗)。だけど、塩野さんが説く“世の中の規範”は、他人様の目を恐れて従うものというより、じぶんの尊厳をじぶんで守るために拵える道筋のように思えて、この年になってようやく腑に落ちたわ👍


塩野七生「最後の歴史長編」を語る

高校生を前にしてもけして子ども扱いせず、常に「わたくし」と「あなたがた」の対話の姿勢で座していた塩野さん。正直言って今まで、雑誌『プレジデント』を読んでそうなオヤジたちに、リーダー像を指南するイメージで眺めてマシタ(汗)。もっとシンプルに気風の良い方なのよ~そのうえめちゃくちゃ洒落オツで、かっけ~のなんの~。無造作に下げてたボアのBAG、あたしも欲しいよ~♪すいませ~ん、みっともなくて💦

 

大竹伸朗の純情混沌ぶりが、かっけ~!

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東京都現代美術館2006年に開催された大竹伸朗『全景 1955-2006』展は、武者震いしながら眺めたな…。なんと作品総数2000点だよ~(汗)。しかも、全作品、テンションMAXでさー、注ぎ込まれた膨大なエネルギーが地層になってて、会場から地響きが聞こえてきそうだったわ👂特に30年に渡って制作され続けた「スクラップ・ブック」全64冊が並ぶコーナーには、心拍数が上がったあ~。当時の動画を見て見て👀


art Lover 芸術愛好家

実はあたしもスクラップブック作りが好きで、長年作り続けてますが(現在も進行中)大竹作品は混沌の極めっぷりがハンパなくて、じぶんのちっこさを思い知らされることばかり(汗)。ここまで狂えるのは、彼の根っこが澄み切ってるからなんだろうな。そんな大竹氏の近影を、つい最近都築響一氏の『スナック芸術丸』偶然見かけたの。令和になろうがどこ吹く風~♪いつだって独り“大竹時代”を爆走してて、やっぱこの人かっけ~わ。時折りのぞく純情ぶりにもホホが緩む~😊(長編です。お時間あるときにぜひ)


2019.4.1

あたし、大竹氏の発言のすべてにグッとくるの200%理解できちゃう(笑)。次の動画なんて、何度見ても「あー、同じ星の住人だなあ~👽と感動すら覚えちゃって…。「画材屋で買った紙には描く気がしない。拾った紙じゃないと燃えない」って…本人にはいたって素直な一言でしょうが、笑い過ぎて皺が増えマシタ。あ~、返す返すも去年の『ビル景展』を見逃したのは一生の後悔です(クスン)。


あの人に会いたい! 第166回 大竹 伸朗(Shinro Ohtake)氏/ アーティスト

 

風を捕まえる岡﨑乾二郎が、かっけ~!

f:id:chinpira415:20200320132049j:plain岡﨑乾二郎氏の名を知ったのはいつだったか…。おっきなカンヴァスに、ぺたぺたと様々な色が塗り盛られていて、しかも2枚組色の組合せが放つ多幸感につられつい、右見て左見てを繰り返してしまい自動的に作品を前にする時間が長くなり1粒で複数回美味しいグリコアーモンドチョコ体験を堪能。その後、あちこちの美術館の常設展でこのシリーズを目撃し、岡崎絵画の体感はさらに増幅して行きマシタ😊

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はたまた、5~6年前だったか、絵描きのマブダチSに岡﨑氏の美術批評の仕事を教えてもらい読んでみたら、これがトーシローのあたしの視界さえグッと押し広げる柔軟な知性に満ち溢れていて、スンゲー驚いちゃったのよ…岡乾、いったい何者?と。そんなわけで、今回豊田市美術館で開催された個展『視覚のカイソウ』には飛んで行きマシタ🐤岡乾のおっそろしく広域な活動ぶりに腰を抜かし、今では、朝食でロースハムのせトーストを食べるたび、『おかちまちシリーズ』を連想してしまうちんぴらです(汗)。

f:id:chinpira415:20200318214932p:plainそれにしても…なんて粋な人なのよ~。大袈裟でなく、風を捕まえて作品に織り上げているみたいでかっけ~!そして興味深いのは、前出の大竹氏と岡﨑氏が同じ1955年生まれの東京出身だってこと。作品の着地は正反対に見えるけど、水面下に張り巡らされた複雑な回路や、湛えられた熱量は一緒で、あたしには美術界の双子―『悪童日記に思えるの。江戸の文化を遺伝子レベルで体現してる2人は、生涯にわたり創造者を貫くことは間違いナシね

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ひとり遊び王国の姫、SAKUちゃんかっけ~!

マブダチYちゃんのひとり娘・SAKUちゃんは、あたしの創作のライバル 突然の一斉休校タイムに何して過ごしてるかな…と様子伺いしたら、さーすが、我がライバルは虎視眈々と腕を磨いておりました!見よ、この晴れ姿を―👗

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SAKUちゃんは、Eテレで放送されていたBBCの裁縫バトル番組ソーイングビー」に夢中で、何と新聞紙を使い、見よう見まねでドレス作りに燃えてんだって😊本人着用のこちらの一着、注目ポイントは裾の重なり部分と、中に綿(新聞)を入れてふんわりさせた大胆なリボン飾りとか。ポージングもバッチリだ、やるな~👍

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こちらはアトリエで作業中のSAKUちゃん👩 すぐに試着ができるようパンツとシャツだけで真剣勝負。まさにコレクション直前のデザイナーの横顔ね。椅子の上にゴミ箱を置いてBODYに見立て(涙)、本気度MAXオートクチュールです💎なるほど、番組に触発されてボリュームの出し方を研究してたのね。そして最新作はギャザーをたっぷりあしらったベアトップドレスじゃないの~、かっけ~!立体把握センスにも脱帽だわ👒

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マズイ、SAKUちゃんが着実に腕をあげてきた…ライバルに差をつけられてしまったわ(汗)。そう、ひとり遊び好きは自由時間が天国♥ 学校がお休みの方が何かと多忙なんだよね(笑)。

 

イッキに読了。木内昇『光炎の人』が、かっけ~!

では、ライバルSAKUちゃんがこ~んなにハジけていた間、ちんぴらは何をしていたかというと…。世の中が非常事態シフトになりそうだったので、図書館から読み逃していた長編小説『光炎の人 (上・下)』を借りてきて、ひたすら読書に耽ってマシタ~

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日露戦争の開戦前夜、徳島の山奥のド貧乏な煙草草農家の三男に生まれた主人公の音三郎は、12歳で刻み煙草工場で下働きしながら、労働効率を目覚ましく上げる機械の仕組みに魅せられ、やがて大阪へ転職。電気技術の進歩が人々の暮らしを豊かにすると信じ、独学で無線機の研究にまで乗り出すが、そのウブな探求心はいつしか軍部と結びつき、満州国の増強戦略に加担して行くことに―。はい、2016年、木内昇東日本大震災原発事故をきっかけに書き上げた堂々たる傑作です!

f:id:chinpira415:20200325183438j:plainざっくり言うと、小学校もロクに出ていない音三郎が、コンプレックスをバネに理想に燃えて突き進むド根性話の趣きで語られのが上巻。一方、下巻の音三郎は、立身出世の軌道に乗り始めて実学を忘れ、あの根深いコンプレックスで虚構へ向けて暴走を始めます…。きめ細やかな焦燥感演出に鼻血が出そうになりました。そして、小説の大半は音三郎の五感を通じて我々に語り掛ける筆致ですが、最後の最後に思いもかけない人物の目を通し、音三郎が客体となって幕を閉じるんです…まあこのくだりのかっけーこと!

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他にも『茗荷谷の猫』『漂砂のうたう』『笑い三年、泣き三月。』…など、木内作品は滋味深いです。彼女の作品世界には「渡世」という言葉が似つかわしい人々が登場し、懸命に生きながらも、風の赴くまま漂い流れて行く印象が残ります。功成り名遂げる人生とは無縁の人々の、ささやかな痕跡に思いを馳せたくなるような…。映像の直接性とは異なる、文字を追い駆けることで立ち上がる情景に、ひとしきり魅させられてしまうのです。さて、感染症との共存の道のりは長期戦になる模様…ぜひ本を傍らに!

おまけ:台湾のデジタル大臣、気になる~!

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政治家であり天才プログラマーって…なんだかわかんないけどワクワクしちゃう♪ 台湾のデジタル大臣・唐鳳(オードリー・タン)の発言には、柔らかな未来が説かれていて、懐疑派のちんぴらも思わず身を乗り出してしまいマシタ~😊母性と父性を併せ持ったリーダー、いま最も気になる人でございます(ぺこり)。

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 PS 次回は4/13に更新します